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CAN(カンジダ)とAS(アスペルギルス)から抗真菌薬であることは推測可能である。さらに強引ではあるが、CANをキャンに結び付ければ、キャンディン系であることもつなげられる。
カンサイダス(カスポファンギン)の作用機序の前に、真菌について確認する。
真菌はヒトと同様に、真核生物なので、薬がヒトの細胞も攻撃してしまう恐れがある。よってヒトには影響を与えないような作用機序が必要である。
真菌の細胞において、ヒトと違うところは、細胞膜がエルゴステロールで構成されていることや細胞壁が1,3-β-D-グルカンで構成されていることなどがあげられる。主にこの2つを攻撃すれば、ヒトに影響を与えることなく真菌のみをやっつけることができる。
今回のカンサイダス(カスポファンギン)はキャンディン系に属する。キャンディン系は先ほどの真菌構成成分のうち、真菌の細胞壁の構成成分である1,3-β-D-グルカンの生合成を阻害することで作用をしめす。
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なお、Child-Pughスコアで重度(10以上)の場合は使用経験がない。
調製時の損失を考慮して、70mgバイアルは75.6mg、50mgバイアルは54.6mg入っているので注意が必要。
希釈液はブドウ糖を用いない(ブドウ糖だと不安定)。また他の薬と混合せず、他剤と同じラインで同時に点滴静注は行わない。他剤と連続注入する場合は投与前後にラインを生食又は乳酸リンゲルでフラッシュする(他剤と混合して投与したデータはない)
カンサイダス(カスポファンギン)をアスペルギルス疑いの患者に使いたいということで、先生から連絡があり開始となった。そのときは添付文書通りの使い方を伝えたのだが、家に帰って添付文書を見直していると疑問に思うことがあった。
溶かした後は7.2mg/ml(70mgバイアル)、5.2mg/ml(50mgバイアル)となる。溶かした後の液から10mlを抜き取ったら、72mg、52mgなのではないかと???
メーカーさんの問い合わせセンターも今日は終了しているし、疑問を抱えたまま、その日は寝ることになった。
次の日メーカーさんに問い合わせた。
私「カンサイダスの添付文書通りに調製して使ったら、72mgや52mgになるかと思うんですが、誤差の範囲ということでしょうか?」
メーカーさん「誤差の範囲となります。試験段階ではこのような使い方をしていたので、添付文書もそのようになっております」
私「誤差の範囲なんですね。そうしたら細かい調整法を抜きにして、全量溶かして、全量回収したら75.6mgや54.6mg入ることになるかと思うのですが、これは誤差の範囲にはならないのでしょうか?」
メーカーさん「調整後の最終濃度が0.5mg/mlを超えないようにとなっていますので、正規の手順を推奨しております。」
私「なるほど。ありがとうございました。」
といった具合に疑問は解決した。過量充填や誤差は難しい〜用法用量は正しく守って使いましょう(笑)