ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)、ヘパリンナトリウムとの違い

ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)、ヘパリンナトリウムとの違い

ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)はアンチトロンビンVと複合体を形成して、抗血栓薬として使われます。ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)とヘパリンナトリウムの違いをまとめました。

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ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)、ヘパリンナトリウムとの違い

由来

  • 特になし

 

そのままなので覚えやすい

 

特徴

  • 分子量6000〜20000の未分画ヘパリン製剤。
  • ヘパリンナトリウムは体内でCaを捕集してヘパリンカルシウムになって抗凝血作用を示す。ヘパリンカルシウムは体内でCaイオンと置換することなく、より生理的な作用様式での抗凝血作用を現す。
  • 高濃度の皮下注射専用製剤である。
  • 本剤には防腐剤が添加されていない。
  • 薬理学的試験において、作用発現が速く、持続的であったと確認されている

 

ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は抗血栓薬に分類され、その作用機序はアンチトロンビンVの作用を増強することによる。

 

凝固のメカニズムは、様々な経路を経て、プロトロンビンからトロンビンになる。トロンビンがフィブリノーゲンからフィブリンへの反応を促進する。

 

 

トロンビンは、アンチトロンビンVと呼ばれるものによって阻害される。名前の通り、「アンチ」トロンビンである。

 

ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は、そのアンチトロンビンVと複合体を形成して、アンチトロンビンVの作用を強める。その結果、凝固反応が妨げられるということになる。

 

用法用量

  • 初回に15,000〜20,000単位、続いて維持量として1回10,000〜15,000単位を1日2回、12時間間隔で皮下注射する。
  • 手術後又は心筋梗塞等に続発する静脈血栓症の予防には、5,000単位を12時間ごとに7〜10 日間皮下注射する。

 

症例やAPTTによって適宜増減する。通常はAPTTが正常値の2〜3倍となるようにコントロールする。

 

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー、出血、血小板減少、HIT等に伴う血小板減少・血栓症など

 

経験したこと

今更だが、ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)と、ヘパリンナトリウムの違いが気になったので調べた。

 

インタビューフォームを見ても、冒頭の特徴のような内容しかなく、決定打に欠けるところがあった。素直にメーカーさんにご教授頂いた。

 

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ご教授頂いた内容としては、強いて言うなら2つの違いがあげられる。

 

  • ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は、Caイオンとの置換が不要。
  • 高濃度であるため、少量で済むこと

 

ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は、Caイオンとの置換が不要。

ヘパリンナトリウムは体内でCaを捕集してヘパリンカルシウムになって抗血栓作用を示す。

 

それに対して、ヘパリンカルシウムはすでに、カルシウムであるため、体内でCaイオンとの置換が不要である。よって理論上では、1ステップ少なくして作用できる。

 

 

高濃度であるため、少量で済むこと

ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は、例えば1万単位は0.4mlである。それに対して、ヘパリンナトリウムは5千単位は5mlである。つまり、圧倒的に高濃度である。

 

高濃度であるため、自己注射などを行う際には少量で済むため、患者の痛みの軽減などもはかれる可能性がある。

 

 

そこまで大きな違いがないという結論がわかっただけでも、すっきりした。

 

まとめ

  • ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)はアンチトロンビンVと複合体を形成して作用を示す。
  • ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)はCaイオンとの置換が不要。
  • ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は高濃度であるため少量で済む。

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