エブトール(エタンブトール)、視力障害の早期発見に努めよう。

エブトール(エタンブトール)、視力障害の早期発見に努めよう。

エブトール(エタンブトール)は結核菌の核酸合成を阻害したり、細胞壁の合成を阻害して作用する。重大な副作用に、視力障害があり、早期発見できれば可逆的であるが、遅れると不可逆的なので薬剤師は注意が必要。

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エブトール(エタンブトール)、視力障害の早期発見に努めよう。

由来

  • エタンブトールより

 

リファジン(リファンピシン)のように大変覚えやすい。

 

特徴

  • 結核菌に対して強い抗菌作用を示し、他の結核治療薬と交叉耐性を示さない。イソニアジドまたはストレプトマイシンと併用することにより耐性菌の出現率は低減され、それらの耐性菌にも有効。
  • Mycobacterium avium 等のいわゆる「非結核性抗酸菌」感染症に対しても有効性が認められている。

 

エブトール(エタンブトール)の作用機序は、主に結核菌核酸合成経路を阻害したり、細胞壁の合成を阻害することによって作用すると考えられている。

 

 

用法用量

 

肺結核及びその他の結核症
  • 1日量0.75〜1gを1〜2回に分けて経口投与する。年齢、体重により適宜減量。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

 

MAC症を含む非結核性抗酸菌症
  • 0.5〜0.75gを1日1回経口投与する。年齢、体重、症状により適宜増減するが1日量として1gを超えない。

 

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添付文書では、さらに各体重における参考一日投与量が記載されている。むしろこっちだけでよい気がするが・・・

 

肺結核及びその他の結核症
  • 60kg以上;1000mg/日
  • 50kg以上;875mg/日
  • 40kg以上;750mg/日
  • 35kg以上;625mg/日
  • 30kg以上;500mg/日

 

MAC症を含む非結核性抗酸菌症
  • 50kg以上;750mg/日
  • 40kg以上;625mg/日
  • 30kg以上;500mg/日

 

重大な副作用

  • 視力障害、重篤な肝障害、ショック、アナフィラキシー、間質性肺炎、好酸球性肺炎、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens- Johnson 症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)、血小板減少

 

詳細は経験したことへ

 

経験したこと

別ページ、リファジン(リファンピシン)、CYP以外にも尿の色などに気を付けよう。に続き、エブトール(エタンブトール)についてまとめようと思った。

 

エブトール(エタンブトール)の副作用で注意すべきは、やはり視力障害であろう。添付文書にも明記されており、視力障害が早期発見できれば可逆的であるが、発見が遅れてしまうと不可逆的になる可能性がある。そのため、早期発見に努めなければならない。

 

視力障害の早期発見の方法まで添付文書に明記されている。それは新聞を片目ずつ一定の距離で読むというものだ。これによって患者がいち早く気付くことができれば早期発見につながるので、十分に薬剤師として説明しなければならない。

 

なお余談ではあるが、この早期発見が遅れてしまうために、乳児や幼児は原則禁忌となっている。

 

 

まとめ

  • エブトール(エタンブトール)は結核菌の核酸合成阻害や、細胞壁の合成を阻害することで作用する。
  • 重大な副作用に、視力障害があり、早期発見できれば可逆的であるが、遅れると不可逆的になってしまう可能性も。

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