バルトレックス(バラシクロビル)と外用の保険

バルトレックス(バラシクロビル)と外用の保険

バルトレックス(バラシクロビル)は適応によって用法用量が変わり、腎機能に応じて減量が必要です。バルトレックスとアラセナ(ビダラビン)は併用すると保険で査定される可能性があります。

Sponsored Link

バルトレックス(バラシクロビル)と外用の保険

由来

  • ValineのValより。

 

構造式にバリンをもつ。バリンを想像するより、バラシクロビルのバラと覚えてしまった方が覚えやすい。

 

特徴

  • アシクロビルのプロドラックで経口吸収性が改善されており、高いバイオアベイラビリティを持ち、少ない投与回数ですむ。

 

帯状疱疹や単純疱疹などは、ヒトヘルペスウイルスによって引き起こされる。ヒトヘルペスウイルスの増殖機構として、

 

  1. 細胞表面にウイルスが吸着する。
  2. 細胞内へ取り込まれ、侵入する。
  3. ウイルスのDNAを放出する(脱殻)
  4. ウイルスが複製される。
  5. ウイルスが放出される。

 

 

バルトレックス(バラシクロビル)の作用機序としては、この増殖機構のうち、複製を阻害する。

 

DNAの複製は、DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素が関わる。バルトレックス(バラシクロビル)は、DNAポリメラーゼを阻害してDNAの複製が行われないようにする。

 

Sponsored Link

Sponsored Link

 

バラシクロビルは活性代謝物のアシクロビルとなり単純ヘルペスウィルスや水痘・帯状疱疹ウィルスに効く。
ちなみにゾビラックス(アシクロビル)は一日4〜5回くらい服用しなければならないのに対して、バルトレックス(バラシクロビル)は2〜3回となるのは大きなメリット。

 

用法用量

[成人]

  • 単純疱疹;1回500mgを1日2回経口投与する。
  • 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制;1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。
  • 帯状疱疹;1回1000mgを1日3回経口投与する。
  • 水痘;1回1000mgを1日3回経口投与する。
  • 性器ヘルペスの再発抑制;1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

 

[小児]

  • 単純疱疹;体重40kg以上の小児には1 回500mgを1日2回経口投与する。
  • 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制;体重40kg以上の小児には1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。
  • 帯状疱疹;体重40kg以上の小児には1回1000mgを1日3回経口投与する。
  • 水痘;体重40kg以上の小児には1回1000mgを1日3回経口投与する。
  • 性器ヘルペスの再発抑制;体重40kg以上の小児には1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には1回500mgを1日2回経口投与する。

 

 

★腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすいので、投与間隔を延長するなど注意すること。(添付文書参照)

 

適応により用法用量や投与日数が異なるので注意が必要。また腎機能低下患者には減量が必要なのも意識しておきたい。

 

重大な副作用

  • アレルギー症状、精神症状など

 

経験したことなど

医師より帯状疱疹の患者さんに、バルトレックスとアラセナを使いたいという電話がくる。このパターン、別の先生からも以前問い合わせがあったので、よく覚えていた。

 

 

私「先生、バルトレックスとアラセナは確か保険できられる可能性があったと思います

 

医師「そうなの?ぜんぜん出したことないから知らなかったよ」

 

念のため情報が更新されていないかメーカーに問い合わせる。

 

私「以前、バルトレックスとアラセナを併用すると保険できられると伺ったのですが。まだ変わっていないですかね?」

 

メーカー「はい。詳しくは保険関係の判断になってしまいますが、同種同効薬のかぶりということできられることが多いです。特にアラセナ軟膏で切られることが多いようです。」

 

再び医師に折り返す。

 

私「先生、やはり保険で切られるようです」

 

医師「そうなんだ〜患者さんみてみるとわかるけど、皮膚が結構すごいよ。お役所も頭が固いな。じゃあバルトレックスだけで様子をみてみる。ところで痛み止めはどうするの?」

 

私「腎機能がこの人悪そうなので、ノイロトロピンがよさそうですが・・・先生がよろしいならリリカを25mgから上げていくっていうのもありますけど。」

 

医師「リリカにしようかな。」

 

リリカが25mgで開始となった。しかし開始後、カルテ上、痛がっている様子が書かれていた。
看護師さんの記録を読んでみると、「リリカを1回飲んで痛みが引いたから、どれくらいまで次の痛みが出ないか試していて、リリカが机の上に置かれていた。リリカを頓服だと思っているようだ」とあった。

 

またこの記録を読まなかった医師はリリカを効果なしと判断し、トラムセットに変えて、さらにカロナールの頓服処方まで出していた。

 

リリカだけと思い、指導にいかなかった私も悪いが、その後が色々とお粗末であった。少なくとも処方チェックでも止めてほしかった。
ため息を飲み込み、私はそっと見守ることにした。

 

まとめ

  • バルトレックス(バラシクロビル)と外用の抗ウイルス剤は保険ではじかれる可能性がある。

就職や転職でお悩みの方はコチラ!私はここで年収120万円上がりました

Sponsored Link