マグラックス(酸化マグネシウム)、低マグネシウム血症の治療

マグラックス(酸化マグネシウム)、低マグネシウム血症の治療

マグラックス(酸化マグネシウム)は制酸作用、緩下作用、尿路シュウ酸カルシウム結石の予防などに通常使われます。しかし時には、低マグネシウム血症の患者さんの治療に使われます。

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マグラックス(酸化マグネシウム)、低マグネシウム血症の治療

由来

  • 酸化マグネシウムのMagと、下剤のLaxativeよりlaxを組み合わせた。

 

マグから酸化マグネシウムは引っ張り出せる。酸化マグネシウムさえでてくれば、laxativeを知らなくても、下剤とつなげられるだろう。

 

特徴

  • 日局酸化マグネシウム(細粒)のような口中不快感がない。
  • アドヒアランス向上が期待できる。
  • 適度な時間で崩壊する。

 

作用機序としては、化学反応式を考えるとわかりやすい。

 

酸化マグネシウムMgOは胃酸HClと反応する。MgO+2HCl→MgCl2+H2O(制酸作用)

 

さらに生成したMgCl2は腸管内で膵液に含まれるNaHCO3と反応する。MgCl2+2NaHCO3→2NaCl+Mg(HCO3)2

 

最終的に生成した炭酸マグネシウムは腸管から吸収されにくい。そして腸内の浸透圧を高め、水分を引っ張ることで腸内容物を膨張、軟化させることによる。(緩下作用)

 

 

尿路シュウ酸カルシウム結石の予防については、小腸から吸収された微量のMg2+が、シュウ酸カルシウム結石と複合体を作り排泄を促進することによる。(尿路シュウ酸カルシウム結石の予防)

 

以前は医療用医薬品として、日局酸化マグネシウムの散剤しかなかったそうだ。口の中では錠剤の形を維持して、胃内に到達後はすぐに崩壊するように設計されているため、酸化マグネシウム独特のザラザラ感や不快な味を解消できるため、アドヒアランスの向上につながると考えられている。

 

用法用量

  • 制酸剤;1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与。適宜増減
  • 緩下剤;1日2gを3回に分割経口投与するか、寝る前に1回投与。適宜増減
  • 尿路シュウ酸カルシウム結石の予防;1日0.2〜0.6gを多量の水と共に経口投与。適宜増減

 

さっきの作用機序で考えれば、制酸剤より緩下剤の方が用量が多くなるのは納得できるだろう。

 

重大な副作用

  • 高マグネシウム血症

 

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経験したこと

低マグネシウム血症を起こしている患者さんに、マグラックス(酸化マグネシウム)の処方が出た。

 

血清マグネシウムは1.2mg/dLだった。少し震えの症状が出ていた。もともと心不全で入院した患者で利尿薬が出ていた。入院前の飲酒歴を見ると、朝から飲むような人だった。ビタミンB1の処方と検査もしていたので、やっぱり先生の知識は凄いな〜と感心してしまった。

 

低マグネシウム血症を深く理解するチャンスなので、簡単にまとめてみた。

 

低マグネシウム血症

血清マグネシウムの正常値は1.7〜2.4mg/dLである。

 

症状
  • テタニー;マグネシウムが不足することで神経の刺激伝導が速くなるため、また低カルシウムも起こるため
  • 低カリウム血症;Na-Kポンプがうまく働かず、細胞内よりKが流出するため
  • 低カルシウム血症;副甲状腺ホルモンの分泌や効き目が悪くなるため

 

原因
  • マグネシウム摂取量の低下、消化管からのマグネシウム吸収低下
  • 薬剤性;利尿剤、ゲンタマイシン、カルベニシリン、アムホテリシンB、シスプラチンなどによりマグネシウムの尿中排泄が増えるため
  • Gitelman(ギッテルマン)症候群;遠位尿細管でのマグネシウム再吸収が低下するため
  • アルコール依存症;マグネシウムの排泄が増えるため。(ちなみにマグネシウムはチアミンをチアミンピロリン酸へ変換するのに必要)

 

治療
  • マグネシウムの補充(点滴、内服)

 

マグラックス(酸化マグネシウム)も奥が深いと思える経験となった。

 

まとめ

  • マグラックス(酸化マグネシウム)はマグネシウムの補充にも使われる。

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