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他の薬もこれくらい似てれば、いいのに。
ジゴシン(ジゴキシン)の作用機序は、強心配糖体に分類される。二次的な作用もあるが、おおまかに以下の2つの作用があり、イメージとしては「心臓を強くゆっくり」にする。
心筋の細胞膜上には、Na+,K+ATPaseというものがある。これは、Na+を細胞外に出し、代わりにK+を細胞内に取り込むポンプの働きをしている。これが働くことで、細胞内はNa+が少ない状態になる。
そして、もう1つNa+,Ca2+交換系というのもある。これは、細胞内にNa+を取り込み、Ca2+を細胞外に排出している。これが働くことで、先ほどで減ってしまったNa+を細胞内に呼び戻すイメージだ。
これらによってNa+はほぼ元に戻されるかもしれないが、Ca2+は細胞外に放出され減ってしまっている状態である。心臓の収縮にはCa2+が必要で、これでは心臓の収縮力が落ちてしまう。
ジゴシン(ジゴキシン)ははじめのNa+,K+ATPaseを阻害する作用がある。ここを阻害することで、Na+とK+の交換を抑制する。そうすると、細胞内のNa+は保たれるのでNa+を呼び戻す必要がなくなる(Na+とCa2+の交換がいらなくなる)。よってCa2+も細胞内もとどまることができ、心臓が収縮する。といった作用をもたらす。
心筋の収縮力が高まることによって、体内の循環が良くなるため、利尿作用が二次的に起こる。
心臓には刺激伝導系という電気のようなものが走っていて、その電気がうまく伝わることで拍動する。その伝わり方は、洞房結節→房室結節→ヒス束→左脚右脚→プルキンエ線維という順番に伝わる。ジゴシン(ジゴキシン)は、刺激伝導系のうち、房室結節からヒス束の興奮伝導速度を低下させることによって、遅らせる。
この作用によって、刺激伝導系の下流へのパルスが来にくくなるため、我慢しきれなくなった心室筋が自ら勝手に動いてしまうことがある。よって心室性不整脈を起こす可能性がある。
過量投与のため、緊急を要さない患者には、治療初期から維持療法による投与を考慮すること。と注意書きがあり、経験上ジゴシン(ジゴキシン)を初回の患者で急速飽和療法で開始するのを見たことがない。
ジゴシン(ジゴキシン)を使用中の患者がいて、腎機能低下から0.125mg/日から0.0625mg/日に減量した人がいた。その際に先生がジゴシン(ジゴキシン)の血中濃度測定をオーダーしていた。せっかくなので、ジギタリス中毒について復習しようと思った。
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定常状態は約7日で到達する。
服薬後できれば12〜24時間あけた、次回服薬直前のトラフ値が望ましい。最低でも服薬後6時間以降あける。
結果として、その患者のデータは処方変更前で0.9ng/mlだったので、問題ないが腎機能やKなどの影響を受けるため、今後も注意が必要である。