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そのままなので覚えやすい。
塩酸バンコマイシン点滴静注用(バンコマイシン塩酸塩)は、グリコペプチド系に分類される。細菌の細胞壁の合成を阻害するのが主な作用機序である。
細菌の細胞壁はペプチドグリカンからなるが、ペプチドグリカンが作られるにもいくつか過程がある。
おおざっぱに言うと、N-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンという成分が結合して1本の鎖のようなものを作っている。その1本の鎖どうしを、トランスペプチダーゼと呼ばれる酵素が、ペプチド鎖をくっつけることによって、より強固なつなぎをつくる。1本の鎖どうしを網の目にするようなイメージだ。これによってペプチドグリカンがつくられる。
塩酸バンコマイシン点滴静注用(バンコマイシン塩酸塩)はN-アセチルムラミン酸の末端であるD-Ala-D-Alaに結合することによって、細胞壁の合成を阻害する。
ちなみにこの末端のD-Alaが別のものになってしまい、塩酸バンコマイシン点滴静注用(バンコマイシン塩酸塩)が結合出来なくなってしまった状態が、耐性化である。
急速な静注を行うと、ヒスタミンが遊離によるレッドネック症候群が起こることがあるため、60分以上かけて点滴静注する。
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MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus);メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の勉強会に参加した。内容をまとめておく。
MRSAは病院で仕事をしていれば、一度は耳にする耐性菌の1つである。出てくると、やっかいである。
MRSAに使える薬として、バンコマイシン、テイコプラニン、リネゾリド、アルベカシン、ダプトマイシンなどがあり、作用機序の違いももちろんあるが、主に以下のような違いもある。
詳細は最新の添付文書などを参考して頂きたい。
アルベカシンの適応症は、敗血症・肺炎に限定されている。これは当時、MRSAの薬が少なく、医療現場から早急な承認を求められていたことによるそうだ。
またダプトマイシンは肺炎に適応はない。これは、肺では不活化してしまい効果が減弱してしまうことによるそうだ。
バンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシンはTDMが必要とされている。
全然関係ないけど、TDMの依頼って忙しいときに限ってくる気がするのは、偶然なのでしょうか・・・