アロキシ(パロノセトロン)、CINVを学ぶ

アロキシ(パロノセトロン)、CINVを学ぶ

アロキシ(パロノセトロン)は長時間効く5-HT3受容体遮断薬であるため、特に遅発性に効く。CINVは抗がん剤による悪心嘔吐のことで、リスクによって4つに分類される。適切な制吐剤を用いることが重要である。

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アロキシ(パロノセトロン)、CINVを学ぶ

由来

  • PALONOCETRONのALOによる。

 

アロ→パロノセトロン→5-HT3と繋げられそう。アロからパロノが引っ張れるかがカギ

 

特性

  • 抗がん剤(シスプラチンなど)による急性と遅発性悪心嘔吐に使われる第二世代の5-HT3受容体拮抗薬
  • 抗がん剤(シスプラチンなど)実施前、一回投与で持続的投与がある。
  • 半減期は約40時間
  • 5-HT3受容体に持続的かつ選択的に結合する。

 

アロキシ(パロノセトロン)の作用機序は、5-HT3(セロトニン)受容体拮抗薬に分類される。まず、アロキシ(パロノセトロン)が関わる嘔吐のメカニズムを見ていく。抗がん剤が投与されると、セロトニンが出てくる。出てきたセロトニンが主に以下の2点により嘔吐を起こす。

 

  • 延髄付近にはCTZ(chemoreceptor trigger zone);化学受容器引き金帯と呼ばれるものがあり、5-HT3受容体を有する。セロトニンが作用し、刺激されると嘔吐中枢に情報が伝わり、嘔吐を起こす。
  • 消化管に存在する求心性迷走神経終末の5-HT3受容体に作用すると、嘔吐中枢に情報が伝わり、嘔吐を起こす。

 

 

アロキシ(パロノセトロン)は、それぞれにおけるセロトニンと拮抗し、5-HT3受容体にセロトニンがくっつけなくする。

 

第一世代である、カイトリル(グラニセトロン)と比べて、アロキシ(パロノセトロン)は、5-HT3受容体に長くくっつく。そのため、半減期は40時間と長く、抗がん剤前に1回投与で済む。この作用から、特に遅発性嘔吐に有効。

 

 

用法用量

  • 0.75mgを静注又は、点滴静注。

 

注意として、カイトリル(グラニセトロン)は投与後さらに追加投与出来るのに対し、アロキシ(パロノセトロン)は添付文書上、「1週間未満の反復投与は使用経験がないため避けること。」となっている。これは、半減期が40時間と長く、血中濃度が高くなってしまうためである。ちなみにメーカーさんいわく、アロキシ(パロノセトロン)投与後に、カイトリル(グラニセトロン)を追加投与することは可能だそう。

 

重大な副作用

  • ショックなど

 

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経験したこと

抗がん剤治療における制吐剤の勉強会を行った。
がん治療は予後に大きな影響をもたらしうるが、切っても切れない副作用の1つにCINV(Chemotherapy Induced Nausea and Vomiting);がん化学療法による悪心嘔吐があげられる。
CINVはリスク分類すると、以下の4つに分けられる。

 

  • HEC(High emetic risk);高度催吐性リスク
  • MEC(Moderate emetic risk);中等度催吐性リスク
  • LEC(Low emetic tisk);軽度催吐性リスク
  • Minimal emetic risk;最小度催吐性リスク(あまり関わらないので、以後省略)

 

 

HEC
薬剤やレジメン

 

  • ドキソルビシン・シクロホスファミド(AC)
  • エピルビシン・シクロホスファミド(EC)
  • シクロホスファミド(≧1500mg/u)
  • シスプラチン
  • ストレプトゾシン
  • ダカルバジン

 

制吐薬

 

イメンド(アプレピタント)orプロイメンド(ホスアプレピタント)+5-HT3受容体拮抗薬+デカドロン(デキサメタゾン)

 

MEC
薬剤やレジメン

 

  • アクチノマイシンD
  • アザシチジン
  • アムルビシン
  • イダルビシン
  • イダルビシン
  • イホスファミド
  • イリノテカン
  • インターフェロンα(≧1000万IU/u)
  • エノシタビン
  • インターロイキン2(>1200万〜1500万IU/u)
  • エピルビシン
  • オキサリプラチン
  • カルボプラチン
  • クロファラビン
  • 三酸化ヒ素
  • シクロホスファミド(<1500mg/u)
  • シタラビン(>200mg/u)
  • ダウノルビシン
  • テモゾロミド
  • ドキソルビシン
  • ネダプラチン
  • ピラルビシン
  • ブスルファン
  • ベンダムスチン
  • ミリプラチン
  • メトトレキサート(≧250mg/u)
  • メルファラン(≧50mg)

 

制吐薬

 

5-HT3受容体拮抗薬+デカドロン(デキサメタゾン)。カルボプラチン、イホスファミド、イリノテカン、メトトレキサートなどはHECと同じ内容を考慮。

 

LECの主な薬剤・レジメン
  • インターフェロンα(5〜10 million IU/u)
  • インターロイキン2(≦12 million IU/u)
  • エトポシド
  • エリブリン
  • カバジタキセル
  • ゲムシタビン
  • シタラビン(100〜200mg/u)
  • トラスツズマブエムタンシン
  • ドキソルビシンリポソーム
  • ドセタキセル
  • ニムスチン
  • ノギテカン
  • パクリタキセル
  • パクリタキセルアルブミン懸濁型
  • フルオロウラシル
  • ブレンツキシマブ
  • ペメトレキセド
  • ペントスタチン
  • マイトマイシンC
  • ミトキサントロン
  • メトトレキサート(50〜250mg/u)
  • ラニムスチン

 

このようにわけられている。これらに応じて適切な制吐剤を使っていくことが必要である。デカドロン(デキサメタゾン)は長期的に投与される可能性があるため、糖尿病骨粗しょう症などの副作用をモニタリングしていくことも重要である。

 

CINVを評価する

CINVを評価するツールとして、MAT(MASCC Antiemesis Tool)がある。これはMASCC(Multinational Association of Supportive Care in Cancer);国際がん支持療法学会が作成している質問票である。

 

以下の4つの項目に対して、「24時間以内の場合」と「24時間〜4日までの場合」を答える。

 

  1. 化学療法を受けてから、嘔吐したか?
  2. 1がyesの場合、何回嘔吐したか?
  3. 化学療法を受けてから、吐き気があったか?
  4. 3がyesの場合、10段階評価でどれくらいだったか?(吐き気なしを0、最もひどい時を10とする)

 

要するに、急性期と遅発性の悪心嘔吐を評価するということである。

 

悪心嘔吐に関して、患者の経験と医療従事者の認識を調べたデータを見せてもらったが、急性期では認識に差が出なかったものの、遅発期の悪心嘔吐では認識に差が見られた。急性期はその場で気づくことなどできるが、遅発期は患者が近くにいない可能性があるため、気づきにくい。遅発性の悪心嘔吐に関して、医療従事者側は注意するべきであろう。

 

そこでMATを使って遅発性に関する記録を残してもらい、提出してもらえれば後日になってしまうが、気づくことができる。気づくことができれば少しは対策を考えることもできるだろう。

 

まとめ

  • アロキシ(パロノセトロン)は半減期が長いため、遅発性嘔吐に特に効く。
  • 患者のCINVを適切に評価して対策をとることが重要

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