![バルトレックス(バラシクロビル)と外用の保険](../img/header.jpg)
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構造式にバリンをもつ。バリンを想像するより、バラシクロビルのバラと覚えてしまった方が覚えやすい。
帯状疱疹や単純疱疹などは、ヒトヘルペスウイルスによって引き起こされる。ヒトヘルペスウイルスの増殖機構として、
バルトレックス(バラシクロビル)の作用機序としては、この増殖機構のうち、複製を阻害する。
DNAの複製は、DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素が関わる。バルトレックス(バラシクロビル)は、DNAポリメラーゼを阻害してDNAの複製が行われないようにする。
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バラシクロビルは活性代謝物のアシクロビルとなり単純ヘルペスウィルスや水痘・帯状疱疹ウィルスに効く。
ちなみにゾビラックス(アシクロビル)は一日4〜5回くらい服用しなければならないのに対して、バルトレックス(バラシクロビル)は2〜3回となるのは大きなメリット。
[成人]
[小児]
★腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するなど注意すること。(添付文書参照)
適応により用法用量や投与日数が異なるので注意が必要。また腎機能低下患者には減量が必要なのも意識しておきたい。
医師より帯状疱疹の患者さんに、バルトレックスとアラセナを使いたいという電話がくる。このパターン、別の先生からも以前問い合わせがあったので、よく覚えていた。
私「先生、バルトレックスとアラセナは確か保険できられる可能性があったと思います」
医師「そうなの?ぜんぜん出したことないから知らなかったよ」
念のため情報が更新されていないかメーカーに問い合わせる。
私「以前、バルトレックスとアラセナを併用すると保険できられると伺ったのですが。まだ変わっていないですかね?」
メーカー「はい。詳しくは保険関係の判断になってしまいますが、同種同効薬のかぶりということできられることが多いです。特にアラセナ軟膏で切られることが多いようです。」
再び医師に折り返す。
私「先生、やはり保険で切られるようです」
医師「そうなんだ〜患者さんみてみるとわかるけど、皮膚が結構すごいよ。お役所も頭が固いな。じゃあバルトレックスだけで様子をみてみる。ところで痛み止めはどうするの?」
私「腎機能がこの人悪そうなので、ノイロトロピンがよさそうですが・・・先生がよろしいならリリカを25mgから上げていくっていうのもありますけど。」
医師「リリカにしようかな。」
リリカが25mgで開始となった。しかし開始後、カルテ上、痛がっている様子が書かれていた。
看護師さんの記録を読んでみると、「リリカを1回飲んで痛みが引いたから、どれくらいまで次の痛みが出ないか試していて、リリカが机の上に置かれていた。リリカを頓服だと思っているようだ」とあった。
またこの記録を読まなかった医師はリリカを効果なしと判断し、トラムセットに変えて、さらにカロナールの頓服処方まで出していた。
リリカだけと思い、指導にいかなかった私も悪いが、その後が色々とお粗末であった。少なくとも処方チェックでも止めてほしかった。
ため息を飲み込み、私はそっと見守ることにした。