![ジャディアンス(エンパグリフロジン)、SGLT2と心臓と腎臓の関係。](../img/header.jpg)
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何にもつなげられない。
ジャディアンス(エンパグリフロジン)の作用機序はSGLT2阻害薬に分類される。SGLT2とはいったいなんなのか?
SGLTは、sodium glucose cotransporterの略で、ナトリウム・グルコース共役輸送体と訳される。尿が作られ、排泄される過程において、不要なものは排泄され、糖などの必要なものは捨てられないように再吸収される。その糖の再吸収に関わるのが、近位尿細管にあるSGLTである。
SGLTにはいくつか種類があり、そのうちの1つがSGLT2である。近位尿細管における糖の再吸収のうち、約90%がSGLT2が関わっていると考えられていて、ここを抑えることで、糖の再吸収が抑えられる。
ジャディアンス(エンパグリフロジン)は、SGLT2を阻害することで、糖の再吸収を抑えて、尿中に糖を排泄させる。
試験時に朝のみで評価していないため、朝投与となっている。また1型糖尿病でも評価されていないことから、2型糖尿病のみとなっている。
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中等度腎機能障害患者では、効果が十分に得られない可能性があるので、慎重に判断することとなっており、高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では、効果が期待できないため投与しないこととなっている。eGFRが45未満だと中止を検討していく。
ジャディアンス(エンパグリフロジン)の勉強会に参加した。
ジャディアンス(エンパグリフロジン)はEMPA-REG OUTCOME(エンパレグアウトカム)試験により、心血管死などのリスク低下や、腎機能低下の抑制の可能性を示している。講演した先生によると、ジャディアンス(エンパグリフロジン)は利尿薬と比べて、電解質(主にカリウム)に変動を与えにくいことから心臓に優しく、腎臓に対してはATPなどのエネルギー消費を抑えられるため優しいと言っていた。
講演していた先生によると、SGLT2に向いている症例としては、
などがあげられていた。逆に、フレイルやサルコペニアがある患者ではSGLT2は向いていないと言っていた。
だいたい心不全や腎不全の患者であると、利尿薬を使っているケースが多い。そこで適応があれば、ジャディアンス(エンパグリフロジン)などのSGLT2を利尿薬に上乗せし、効果が安定してきたら、徐々に利尿薬を減らしたり、長時間型の利尿薬に変えてみるのも、有効な使い方という話もとてもためになった。
今後もSGLT2の中でも、ジャディアンス(エンパグリフロジン)の一人勝ちは続きそうである。