リュープリン(リュープロレリン)、子宮内膜症と子宮筋腫の復習

リュープリン(リュープロレリン)、子宮内膜症と子宮筋腫の復習

リュープリン(リュープロレリン)は脳下垂体前葉の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)受容体に作用し、反復投与すると受容体を減少させて効果を示す。子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺がん、閉経前乳がんなどに使われる。

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リュープリン(リュープロレリン)、子宮内膜症と子宮筋腫の復習

由来

  • 天然のLH-RHと異なる構造と下垂体刺激ホルモンを表す語尾をつなげて命名。Leu(6位の)+プロリンアミド(10位の)+レリン(下垂体刺激ホルモンを表す語尾)

 

リュープリン(リュープロレリン)は成分名と商品名が似ているため、由来を考えない方が覚えやすい。

 

特徴

  • 高活性の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)誘導体であるリュープロレリン酢酸塩の注射用徐放性製剤である。
  • 生体内分解性高分子化合物である、乳酸グリコール酸共重合体(3:1)を基材としたマイクロカプセルにリュープロレリン酢酸塩を含有させたDDS(Drug Delivery System)による徐放性製剤である。
  • (1.88mgと3.75mgのみ)4週間に1回の皮下投与で子宮内膜症患者、子宮筋腫患者、閉経前乳がん患者の血清エストラジオールを閉経レベルに、前立腺がん患者の血清テストステロンを去勢レベルに、中枢性思春期早発症患者の性腺ホルモンを前思春期レベルに抑制する。
  • 25ゲージの注射針で、上腕部、腹部、臀部に皮下注射が可能である。

 

リュープリン(リュープロレリン)の作用機序を含めて、ホルモンについて復習する。

 

視床下部から黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH;Luteinizing Hormone-Releasing Hormone)が出てくる。ちなみに性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH;Gonadotropin Releasing Hormone)とLH-RHは同じ。

 

この黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)が脳下垂体前葉にある、黄体形成ホルモン放出ホルモン受容体にくっつくと、黄体形成ホルモン(LH)が出てくる。ちなみにLHは男性に働く場合は、間質細胞刺激ホルモン(ICSH;Interstitial Cell stimulating Hormone)と呼ばれ、同じものである。黄体形成ホルモン(LH)の他にも、卵胞刺激ホルモン(FSH;Follicle Stimulating Hormone)も、脳下垂体前葉から放出される。

 

最終的に、以下のものが出てくる。

 

  • 卵胞刺激ホルモンが卵胞に作用し、卵胞ホルモン
  • 黄体形成ホルモンが黄体に作用し、黄体ホルモン
  • 間質細胞刺激ホルモンが間質細胞に作用し、男性ホルモン

 

通常これらのホルモンは出すぎると、負のフィードバックが、視床下部にかかり、大量に出ないように調節されている。

 

さてリュープリン(リュープロレリン)であるが、単回投与では脳下垂体前葉LH-RH受容体を刺激する作用を持つが、反復投与をして刺激を続けることで、受け皿であるLH-RH受容体を減らす作用がある。

 

イメージとしては、大食い大会の選手のような感じである。はじめは食事が出されれば、食べるが、おなかいっぱいになると、食べるのを拒否してしまう。このように刺激する薬を反復投与することで、受け皿を減らす。受け皿である受容体が減れば、それよりも下流のホルモンが出る可能性が低くなるので効果を示すという作用機序である。

 

 

用法用量

  • 子宮内膜症;4週に1回3.75mg皮下注。50kg以下なら1.88mgを投与することが出来る。初回投与は月経周期1〜5日目に行う。
  • 子宮筋腫;4週に1回1.88mgを皮下注。体重が重い場合、子宮腫大が高度な患者は3.75mgを投与する。初回投与は月経周期1〜5日目に行う。
  • 前立腺がん、閉経前乳がん;4週間に1回3.75mgを皮下注。
  • 中枢性思春期早発症;4週に1回30μg/kgを皮下注。症状に応じて180μg/kgまで増量できる。

 

4週間に1回を超える間隔で投与すると、刺激作用により一過性に悪化するおそれがあるため注意が必要である。

 

重大な副作用

  • 間質性肺炎、アナフィラキシー、肝機能障害、黄疸、糖尿病の発症又は増悪、下垂体卒中、心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症など

 

経験したこと

リュープリン(リュープロレリン)と子宮筋腫や子宮内膜症の勉強会を行った。

 

せっかくなので子宮筋腫や子宮内膜症について簡単にまとめておこうと思う。

 

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子宮内膜症

通常、子宮の内側は子宮内膜に覆われている。しかしそれ以外の場所に出来ることがある。腹膜、卵巣、卵管、腸などが好発部位で、これらの部位に出来た内膜組織は女性ホルモンの影響により、月経のような出血を起こす。そして、子宮とその周辺臓器が癒着して様々な症状を起こす。

 

 

症状
  • 疼痛;下腹部痛、腰痛、排便痛、性交痛など
  • 不妊;子宮内膜症の30〜40%が不妊
  • 月経異常;過多月経、不正出血

 

治療
  • 手術;腹腔鏡下手術、開腹手術
  • 薬物治療;鎮痛剤、ルナベル、ディナゲスト(ジエノゲスト)、ボンゾール(ダナゾール)、スプレキュア(ブセレリン)、ナサニール(ナファレリン)、ゾラデックス(ゴセレリン)、リュープリン(リュープロレリン)など

 

子宮筋腫

子宮に筋肉のコブができる。筋肉組織が増殖してできたものであり、良性腫瘍。部位によって分けられる。

 

  • 漿膜下筋腫;子宮の外側にある膜にできる筋腫
  • 筋層内筋腫;子宮の筋肉にできる筋腫
  • 粘膜下筋腫;子宮内膜の下にできる筋腫
  • 有茎性筋腫;漿膜や子宮内膜から茎が出たようにぶら下がった筋腫

 

症状
  • 過多月経;貧血を起こす。
  • 頻尿、便秘、腰痛;筋腫が大きくなることで、膀胱、直腸、神経を圧迫。
  • 不妊、流産;筋腫が大きくなることで、卵管や子宮を圧迫。

 

治療
  • 手術;筋腫核手術、子宮摘出術
  • 薬物治療;鎮痛剤、鉄剤、スプレキュア(ブセレリン)、ナサニール(ナファレリン)、リュープリン(リュープロレリン)など

 

まとめ

  • リュープリン(リュープロレリン)は脳下垂体前葉のLH-RH受容体に作用し、反復投与することで受容体を減少させる。

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