ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)、苦味の出る飲み物は？

由来

• 特になし

 

「ジスロマ」まで一緒なので、アジスロマイシンは引っ張り出しやすい。

 

特徴

• 1日1回 3日間投与で優れた臨床効果を持つ。
• 肺炎球菌、インフルエンザ菌、化膿レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、マイコプラズマ・ニューモニエ、肺炎クラミジア（クラミジア・ニューモニエ）など急性感染症の主要起炎菌をカバーする幅広い抗菌スペクトルを有する
• 扁桃組織では血中濃度の20倍以上高い濃度が得られる。さらに食細胞に取り込まれやすい性質を有し、食細胞の遊走により感染病巣へ集中的に移行（ファゴサイト・デリバリー）して、長時間持続する。
• 制酸剤、ワルファリン、シクロスポリン、メシル酸ネルフィナビルとの薬物相互作用が認められている。

 

ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)の作用機序は、マクロライド系に分類される。

 

細菌もヒトと同様にタンパク質を作らなければ生きていけない。詳しくは割愛するが、タンパク質の生成にはリボソームが関与する。ここのリボソームを攻撃することで、タンパク質合成を阻害する。

 

 

しかし、先ほども述べたように、ヒトもタンパク質を作らなければ生きていけず、ヒトのタンパク質合成にもリボソームが関与する。そのためヒトのリボソームを攻撃してしまうとヒトも死んでしまう。リボソームは小サブユニットと大サブユニットという2つのユニットからなるが、細菌とヒトでは種類が違う。ヒトでは40Sリボソームと60Sリボソームというものから出来ているのに対して、細菌は30Sリボソームと50Sリボソームから出来ている。

 

 

よって、30Sリボソームもしくは50Sリボソームを攻撃すれば、細菌のみ攻撃できることになる。ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)は50Sリボソームを阻害することで、タンパク質合成を阻害する。

 

用法用量

• 10mg/kg（力価）を1日1回、3日間経口投与。最大500mgまで。

 

投与期間は基本的には3日までなので注意が必要。

 

重大な副作用

• ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症（Toxic Epidermal Necrolysis：TEN）、皮膚粘膜眼症候群（Stevens-Johnson 症候群）、急性汎発性発疹性 膿疱症、薬剤性過敏症症候群、肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全、急性腎不全、偽膜性大腸炎、出血性大腸炎、間質性肺炎、好酸球性肺炎、QT延長、心室性頻脈（Torsades de pointes を含む）、 白血球減少、顆粒球減少、血小板減少、横紋筋融解症

 

経験したこと

ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)の指導をした。先輩から「この薬は特に苦くて飲みにくいからしっかり説明したほうがいい」ということで、まとめておく。

 

 

添付文書の中にも珍しく苦味に関する注意書きがあり、要約すると以下の3点に注意が必要である。

 

• 主薬の苦味をマスクするためのコーティングがしてあるので、中性の飲料(水、ウーロン茶、プリン、牛乳、コーヒー牛乳、アイスクリームなど)で飲む。
• 酸性飲料(オレンジジュース、アップルジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなど)で飲むと、コーティングが溶けてしまうため苦味が出る。
• 噛んだりつぶしたりすると苦みが出る。

 

 

どれほど苦いのか、テイスティングせざるを得ない。0.5gくらいを水なしでなめてみた。

 

はじめの30秒くらいはパイナップルの味がして、飲み込むのだが確かに口の中に苦味が残る。水無しでなめたこともあるだろうが、30分くらいは口の中に苦味が残り続けた。小児は飲むのに時間がかかるだろうし、今回の0.5g以上飲むことが多いだろうから、結構嫌がる子供は多いのではないかと思う。先輩としては、アイスクリームがオススメだそうだ。

 

 

あまり関係ないが、ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)をなめてみて、久しぶりに学生時の生薬実習でセンブリをテイスティングしたことを思い出した(笑)まぁ、ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)は、センブリには全然およばないけど(笑)最後がマニアックあるあるですいません。

 

まとめ

• ジスロマック細粒小児用 10％(アジスロマイシン)はマクロライド系であり、50Sリボソームを阻害して、タンパク質合成を阻害する。
• 酸性飲料(オレンジジュース、アップルジュース、スポーツドリンク、ヨーグルトなど)で飲むと、コーティングが溶けてしまうため苦味が出る。
• はじめの30秒はパイナップル味。