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過活動膀胱患者のβ3アゴニストといった感じの訳だろうか。「ベ」からβ3を引っ張り出せるくらいか。
ベオーバ(ビベグロン)の作用機序はβ3受容体刺激薬である。
膀胱が尿を貯める時は、風船のように膨らんでいく。もし尿を貯める膀胱が収縮してしまったら、尿を貯めることができず、漏らしてしまう。
膀胱が縮んだり、緩んだりするには受容体が関わってくる。膀胱に関わる受容体には、ムスカリンM3受容体とアドレナリンβ3受容体がある。
ムスカリンM3受容体にアセチルコリンがくっつくことで膀胱が収縮するため、抗コリン薬で収縮を抑制する。逆にアドレナリンβ3受容体を刺激することで、膀胱は弛緩する。
ベオーバ(ビベグロン)はβ3受容体を刺激することで過活動膀胱に関連する症状を改善する。
ベオーバ(ビベグロン)の勉強会をした。
今まではβ3受容体刺激薬といえば、ベタニス(ミラベグロン)だけだった。メーカーさんいわく、有効成分は見つかっていたものの、遺伝毒性などの問題面を解決できずに製剤化できていなかったそうだ。そのため、嫌でもベタニス(ミラベグロン)との比較になってしまう。
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ベオーバ(ビベグロン)とベタニス(ミラベグロン)の違いとして、メーカーさんが推したい点は以下の3点である。
ベタニス(ミラベグロン)はβ3選択性を高めているものの、どうしてもβ2を刺激してしまうことがある。そのため心拍数増加などが起こる可能性があり、重篤な心疾患を持つ患者は禁忌とされている。その他にもいくつかの禁忌事項がベタニス(ミラベグロン)にはあるのに対して、ベオーバ(ビベグロン)の禁忌事項は少ない。
ベオーバ(ビベグロン)もβ2を刺激する可能性もあるだろうし、その他の禁忌事項もまだ見つかってないだけかもしれないが、禁忌事項が少ないのは大きい。
ベタニス(ミラベグロン)はCYP2D6を阻害するのに対して、ベオーバ(ビベグロン)はCYP2D6を阻害しない。よって、相互作用の可能性も少なくなる。
ベタニス(ミラベグロン)は腎機能や肝機能により用量調節する可能性もあるが、ベオーバ(ビベグロン)は特に縛りがない。
聞いている限りでは、医師もベタニス(ミラベグロン)より使いやすそうな気がするので、認知されればブレークすると思った。