![ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)、ヘパリンナトリウムとの違い](../img/header.jpg)
Sponsored Link
そのままなので覚えやすい
ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は抗血栓薬に分類され、その作用機序はアンチトロンビンVの作用を増強することによる。
凝固のメカニズムは、様々な経路を経て、プロトロンビンからトロンビンになる。トロンビンがフィブリノーゲンからフィブリンへの反応を促進する。
トロンビンは、アンチトロンビンVと呼ばれるものによって阻害される。名前の通り、「アンチ」トロンビンである。
ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は、そのアンチトロンビンVと複合体を形成して、アンチトロンビンVの作用を強める。その結果、凝固反応が妨げられるということになる。
症例やAPTTによって適宜増減する。通常はAPTTが正常値の2〜3倍となるようにコントロールする。
今更だが、ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)と、ヘパリンナトリウムの違いが気になったので調べた。
インタビューフォームを見ても、冒頭の特徴のような内容しかなく、決定打に欠けるところがあった。素直にメーカーさんにご教授頂いた。
Sponsored Link
Sponsored Link
ご教授頂いた内容としては、強いて言うなら2つの違いがあげられる。
ヘパリンナトリウムは体内でCaを捕集してヘパリンカルシウムになって抗血栓作用を示す。
それに対して、ヘパリンカルシウムはすでに、カルシウムであるため、体内でCaイオンとの置換が不要である。よって理論上では、1ステップ少なくして作用できる。
ヘパリンCa皮下注(ヘパリンカルシウム)は、例えば1万単位は0.4mlである。それに対して、ヘパリンナトリウムは5千単位は5mlである。つまり、圧倒的に高濃度である。
高濃度であるため、自己注射などを行う際には少量で済むため、患者の痛みの軽減などもはかれる可能性がある。
そこまで大きな違いがないという結論がわかっただけでも、すっきりした。