クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)、食直前の理由と中耳炎

クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)、食直前の理由と中耳炎

クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)が食直前で使われる理由にはバイオアベイラビリティが低下があります。クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)は中耳炎などに使われます

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クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)、食直前の理由と中耳炎

由来

Potassium Clavulanate(クラブラン酸カリウム)よりCLAV、Amoxicillin Hydrate(アモキシシリン水和物)よりAMOX、あわせてクラバモックス

 

クラブラン酸とアモキシシリンであることが引っ張り出せる。

 

特徴

  • 1日2回の投与で十分な血中濃度が得られるため、日中の服薬の必要がない。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌を含む肺炎球菌に高い起炎菌消失率を示す。
  • 3大起炎菌である肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ(ブランハメラ)カタラーリスによる急性化膿性中耳炎に良好な臨床効果と高い起炎菌消失率を示す。
  • 薬剤移行性が得られにくい中耳分泌液中への良好な移行性を示す。
  • 小児の上気道感染症及び急性化膿性中耳炎の主要起炎菌に良好な抗菌活性を示す。

 

クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)は2つの成分が配合されている。

 

  • アモキシシリン水和物
  • クラブラン酸カリウム

 

アモキシシリン水和物

まずアモキシシリン水和物の作用機序であるが、ペニシリン系に分類される。菌を攻撃する際には、人体に影響がないようにしなければならない。細菌の細胞壁はペプチドグリカンと呼ばれるものによって出来ている。これはヒトにはないものなので、これを攻撃することができれば、人体に影響なく、菌のみを攻撃することができる。

 

 

さて、細菌に特徴的な細胞壁のペプチドグリカンであるが、ペプチドグリカンが作られるにもいくつか過程がある。

 

おおざっぱに言うと、N-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンという成分が結合して1本の鎖のようなものを作っている。その1本の鎖どうしを、トランスペプチダーゼと呼ばれる酵素が、ペプチド鎖をくっつけることによって、より強固なつなぎをつくる。1本の鎖どうしを網の目にするようなイメージだ。これによってペプチドグリカンがつくられる。

 

 

アモキシシリン水和物はトランスペプチダーゼを阻害することによって、細胞壁合成をうまく出来なくして作用を示す。

 

クラブラン酸カリウム

先ほどのように素直に菌がやられてくれれば良いが、菌も命に関わることなので必死に生きようとする。生きようとする結果、β-ラクタマーゼと呼ばれる薬剤を分解する酵素を出して分解しようとする。そうなると、アモキシシリン水和物などのペニシリン系の薬は失活してしまう。

 

 

そこで、さらなる対抗策として出てくるのが、クラブラン酸カリウムである。クラブラン酸カリウムの作用機序はβ-ラクタマーゼ阻害薬であり、その名の通りβ-ラクタマーゼを阻害する。そうすることで、失活を防いでくれる。

 

 

用法用量

  • 小児には、クラバモックスとして1日量96.4mg(力価)/kg(クラブラン酸カリウムとして6.4mg(力価)/kg、 アモキシシリン水和物として90mg(力価)/kg)を2回に分けて12時間ごとに食直前に経口投与。

 

よほどでなければ、添付文書に書いてある下記の1日量(ドライシロップとして)で先生は処方してくれる。

 

  • 6〜10kg;1.01g
  • 11〜16kg;2.02g
  • 17〜23kg;3.03g
  • 24〜30kg;4.04g
  • 31〜36kg;5.05g
  • 37〜39kg;6.06g

 

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また用法が食直前であることに注意したい。クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)の成分のうち、クラブラン酸カリウムは食事の影響をうけ、バイオアベイラビリティが低下してしまうため、食直前。

 

ここで気になるのが、オーグメンチン配合錠である。オーグメンチン配合錠もクラブラン酸カリウムを含むはずだが、食直前という記載は無い。メーカーさんに確認したころ、クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)に対して、オーグメンチン配合錠はクラブラン酸カリウムの量が多いため、バイオアベイラビリティの低下はそこまで問題にならないとのこと。

 

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、 多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)、無顆粒球症、顆粒球減少、血小板減少、 急性腎障害、偽膜性大腸炎、出血性大腸炎、肝障害、間質性肺炎、好酸球性肺炎、無菌性髄膜炎が国内 外においてクラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物製剤及びアモキシシリンを含む製剤(単剤・ 配合剤・パック剤)など

 

経験したこと

中耳炎疑いの患者に対して、クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)が出たので、中耳炎についてまとめておこうと思う。

 

 

は、外界に近い方から、外耳、中耳、内耳という構造になっている。中耳炎は名前の通り、中耳で炎症が起こっている状態である。中耳炎は以下の2種類におおきくわけられる。

 

  • 急性中耳炎
  • 滲出性中耳炎

 

急性中耳炎

細菌やウイルスが入り込むが、通常であれば鼻から排出される。しかし、鼻をすすったりして排出できない状態になると、耳の方まで侵入してしまい急性中耳炎となってしまう。

 

症状としては、耳の痛み、耳だれ、発熱などがある。

 

滲出性中耳炎

急性中耳炎が治りきっていないなど、耳管の通りが悪くなると滲出性中耳炎になりやすくなる。

 

症状は無症状のことが多く、耳の聞こえが悪くなることが多い。

 

 

治療

クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)などの抗菌薬、抗ヒスタミン薬などで鼻水を抑える。それでも改善しなければ鼓膜切開などを行う。

 

まとめ

  • クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)はペニシリン系。
  • クラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)の用法はバイオアベイラビリティが低下するため、食直前。
  • 中耳炎の治療薬の1つにクラバモックス小児用配合ドライシロップ(クラブラン酸カリウム、アモキシシリン水和物)があげられる。

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