ファムビル(ファムシクロビル)、バルトレックス(バラシクロビル)との違い

ファムビル(ファムシクロビル)、バルトレックス(バラシクロビル)との違い

ファムビル(ファムシクロビル)とバルトレックス(バラシクロビル)の違いをまとめた。ファムビル(ファムシクロビル)はバルトレックス(バラシクロビル)と比べて薬剤性脳症が起こりにくい。

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ファムビル(ファムシクロビル)、バルトレックス(バラシクロビル)との違い

由来

  • 「ファム」シクロ「ビル」よりファムビル

 

とても覚えやすい

 

特徴

  • 単純疱疹に1回1錠、帯状疱疹に1回2錠、いずれも1日3回投与、また、再発性の単純疱疹の場合は、1回4錠を2回投与することもできる経口の抗ヘルペスウイルス薬
  • 肝代謝によりペンシクロビルに変換されるプロドラッグ

 

ペンシクロビルは腸管からの吸収率が低いため、ファムビル(ファムシクロビル)はプロドラッグ化されて吸収率を改善している。ファムビル(ファムシクロビル)は肝代謝により、ペンシクロビルに変換される。ペンシクロビルはウイルス由来のチミジンキナーゼによりリン酸化を受ける。リン酸化されたペンシクロビルはウイルスのDNAポリメラーゼを阻害することで作用する。

 

 

バルトレックス(バラシクロビル)とファムビル(ファムシクロビル)は作用機序はほぼ同じだが、まとめた時点では以下のような違いがある。

 

  • 性器ヘルペスの再発抑制療法への適応;性器ヘルペスの再発抑制療法使えるのはバルトレックス(バラシクロビル)のみ
  • 内服薬の剤形;ファムビル(ファムシクロビル)の内服薬の剤形は錠剤のみ。バルトレックス(バラシクロビル)の内服薬の剤形は錠剤と顆粒剤がある。
  • 錠剤の大きさ;ファムビル(ファムシクロビル)は粒が小さいが、バルトレックス(バラシクロビル)は大きい
  • ジェネリック;ファムビル(ファムシクロビル)はジェネリック無いが、バルトレックス(バラシクロビル)はジェネリックがある
  • 薬剤性脳症の副作用;ファムビル(ファムシクロビル)はバルトレックス(バラシクロビル)と比べて血中濃度高値の持続は見られにくく、中枢以降もしにくいため脳症の副作用は起こりにくい

 

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用法用量

単純疱疹
  • 成人には1回250mgを1日3回経口投与。また、再発性の単純疱疹の場合は成人には1回1000mgを2回経口投与することもできる。

 

帯状疱疹
  • 成人には1回500mgを1日3回経口投与。

 

ファムビル(ファムシクロビル)は腎排泄型薬剤であり、クレアチニンクリアランスなどの腎機能に応じて減量が望ましいとされている。(詳細は添付文書参照)

 

重大な副作用

  • 精神神経症状、重篤な皮膚障害、急性腎障害、横紋筋融解症、ショック、アナフィラキシー、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、血小板減 少性紫斑病、呼吸抑制、間質性肺炎、肝炎、肝機能障害、黄疸、急性膵炎など

 

特に副作用としては、急性腎不全を抑えておく必要がある。

 

急性腎不全は、薬剤の結晶化による尿細管閉塞により生じる。そのため水分摂取を促す指導が重要。

 

 

経験したこと

ファムビル(ファムシクロビル)に関連して、単純疱疹についてまとめておく。

 

 

単純疱疹は単純ヘルペスウイルスによる感染症で、痛みや違和感などが生じて、浮腫性紅斑、小水疱などを作り、膿疱化や痂疲化する。一度感染すると皮疹が消えた後も神経節に潜伏して、免疫力低下などをきっかけにウイルスが再活性化して症状を繰り返すこともある。

 

単純疱疹は外用薬(アラセナ-A軟膏、ゾビラックス軟膏など)や内服薬5日間(ゾビラックス錠、バルトレックス錠、ファムビル錠など)の抗ウイルス薬を使う。ただし、外用薬と内服薬の併用は保険が切られる可能性があるため注意が必要。

 

これらの抗ウイルス薬で紅斑や水疱などが新たに生じない状態にし、痂疲化させることが治療の目標。

 

まとめ

  • ファムビル(ファムシクロビル)は肝代謝でペンシクロビルに変換される
  • ファムビル(ファムシクロビル)は腎機能に応じて減量が望ましい
  • ファムビル(ファムシクロビル)の急性腎不全を防ぐためにも、水分摂取を促す指導が必要

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