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Vからボリコナゾールが引っ張り出せれば、アゾール系であることは推測可能。
ブイフェンド(ボリコナゾール)の作用機序の前に、真菌について確認する。
真菌はヒトと同様に、真核生物なので、薬がヒトの細胞も攻撃してしまう恐れがある。よってヒトには影響を与えないような作用機序が必要である。
真菌の細胞において、ヒトと違うところは、細胞膜がエルゴステロールで構成されていることや細胞壁が1,3-β-D-グルカンで構成されていることなどがあげられる。主にこの2つを攻撃すれば、ヒトに影響を与えることなく真菌のみをやっつけることができる。
今回のブイフェンド(ボリコナゾール)はアゾール系に属する。アゾール系は先ほどの真菌構成成分のうち、真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで作用をしめす。
細かい機序は、アセチルCoAから始まり、スクアレン、ラノステロールなどを経て、エルゴステロールが作られる。そのうち、ラノステロールからエルゴステロールになるのに必要な酵素を阻害することで、エルゴステロールが作られないようにする。
ブイフェンド(ボリコナゾール)は、アスペルギルス属やカンジダ属だけでなく、クリプトコッカス属、フサリウム属、スケドスポリウム属などにもスペクトルを持ち、幅広い。
バイオアベイラビリティが96%と非常に高く、経口投与時も静脈内投与時とほぼ同じ血漿中濃度が期待できる。
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小児に関しても細かい用法用量設定が必要である。その他、軽度〜中等度肝機能低下(Child PughA〜B)の患者は初日は通常量、2日目以降は半量とするといった記載もある。
投与期間中は血中濃度のモニタリングが望ましいという記載もある。投与してから5〜7日目に定常状態になるため、それ以降にトラフ値を測定する。1〜5μg/mlを目安にコントロールすると良いようだ。
別ページ、カンサイダス(カスポファンギン)、調製法の謎にせまるの患者さんが点滴から内服に変更ということでブイフェンド(ボリコナゾール)が処方された。当院は内服も注射も抗真菌薬が少ない。
早速、服薬指導に行こうと添付文書の警告を見ていると・・・・
肝障害・・・まぁまぁ。
羞明、視覚障害!?
なんだこれは!!臨床試験時のデータで25%くらいも出ている。これは伝えないと。
ブイフェンド(ボリコナゾール)は併用禁忌の薬が多いイメージだったけど、視覚障害の可能性が高いことなんて全く知らなかったので、いい勉強になった。無事に何事もなく、経過してくれれば良いが・・・この記事に追記がないことを祈るばかりである。