ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸)は39.24g(12包)では多い!?

ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸)は39.24g(12包)では多い!?

ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸)は、腸管内でキレートを作ることによりカリウムを下げます。ケイキサレートドライシロップは添付文書上では、39.24g(12包)となっていますが、それだと多すぎるようです。

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ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸)は39.24g(12包)では多い!?

由来

  • カリウムイオンをキレートすることによる。

 

由来の通りなら、ケイキレートの方が名前としてはすんなり覚えられそうだが…K(カリウム)をキレート(化合物内に取り込んで安定化)することで除去することはイメージできる。

 

特徴

  • 腸管内でカリウムとイオン交換することで高カリウム血症を改善する。
  • ドライシロップ剤は青リンゴ風味

 

特徴というより作用機序が記載されている。腸管内でカリウムイオンを吸着し、体外に除去する。

 

 

実際に試してみたが、においや味は青リンゴ。栄養剤のフレーバーなどにも青リンゴはあるので、万人受けする味であると思う。

 

用法用量

ケイキサレート散

(1)内服
1日量30gを2〜3回に分け、その1回量を水50〜150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。

 

(2)注腸
1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。症状に応じて適宜増減。

 

ケイキサレートドライシロップ76%

1日量39.24g(ポリスチレンスルホン酸ナトリウムとして1日量30g)を2〜3 回に分け、その1回量を水50〜150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。

 

この用法容量については後で解説

 

重大な副作用

  • 心不全誘発、腸穿孔、腸潰瘍、腸壊死など

 

キレートを作って排泄するのが、腸に影響があるのだろう。下痢や激しい腹痛などが前兆のサインと思われる。

 

 

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経験したことなど

当院はケイキサレートドライシロップを採用しており、医師から処方箋が出てくる。

 

 

ケイキサレートドライシロップ 30g

 

 

当院では単位が包で出てこない。Kは5.9。医師に問い合わせる。

 

私「先生、細かいことで申し訳ないのですが、成分量として30gなので、39.24gに直していいですか?」

 

医師「そうなんですか、いいですよ。」

 

処方を修正し、監査に回すと先輩より

 

先輩「かなり前の勉強会で、ケイキサレート12包って添付文書はなってるけど、多すぎるって聞いたんだけど。」

 

(添付文書の標準量が多すぎるだと!!!そんな馬鹿な、適宜増減までついてますけど!!!)と心の中で思う。

 

先輩も詳細を覚えていなかったのでメーカーに問い合わせる。

 

私「先輩から添付文書の記載量が多すぎると聞いたんですけど、そうなのでしょうか?」

 

メーカー「添付文書に載っている量は40年くらい前のもので、記載内容が変わっていません。昔はそれくらいで使っていましたが、現在のCKDガイドラインなどでは6包分3などが推奨されているので、そちらを目安にしていただけたらと思います。」

 

再び医師に問い合わせをする。

 

私「先ほどの処方なんですが、監査にまわしたら止められてしまって。知識不足で申し訳ないです。添付文書に確かにその量で載っていますが、多すぎるようです。ガイドラインでは6包分3くらいを目安に使うそうで、初回ということもあり修正してもよろしいでしょうか?」

 

医師「へぇ、それが添付文書だと困っちゃうね。様子見ながら使うので、それに直してください」

 

 

添付文書に記載されている量が多すぎるだなんて衝撃だった。思い出してみると、内科の先生は3〜6包分3などしっかりわかって出していることが多い。今回出したのが、外科の先生だったからこういう処方に巡り合えたと思う。いい勉強になった。

 

でもそれなら思い切って添付文書改訂してくれないと、知らずに12包飲んでいる人もいるのではとも思った。Kを明日より追いかけねば。

 

まとめ

  • ケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸)は3〜6包分3くらいからスタートする方がよい。

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