イスコチン(イソニアジド)、ビタミンB6と末梢神経炎

イスコチン(イソニアジド)、ビタミンB6と末梢神経炎

イスコチン(イソニアジド)は抗結核薬に分類され、結核菌の細胞壁の構成成分であるミコール酸の生合成を阻害する。またビタミンB6を阻害するために末梢神経炎が起こりうるので注意が必要。

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イスコチン(イソニアジド)、ビタミンB6と末梢神経炎

由来

  • 該当資料なし

 

特徴

  • 極めて少量で結核菌の増殖を抑制し、病巣内によく浸透し、副作用は比較的少ない。

 

イスコチン(イソニアジド)は抗結核薬に分類され、その作用機序は、ミコール酸の生合成を阻害することによるものである。

 

結核菌は細胞壁を持ち、その細胞壁の構成成分がミコール酸である。よって細胞壁の材料を阻害することで細胞壁が作れなくなる。

 

 

用法用量

  • 1日量200〜500mg(4〜10mg/kg)を1〜3回に分けて、毎日又は週2日経口投与する。必要な場合には、1日量成人は1gまで、13歳未満は20mg/kg まで増量してもよい。適宜増減。なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

 

特に食前食後の指定はない。

 

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重大な副作用

  • 劇症肝炎等の重篤な肝障害、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)、薬剤性過敏症症候群、SLE様症状、間質性肺炎、腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群、無顆粒球症、血小板減少、痙攣、視神経炎、視神経萎縮、末梢神経炎が報告されている。

 

経験したこと

別ページ、リファジン(リファンピシン)、CYP以外にも尿の色などに気を付けよう。に続き、イスコチン(イソニアジド)についてまとめようと思った。

 

抗結核薬は多剤併用で用いられ、そのうちの1つである。リファジン(リファンピシン)と同じく気を付けるべき点は多い。

 

  • 肝障害
  • 末梢神経炎
  • イスコチン原末と各種薬剤の相互作用

 

肝障害

まず肝障害であり、これは他の抗結核薬に共通して起こりうることである。

 

末梢神経炎

イスコチン(イソニアジド)はビタミンB6を阻害すると考えられている。そのためビタミンB6が欠乏し、しびれなどの末梢神経炎を起こす可能性がある。この副作用を予防するために、ピドキサールなどのビタミンB6が処方されることがある。

 

 

イスコチン原末と各種薬剤の相互作用

乳糖水和物、ピリドキサールリン酸エステル水和物、リファンピシン、ブドウ糖の配合試験の結果がインタビューフォームにも記載がある。これらの薬剤とイスコチン(イソニアジド)を配合すると、含量の低下が起こるとされており、注意が必要である。どうしても賦形するのであれば、デンプンを賦形することが推奨されている。

 

 

まとめ

  • イスコチン(イソニアジド)は抗結核薬で、細胞壁構成成分のミコール酸の生合成を阻害する。
  • 肝障害、末梢神経炎が特徴的な副作用。
  • イスコチン原末は、乳糖水和物、ピリドキサールリン酸エステル水和物、リファンピシン、ブドウ糖と配合すると、含量の低下が認められるため注意が必要。

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