ノバスタンHI(アルガトロバン)、注射の抗トロンビン薬

ノバスタンHI(アルガトロバン)、注射の抗トロンビン薬

ノバスタンHI(アルガトロバン)は抗トロンビン作用によって抗凝固作用を示す、注射薬である。用法用量が変わっているため注意しなければならない。投与する看護師さんが混乱したり、間違ったりしないように薬剤師も気を配らなければならない。

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ノバスタンHI(アルガトロバン)、注射の抗トロンビン薬

由来

  • NOVel Action Strong Thrombin ANtagonistより。高濃度製剤であるためHIをつけた。

 

直訳すると、「新しい作用、強いトロンビンアンタゴニスト」といった感じか。ノバはいらないので、スタン→strong thrombin antagonistを引っ張り出せれば、薬効は覚えられるだろう。

 

特徴

  • 世界初の選択的抗トロンビン剤(注射剤)であり、トロンビンによるフィブリン生成、血小板凝集、及び血管収縮を抑制する。
  • 慢性動脈閉塞症における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感を改善する。
  • 脳血栓症急性期に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持)を改善する。

 

ノバスタンHI(アルガトロバン)の作用機序の前に、凝固系のメカニズムを見ておく。

 

凝固のメカニズムは、様々な経路を経て、プロトロンビンからトロンビンになる。トロンビンがフィブリノーゲンからフィブリンへの反応を促進する。この凝固系の反応のうち、ノバスタンHI(アルガトロバン)は抗トロンビン作用によって抗凝固作用を示す。

 

 

用法用量

  • 発症後48時間以内の脳血栓塞栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持)の改善;はじめの2日間は1日60mgを適当量の輸液で希釈し、24時間かけて持続点滴静注する。その後の5日間は1回10mgを適当量の輸液で希釈し1日朝夕2回、1回3時間かけて点滴静注する。適宜増減。
  • 慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感の改善;1回10mgを輸液で希釈し、1日2回、1回2〜3時間かけて点滴静注。適宜増減。
  • 先天性アンチトロンビンV欠乏患者、アンチトロンビンV低下を伴う患者、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)U型患者などにおける血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析);体外循環開始時に10mgを回路内に投与し、体外循環開始後は25mg/hより投与を開始する。凝固時間の延長、回路内凝血、透析効率及び透析終了時の止血状況などを指標に投与量を増減するが、5〜40mg/hを目安とする。
  • ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)U型における経皮的インターベンション施工時の血液の凝固防止;適当量の輸液で希釈し、0.1mg/kgを3〜5分かけて静脈内投与し、術後4時間まで6μg/kg/分を目安に静脈内持続投与する。その後継続が必要なら0.7μg/kg/分に減量し投与する。モニタリングしながら適宜増減。
  • ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)U型における血栓症の発生抑制;適当量の輸液で希釈し、0.7μg/kg/分より点滴静注を開始し、持続投与する。aPTTを指標に投与量を増減。

 

様々な適応があり今回は詳細は割愛する。今回は、「発症後48時間以内の脳血栓塞栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持)の改善」において事件が起きたので、後述する。

 

重大な副作用

  • 出血性脳梗塞、脳出血、消化管出血、ショック、アナフィラキシーショック、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸

 

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経験したこと

ノバスタンHI(アルガトロバン)で事件が起こった。

 

発症後48時間以内の脳血栓塞栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持)の改善の使い方でオーダーが入力された。

 

 

この使い方だと60mgを2日分、20mgを5日分のオーダーとなる。オーダーが入力されたのは、14時くらいであった。1日目と2日目は24時間持続となるため、3日目は少なくとも14時以降に投与になるはずだった。しかし看護師さんが24時間キープのところを速めてしまい、2日目の24時(3日目の0時)に3日目がスタートされてしまった。一応先生もコメントで24時間キープだったり、3日目の投与時間は書いてくれてはいたけれども、こういうことが起こってしまった。速めたことによって大きな影響は無かった。

 

この件に限らず、用法用量が変わっているその他の薬の調整法でも、まだ目に見えていないケースがあったりすると思う。責任を丸投げするのではなくて、実際に投与する看護師さんに伝わるように、薬剤師も気を配らなければならないと感じた。

 

まとめ

  • ノバスタンHI(アルガトロバン)は抗トロンビン作用によって抗凝固作用を示す。
  • 用法用量が変わっている薬は、実際に投与する看護師さんが混乱したり、間違ったりしないように、薬剤師も気を配る必要がある。

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