![アミティーザ(ルビプロストン)、慢性便秘症における有効性と習慣性](../img/header.jpg)
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アミティーザ(ルビプロストン)の作用機序としては、クロライドチャネルアクチベーターである。名前は複雑だが、要するに慢性便秘症に使われる。
便は水分が多ければ緩くなるし、水分が足りなければ硬くなるため、腸管における水分の調節が改善要素の1つとなる。
クロライドとは、塩化物イオン(Cl-)のことである。クロライドはクロライドチャネルと呼ばれるトンネルのようなものによって行き来する。小腸粘膜上皮細胞には、クロライドチャネルが存在する。
ここにアミティーザ(ルビプロストン)が作用することで、クロライドチャネルが活性化し、クロライドが腸管の内腔に出てくる。そうすると、ナトリウムイオン(Na+)も腸管内腔に出てきて、水分も引っ張られる。よって、腸管内に水分がある状態になるということだ。
アミティーザ(ルビプロストン)は試験時では48週にわたって便の硬さや自然排便回数を改善させている。そして、腹部膨満感、腹部不快感、いきみの強さ、残便感などもあわせて改善させている。
試験時では副作用の1つである悪心が食前より食後の方が低下したという記載がある。まぁ、アミティーザ(ルビプロストン)をわざわざ食前で処方する機会はなかなかないと思うが。
中等度又は重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB又はC)のある患者では、1回24μgを1日1回から開始するなど、慎重に投与。
重度の腎機能障害のある患者では、患者の状態や症状により1回24μgを1日1回から開始するなど、慎重に投与。といった注意書きがある。いずれも試験時で、活性代謝物が健康成人より高い値を示している。
アミティーザ(ルビプロストン)の勉強会をした。慢性便秘症診療ガイドラインが出来たことに伴う宣伝だった。
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便秘と言われれば、なんとなくのイメージはわくが、定義としては「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」だそうだ。要するに、出るか出ないかという問題だけでなく、いきみ、便の形、残便感、排便困難感といった要素も便秘では考えないといけない。
便秘の治療においては、内服薬は1つの手段だろう。いくつかの種類がある中で、アミティーザ(ルビプロストン)は慢性便秘症に有効とされている。
他の浸透圧性下剤なども慢性便秘症に有効とされている。しかし、一般的によく使われる酸化マグネシウムなどのマグネシウムを含むものは、マグネシウムが上昇する可能性があるため、定期的なマグネシウム測定が推奨されている。マグネシウムの測定はよほどのことがない限り先生たちは採血オーダーに出さないし、薬剤師側からいちいち提案するのも正直なところ面倒である。アミティーザ(ルビプロストン)であれば、そういった手間も省ける。
ちなみにセンノシドなどの刺激性下剤も有効であるが、屯用や短期間での使用が推奨されている。これは習慣性の問題があり、だらだらと使い続けると習慣性が生じてしまい効かなくなるおそれがあるからである。アミティーザ(ルビプロストン)は、習慣性もないため、継続して使い続けることができる。
良いことばかりのアミティーザ(ルビプロストン)であるが、妊婦には投与禁忌であるため注意が必要なのと、データ上悪心が若い女性に起こりやすいとのことだったので注意が必要である。ちなみに、この悪心は、アミティーザ(ルビプロストン)が上部消化管に作用するため、起こりやすいのではないかとメーカーさんが言っていた。
患者のもとの疾患に加えて、便秘を持っている人は結構な可能性でいるだろう。慢性便秘症のスタンダードな治療として、アミティーザ(ルビプロストン)が徐々にシフトしていきそうな気がした。