ケフラール細粒小児用(セファクロル)は成人でも使えるのか。

ケフラール細粒小児用(セファクロル)は成人でも使えるのか。

ケフラール細粒小児用(セファクロル)は第一世代のセフェム系です。ケフラール細粒小児用は小児となっているけど、成人でも使えるのか?

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ケフラール細粒小児用(セファクロル)は成人でも使えるのか。

由来

  • セファクロルCefaclorのCefをKefと変換、経口薬であることからoralのralを語尾につけて、組み合わせた。

 

経口のセフェム系ということが推測可能

 

 

特徴

  • 投与量に比例して、血中濃度があがるが、添付文書上一日3回投与である。
  • 第一世代セフェム系

 

ケフラール細粒小児用(セファクロル)の作用機序は、第一世代セフェム系に分類される。菌を攻撃する際には、人体に影響がないようにしなければならない。細菌の細胞壁はペプチドグリカンと呼ばれるものによって出来ている。これはヒトにはないものなので、これを攻撃することができれば、人体に影響なく、菌のみを攻撃することができる。

 

 

さて、細菌に特徴的な細胞壁のペプチドグリカンであるが、ペプチドグリカンが作られるにもいくつか過程がある。

 

おおざっぱに言うと、N-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンという成分が結合して1本の鎖のようなものを作っている。その1本の鎖どうしを、トランスペプチダーゼと呼ばれる酵素が、ペプチド鎖をくっつけることによって、より強固なつなぎをつくる。1本の鎖どうしを網の目にするようなイメージだ。これによってペプチドグリカンがつくられる。

 

 

L-ケフレックス小児用顆粒(セファレキシン)はトランスペプチダーゼを阻害することによって、細胞壁合成をうまく出来なくして作用を示す。

 

第一世代セフェム系はグラム陽性菌に対して抗菌力が強い。

 

用法用量

  • 通常、幼小児には、20〜40mg(力価)/kgを3回に分ける。適宜増減。

 

一包が100mg/g。
患者を10kgと想定すると、200mg〜400mgとなるため、3包 3xなどが目安になる。

 

重大な副作用

  • アレルギー系など

 

 

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経験したことなど

医師からの電話があり、「セファゾリンからの切り替えで第一世代のセフェム系を使いたいんだけど」と問い合わせがある。

 

残念ながら、当院にはケフラール細粒小児用しか置いていない。電話をしながら「小児用」って成人に使えるのか?と疑問に思い、折り返すことにする。
フロモックスではダメなのかと思いつつ、添付文書で調べ始める・・・あくまで小児としか書かれていない。わからないからメーカーに聞こう。

 

メーカー「保険で引っかからないように、内服困難のためなどと理由をつけてください」

 

私「お恥ずかしい話ですが、内服困難などでなく、当院でケフラールしか第一世代のセフェム系の採用がないという理由なんですが・・・」

 

メーカー「その事情に関しては、なんとも言えません(笑)」

 

私「ですよね(笑)内服困難などの理由をつけてもらいます。ありがとうございました。」

 

再び医師に折り返す。

 

私「先生、調べ終わりましたのでご報告させていただきます。結論としての提案が二つあります。1つ目は先生のご希望通りの第一世代で行くのであれば、当院にはケフラールしかないです。小児用細粒でして、メーカーに聞いたところ、成人でも使えるそうです。ただし保険の関係上はじかれる危険性があるため、内服困難などのコメントをつけてください。2つ目はフロモックスなどではダメでしょうか?」

 

医師「そこまでするんだったら、フロモックスでいいか。フロモックスいってダメなら、また連絡します。ありがとう」

 

 

 

小児用も成人で使えることを学びました。「細粒小児用」と書かず、「細粒」とかにして、ケフラールカプセルの用法容量で添付文書も書いてもらえれば助かるのに。と思ったのですが、きっと大人の事情があるのでしょう。

 

まとめ

  • ケフラール細粒小児用(セファクロル)は内服困難などのコメントをつければ、成人でも投与可能

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