ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)、褥瘡治療薬の基剤の観点からの使い分け

ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)、褥瘡治療薬の基剤の観点からの使い分け

ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)はO/W型で浸出液が少ない時に用います。褥瘡を治療するにあたり主剤だけではなく、基剤に注目して適切な湿潤環境を保って使い分けることが重要

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ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)、褥瘡治療薬の基剤の観点からの使い分け

由来

  • 特になし

 

特徴

  • グラム陰性菌(クレブシエラ属、緑膿菌)、グラム陽性菌(ブドウ球菌属、レンサ球菌属)、真菌(カンジダ属)などに有効で幅広い抗菌スペクトルを持つ
  • 中等度・重症熱傷、各種皮膚潰瘍の創面感染に有効
  • 菌の細胞膜、細胞壁に直接作用し、耐性菌が生じにくい
  • O/W型クリーム状軟膏で、易洗浄性で展延性

 

 

ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)はO/W型で、この基剤の水分で潰瘍面の壊死組織を浮き上がらせて外科的に切除しやすくする。

 

用法用量

  • 1日1回、滅菌手袋などを用いて、創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2〜3mm)に直接塗布。又はガーゼ等に同様の厚さにのばし貼付し、包帯を行う。第2日目以後の塗布に際しては、前日に塗布したものを洗い落として、新たに本剤を塗布する。

 

重大な副作用

  • 汎血球減少、皮膚壊死、間質性腎炎

 

経験したこと

ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)に関連して褥瘡などに使われる外用薬の代表例をまとめておく。

 

 

褥瘡を治療するにあたり、創の湿潤環境を適切にすることはとても重要である。外用薬は基剤が多くの割合を占め、浸出液量やそれに対する吸水性、補水性などに影響を与える。つまり外用薬の基剤が、褥瘡の湿潤環境に関わり、主剤が効果的に作用するかどうかの決め手となる。

 

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創の浸出液が多い時は、浮腫を伴い、創面水分量は増加し、浸出液がほとんどない時は減少する。高齢者では水分量が約60%が目安となり、それよりも多い時は吸水性のある基剤、少ない時は補水性のある基剤から選択する。

 

  • 水分量60%以上(浸出液多い);カデックス(ヨウ素)、ユーパスタ(白糖・ポビドンヨード)、アクトシン(ブクラデシン)、ブロメライン
  • 中間;サトウザルベ(酸化亜鉛)、アズノール(ジメチルイソプロピルアズレン)、プロスタンディン(アルプロスタジル)
  • 水分量60%以下(浸出液少ない);オルセノン(トレチノイントコフェリル)、ゲーベン(スルファジアジン銀)

 

 

例えば壊死組織がある場合、浸出液が多い場合はブロメライン、浸出液が少ない場合はゲーベンを使うなどの使い分けができる。同様に、肉芽形成の場合は浸出液が多い場合はユーパスタ、浸出液が少ない場合はオルセノンを使うなどである。

 

どうしても主剤に目が行きがちだが、基剤にも目を向けることの重要性が理解できた。

 

まとめ

  • ゲーベンクリーム(スルファジアジン銀)はO/W型で浸出液が少ない時に用いる。
  • 褥瘡を治療するにあたり主剤だけではなく、基剤に注目して適切な湿潤環境を保つことも重要。

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