![アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)、使い方と患者選択](../img/header.jpg)
Sponsored Link
舌下錠であることと結びつけることができる。
アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)の作用機序はオピオイドμ受容体刺激作用によるものである。
オピオイド受容体は主に鎮痛に関わる受容体であり、μ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパー)といった、いくつかの種類がある。そのうちの一つであるμ受容体を刺激する。
アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)は、キャリア粒子に、フェンタニルクエン酸塩と、崩壊剤、粘膜付着剤などが混合されている。これを舌下投与することで、舌下で崩壊し、薬剤が粘膜で保持され、吸収されるように工夫されている。
その他注意事項として、「誤用防止のため、含量の異なるアブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)を同時に処方しない」「他のフェンタニル速放性製剤からの変更でも必ず100μgから投与を開始する」などがある。
使い方が煩雑である。医療側、患者側を含めて、使い方を間違える可能性があるので、十分な教育が必要である。文章だけでなく、図を用いて説明することで、確実な理解が必要である。
アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)を絡めた、緩和の勉強会に参加した。
がんによる痛みには、持続的な痛みの他に、一過性の痛みが出現することがあり、突出痛と呼ばれている。突出痛の90%は1時間以内におさまるが、患者の苦痛は大きい。
そんな突出痛に、アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)が使われる。しかし、この薬は従来のレスキューの薬に比べて、使い方が煩雑であり、うまく使わないと痛みをコントロールできない恐れがある。
公演された先生の病院では、院内で運用しようと試みたが、「入院中の患者は状態が不安定であり、薬の自己管理が困難である」「安全性を重視したがために、院内ルールが煩雑すぎて処方がされない」などの問題を抱えていたそうだ。そのため、アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)の外来での導入を考えたそうだ。
Sponsored Link
Sponsored Link
アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)を外来で導入するにあたって、以下の3点が重要となると話していた。
最初の2つは医療者側が気を付けるべきことなので、一番は患者の理解力によって判断されるだろう。
先ほどの患者の理解力に関わってくることだが、フローチャートを用いて患者に説明する。また、誰が話してもズレが生じないように、院内で統一されたフォーマットを作り、指導内容を統一させるなどの工夫がされていた。また使用記録についても院内で統一されたものを作っていた。
初回導入1週間以内に、再診又は電話対応することで効果と使用状況を追っているそうだ。また、常に緩和ケアチームに直接つながる電話番号を伝えて、相談できる体制を整えているそうだ。
説明を聞いて、大病院であれば、人数や体制が整えられるかもしれないが、人数が少なめの中小規模だとそこまでの手厚いサポートは厳しそうな気がした。だが、患者選択さえ間違えなければレスキューの武器が増えることも確かだ。
当院でも、アブストラル舌下錠(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)は院内で処方されるが、効果的に使えているか謎なときがある。患者選択が本当に正しくされているのか、みていきたい。