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由来の通りなら、ケイキレートの方が名前としてはすんなり覚えられそうだが…K(カリウム)をキレート(化合物内に取り込んで安定化)することで除去することはイメージできる。
特徴というより作用機序が記載されている。腸管内でカリウムイオンを吸着し、体外に除去する。
実際に試してみたが、においや味は青リンゴ。栄養剤のフレーバーなどにも青リンゴはあるので、万人受けする味であると思う。
(1)内服
1日量30gを2〜3回に分け、その1回量を水50〜150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。
(2)注腸
1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。症状に応じて適宜増減。
1日量39.24g(ポリスチレンスルホン酸ナトリウムとして1日量30g)を2〜3 回に分け、その1回量を水50〜150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。
この用法容量については後で解説
キレートを作って排泄するのが、腸に影響があるのだろう。下痢や激しい腹痛などが前兆のサインと思われる。
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当院はケイキサレートドライシロップを採用しており、医師から処方箋が出てくる。
ケイキサレートドライシロップ 30g
当院では単位が包で出てこない。Kは5.9。医師に問い合わせる。
私「先生、細かいことで申し訳ないのですが、成分量として30gなので、39.24gに直していいですか?」
医師「そうなんですか、いいですよ。」
処方を修正し、監査に回すと先輩より
先輩「かなり前の勉強会で、ケイキサレート12包って添付文書はなってるけど、多すぎるって聞いたんだけど。」
(添付文書の標準量が多すぎるだと!!!そんな馬鹿な、適宜増減までついてますけど!!!)と心の中で思う。
先輩も詳細を覚えていなかったのでメーカーに問い合わせる。
私「先輩から添付文書の記載量が多すぎると聞いたんですけど、そうなのでしょうか?」
メーカー「添付文書に載っている量は40年くらい前のもので、記載内容が変わっていません。昔はそれくらいで使っていましたが、現在のCKDガイドラインなどでは6包分3などが推奨されているので、そちらを目安にしていただけたらと思います。」
再び医師に問い合わせをする。
私「先ほどの処方なんですが、監査にまわしたら止められてしまって。知識不足で申し訳ないです。添付文書に確かにその量で載っていますが、多すぎるようです。ガイドラインでは6包分3くらいを目安に使うそうで、初回ということもあり修正してもよろしいでしょうか?」
医師「へぇ、それが添付文書だと困っちゃうね。様子見ながら使うので、それに直してください」
添付文書に記載されている量が多すぎるだなんて衝撃だった。思い出してみると、内科の先生は3〜6包分3などしっかりわかって出していることが多い。今回出したのが、外科の先生だったからこういう処方に巡り合えたと思う。いい勉強になった。
でもそれなら思い切って添付文書改訂してくれないと、知らずに12包飲んでいる人もいるのではとも思った。Kを明日より追いかけねば。