ミノマイシン(ミノサイクリン)、めまいの原因は神のみぞ知る

ミノマイシン(ミノサイクリン)、めまいの原因は神のみぞ知る

ミノマイシン(ミノサイクリン)はテトラサイクリン系で30Sリボソームに作用して効果を示します。ミノマイシン(ミノサイクリン)は、インタビューフォームや添付文書上では、めまいを起こす可能性が考えられます。

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ミノマイシン(ミノサイクリン)、めまいの原因は神のみぞ知る

由来

  • ミノサイクリンから「ミノ」、抗生物質を表す「マイシン」より。

 

ミノ→ミノサイクリンが引っ張り出せれば、テトラサイクリン系につなげることができる。

 

特徴

  • グラム陽性菌およびグラム陰性菌に広範な抗菌スペクトルをもつ。
  • 肝・腎・肺などの各臓器への移行が優れている。

 

ミノマイシン(ミノサイクリン)の作用機序の前に細胞のタンパク生成について復習しようと思う。

 

タンパク質が作られるには、おおまかに以下のステップが必要である。

 

  1. DNAを転写してRNAを作る。
  2. RNAを翻訳してタンパク質を作る。

 

タンパク質を作っている工場のような場面をイメージしながら見てもらいたい。

 

 

DNAを転写してRNAを作る。

タンパクを作るには、作り方が載った指示書が必要である。指示書であるRNAを、原本のDNAからコピーする過程が、転写と呼ばれる工程であることがわかればよい。

 

RNAを翻訳してタンパク質を作る。

ステップ1でつくった指示書であるRNAをもとに、タンパクを作る。このときにタンパクを作る工場リボソームと呼ばれるものになる。指示書を翻訳し、リボソームでタンパクを作る工程がわかればよい。

 

全体像をざっくりと確認したところで、工場であるリボソームに焦点を当てたい。工場であるリボソームはいくつかの部品から出来ている。真核生物では40Sリボソームと60Sリボソームである。原核細胞では30Sリボソームと50Sリボソームである。この工場の部品を機能させなくすれば、歯車が合わなくなり、工場としての機能がうまくいかなくなることがイメージできるかと思う。

 

この真核細胞と原核細胞で、それぞれ工場が違うところに着目したのが、今回の抗菌剤になる。ミノマイシン(ミノサイクリン)は細菌の30Sリボソームにくっついて機能させなくさせることによって、タンパク質合成を阻害する。

 

 

ミノマイシン(ミノサイクリン)は様々な菌に対して効果を示すが、特に黄色ブドウ球菌に強い抗菌力をもち、他にもマイコプラズマリケッチアクラミジアなどの感染症にもよく使われる。そのため、肺炎やマイコプラズマ肺炎腎盂腎炎膀胱炎などに使われ、皮膚感染症などにも使われる。

 

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用法用量

  • 初回投与量を100〜200mgとし、以後12時間ごとあるいは24時間ごとに100mgを経口投与。

 

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー、全身性紅斑性狼瘡様症状の増悪、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、自己免疫性肝炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、剥脱性皮膚炎、薬剤性過敏症症候群、血液障害、重篤な肝障害、急性腎不全、間質性腎炎、呼吸困難、間質性肺炎、PIE症候群、膵炎、痙攣、意識障害等の精神神経障害、出血性腸炎、偽膜性大腸炎

 

経験したこと

ミノマイシン(ミノサイクリン)を皮膚感染症に対して処方されていた患者さんがいた。

 

経緯を話すと長くなるが、この患者さんは透析をしていて、いろいろと薬を試したが、改善せず、皮膚科の先生に主治医がコンサルトした。皮膚科の先生は、掻き壊しもあり、皮膚感染のおそれがあるということで、ミノマイシン(ミノサイクリン)を含めたいくつかの薬を処方した。

 

ミノマイシン(ミノサイクリン)を使い始めて3日目くらいで、患者のカルテを見たら夜間ふらつきありとあった。インタビューフォームでの試験データではめまい感(2.85%)とあり、重要な基本的注意にもめまい感に関する記載がある。

 

ただ、この患者はかゆくて眠ることができず、ミノマイシン(ミノサイクリン)と同じ時期にデパス(エチゾラム)も始まっていたため、判別が出来なかった。

 

どのようなメカニズムで、ミノマイシン(ミノサイクリン)がめまいを起こすのかが気になる。そして、めまいの原因はこれなのだろうか・・・神のみぞ知るというところであろう。

 

 

まとめ

  • ミノマイシン(ミノサイクリン)は、テトラサイクリン系で30Sリボソームに作用する。
  • ミノマイシン(ミノサイクリン)は、めまいを起こす可能性があるので、注意が必要である。

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