オテズラ(アプレミラスト)、漸増する理由と乾癬のまとめ

オテズラ(アプレミラスト)、漸増する理由と乾癬のまとめ

オテズラ(アプレミラスト)はPDE4を阻害することで、cAMPの濃度を上げます。オテズラ(アプレミラスト)の漸増理由は悪心、下痢、嘔吐などの消化器症状の副作用を防ぐためです。

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オテズラ(アプレミラスト)、漸増する理由と乾癬のまとめ

由来

  • 特になし

 

特徴

  • 尋常性乾癬、関節症性乾癬、ベーチェット病に対する世界初の低分子の経口ホスホジエステラーゼ 4(PDE4)阻害剤。
  • 細胞内の炎症性及び抗炎症メディエーターのネットワークを調節し、炎症性サイトカインの産生を抑制するこ とで炎症反応を抑制する。
  • 投与開始時には、悪心、下痢、嘔吐等の発現を軽減するため、スターターパックを用いて漸増投与を行う必要がある

 

尋常性乾癬などでは免疫細胞から、TNF-α、インターロイキン17、インターロイキン23などの炎症性メディエーターが過剰に放出されていると考えられている。この炎症によって細胞が角化して、鱗屑を伴う紅斑が起こると考えられている。

 

 

ホスホジエステラーゼ4(PDE4)は、サイクリックAMP(cAMP)をAMPに分解して、免疫細胞内のシグナル調節をしている。乾癬患者ではPDE4が過剰に発現していてcAMPが低下している。cAMPの低下は、炎症性メディエーターの遊離を促進するため症状の悪化を起こす。オテズラ(アプレミラスト)はホスホジエステラーゼ4(PDE4)を阻害して、サイクリックAMP(cAMP)の濃度を上昇させることで作用すると考えられている。

 

 

用法用量

以下のとおり経口投与し、6日目以降は1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与

 

  • 1日目;朝10mg
  • 2日目;朝10mg、夕10mg
  • 3日目;朝10mg、夕20mg
  • 4日目;朝20mg、夕20mg
  • 5日目;朝20mg、夕30mg
  • 6日目以降;朝30mg、夕30mg

 

先ほどの特徴の項目にも記載したが、悪心、下痢、嘔吐などを防ぐために漸増する。

 

重度の腎機能障害患者(Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)では、30mgを1日1回投与するなど、減量も考慮する。30mg を1日1回投与とする場合、投与開始時は朝の用量のみ投与する

 

 

重大な副作用

  • 重篤な感染症、重篤な過敏症及び重度の下痢など

 

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経験したこと

オテズラ(アプレミラスト)に関連して乾癬についてまとめておく。

 

乾癬は慢性の炎症性角化症で、銀白色の厚い鱗屑を伴う紅斑などの症状が現れる。皮疹は頭部、肘、膝、臀部などが現れやすい。乾癬は原因不明で、遺伝的素因に環境因子(生活習慣の乱れ、肥満、ストレス、飲酒、喫煙、感染症など)が加わり発症すると考えられている。乾癬は以下の大きく5つに分類される。

 

  • 尋常性乾癬;厚い鱗屑と紅斑が特徴。乾癬の9割を占める
  • 関節症性乾癬;関節の痛み、腫れ、変形などを伴う
  • 滴状乾癬;1cm大の水滴状の紅斑が現れる
  • 乾癬性紅皮症;乾癬の皮疹が全身に生じて赤くなる
  • 膿疱性乾癬;小さな膿状の発疹が全身に生じる

 

治療法

乾癬の治療方法は以下の4つがある。

 

  • 外用療法;ステロイド、活性型ビタミンD3など
  • 光線療法;ナローバンドUVB、PUVA療法など
  • 内服療法;チガソン(エトレチナート)、オテズラ(アプレミラスト)、ネオーラル(シクロスポリン)など
  • 生物学的製剤;レミケード(インフリキシマブ)、ヒュミラ(アダリムマブ)、ステラーラ(ウステキヌマブ)、コセンティクス(セクキヌマブ)、トルツ(イキセキズマブ)、ルミセフ(ブロダルマブ)、トレムフィア(グセルクマブ)など

 

これらを組み合わせて治療していくが、基本は外用療法となる。

 

まとめ

  • オテズラ(アプレミラスト)はPDE4を阻害することで、cAMPの濃度を上げる。
  • オテズラ(アプレミラスト)は悪心、下痢、嘔吐などの消化器症状の副作用を防ぐために導入時は漸増する。

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