![クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)、食直前の理由と中耳炎](../img/header.jpg)
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Potassium Clavulanate(クラブラン酸カリウム)よりCLAV、Amoxicillin Hydrate(アモキシシリン水和物)よりAMOX、あわせてクラバモックス
クラブラン酸とアモキシシリンであることが引っ張り出せる。
クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)は2つの成分が配合されている。
まずアモキシシリン水和物の作用機序であるが、ペニシリン系に分類される。菌を攻撃する際には、人体に影響がないようにしなければならない。細菌の細胞壁はペプチドグリカンと呼ばれるものによって出来ている。これはヒトにはないものなので、これを攻撃することができれば、人体に影響なく、菌のみを攻撃することができる。
さて、細菌に特徴的な細胞壁のペプチドグリカンであるが、ペプチドグリカンが作られるにもいくつか過程がある。
おおざっぱに言うと、N-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンという成分が結合して1本の鎖のようなものを作っている。その1本の鎖どうしを、トランスペプチダーゼと呼ばれる酵素が、ペプチド鎖をくっつけることによって、より強固なつなぎをつくる。1本の鎖どうしを網の目にするようなイメージだ。これによってペプチドグリカンがつくられる。
アモキシシリン水和物はトランスペプチダーゼを阻害することによって、細胞壁合成をうまく出来なくして作用を示す。
先ほどのように素直に菌がやられてくれれば良いが、菌も命に関わることなので必死に生きようとする。生きようとする結果、β-ラクタマーゼと呼ばれる薬剤を分解する酵素を出して分解しようとする。そうなると、アモキシシリン水和物などのペニシリン系の薬は失活してしまう。
そこで、さらなる対抗策として出てくるのが、クラブラン酸カリウムである。クラブラン酸カリウムの作用機序はβ-ラクタマーゼ阻害薬であり、その名の通りβ-ラクタマーゼを阻害する。そうすることで、失活を防いでくれる。
よほどでなければ、添付文書に書いてある下記の1日量(ドライシロップとして)で先生は処方してくれる。
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また用法が食直前であることに注意したい。クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)の成分のうち、クラブラン酸カリウムは食事の影響をうけ、バイオアベイラビリティが低下してしまうため、食直前。
ここで気になるのが、オーグメンチン配合錠である。オーグメンチン配合錠もクラブラン酸カリウムを含むはずだが、食直前という記載は無い。メーカーさんに確認したころ、クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)に対して、オーグメンチン配合錠はクラブラン酸カリウムの量が多いため、バイオアベイラビリティの低下はそこまで問題にならないとのこと。
中耳炎疑いの患者に対して、クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)が出たので、中耳炎についてまとめておこうと思う。
耳は、外界に近い方から、外耳、中耳、内耳という構造になっている。中耳炎は名前の通り、中耳で炎症が起こっている状態である。中耳炎は以下の2種類におおきくわけられる。
細菌やウイルスが入り込むが、通常であれば鼻から排出される。しかし、鼻をすすったりして排出できない状態になると、耳の方まで侵入してしまい急性中耳炎となってしまう。
症状としては、耳の痛み、耳だれ、発熱などがある。
急性中耳炎が治りきっていないなど、耳管の通りが悪くなると滲出性中耳炎になりやすくなる。
症状は無症状のことが多く、耳の聞こえが悪くなることが多い。
クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)などの抗菌薬、抗ヒスタミン薬などで鼻水を抑える。それでも改善しなければ鼓膜切開などを行う。