リオナ(クエン酸第二鉄水和物)、黒色便と薬

リオナ(クエン酸第二鉄水和物)、黒色便と薬

リオナ(クエン酸第二鉄水和物)は食事由来のリン酸と結合して排泄する高リン血症治療薬です。リオナ(クエン酸第二鉄水和物)は鉄を含むため、黒色便が出る可能性のある薬です。

Sponsored Link

リオナ(クエン酸第二鉄水和物)、黒色便と薬

由来

  • 「リ」ン「を」「な」おすより。

 

高リン血症治療薬であることに結びつけることはできるだろう。

 

特徴

  • 水溶性金属塩タイプの高リン血症治療剤。
  • 比表面積を大きくすることで食品添加物のクエン酸第二鉄より速い溶解速度を実現
  • 透析期および保存期の慢性腎臓病患者において血清リン濃度の低下効果が認められた

 

リオナ(クエン酸第二鉄水和物)は、高リン血症治療薬に分類される。

 

その作用機序は、消化管で溶けたリオナ(クエン酸第二鉄水和物)は、第二鉄(Fe3+)を出す。出てきた、第二鉄(Fe3+)は食事由来のリン酸と結合して、そのまま便に排泄されるというものだ。

 

 

用法用量

  • 1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口投与。適宜増減するが、高用量は1日6000mgまで。

 

食事由来のリン酸と結合するため、食直後に投与が最大の効果を発揮すると考えられている。

 

重大な副作用

  • 特になし。

 

経験したこと

看護師さんより、相談を受けた。

 

看護師「最近入院した患者が黒色便が出るんだけど、今飲んでる薬の中で、出るやつってある?」

 

透析患者なので、7〜8種類くらい飲んでいたが、ざっと見た感じでは、見当たらなかった。特に抗血小板薬とか、抗凝固薬とかもなかった。

 

私「う〜ん、なさそうですね。」

 

看護師「そっか。ありがとう。」

 

なんとなく腑に落ちないので、薬手帳を見直してみると、直近までリオナ(クエン酸第二鉄水和物)を飲んでいた。ただし、薬を持ってきておらず、当院では採用がないため、当院のキックリンに処方を変えられていたのだ。実際にどこまで体内に残存するかはわからないが、可能性としては一番高そうだった。

 

私「さっきの黒色便なのですが、リオナ(クエン酸第二鉄水和物)を入院前は飲んでいたようなので、その名残かもしれません。」

 

看護師さん「本当だ、最近の処方にリオナ(クエン酸第二鉄水和物)があるね。スッキリした。」

 

せっかくのいい機会なので、便の色に関わる薬の例をまとめた。

 

Sponsored Link

Sponsored Link

 

黒色
  • フェログラデュメット(硫酸鉄水和物);腸管内で黒色の硫化鉄を生成
  • インクレミン(溶性ピロリン酸第二鉄);腸管内で黒色の硫化鉄を生成
  • フェルム(フマル酸第一鉄);腸管内で黒色の硫化鉄を生成
  • フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム);腸管内で黒色の硫化鉄を生成
  • リオナ(クエン酸第二鉄水和物);腸管内で黒色の硫化鉄を生成
  • ピートル(スクロオキシ水酸化鉄);腸管内で黒色の硫化鉄を生成
  • 薬用炭;黒色で、そのまま便に排泄
  • クレメジン(炭素);黒色で、そのまま便に排泄
  • タンナルビン(タンニン酸アルブミン);腸管内で鉄と結合して黒色のタンニン酸鉄を生成
  • 次硝酸ビスマス、次没食子酸ビスマス(ビスマス製剤);ビスマスが黒い硫化ビスマスとなる

 

赤色

 

緑色
  • メサフィリン(銅クロロフィリンナトリウム配合);糞便中に排泄

 

白色
  • バリトゲン、バリトップ(硫酸バリウム);糞便中に排泄
  • デパケンR;徐放性製剤で、まわりがコーティングされている。錠剤の中の方は白色で、その残りが糞便中に排泄。
  • アルミゲル(乾燥水酸化アルミニウム・ゲル);金属塩を形成して排泄される。

 

その他
  • オキシコンチン(オキシコドン);薬の抜け殻が排出

 

 

まとめ

リオナ(クエン酸第二鉄水和物)は、食事由来のリン酸と結合する高リン血症治療薬である。
リオナ(クエン酸第二鉄水和物)は、鉄を含み、黒色便が出る可能性がある。

就職や転職でお悩みの方はコチラ!私はここで年収120万円上がりました

Sponsored Link