トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)、従来のGLP-1受容体作動薬より簡便

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)、従来のGLP-1受容体作動薬より簡便

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)は、GLP-1受容体作動薬で注射のデバイスです。従来のGLP-1受容体作動薬は、操作が煩雑だったが、グッドデザイン賞を受賞するくらい、操作が簡便である。

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トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)、従来のGLP-1受容体作動薬より簡便

由来

  • TRUe simpLICITYより

 

訳すと「本当に簡単」という感じだろうか。ちなみにデバイス名のアテオスも「当てて押すだけ」ということから由来であるとメーカーさんは言っていた。

 

特徴

  • 注入器の内部に、1回分の薬液が充填されたプレフィルドシリンジをあらかじめ装填したコンビネーション医薬品(キット製品)であり、投与時の薬剤調製が不要。
  • 注射針(29ゲージ針)付のシリンジがあらかじめ装填されており、針の取り付けや取り外し、用量調整、空打ちをすることなく、ボタンを押すだけで自動的に投与でき、手技が簡便である。
  • 投与開始時に漸増投与の必要はなく、また食事の時間に関係なく投与できる。
  • 日本人2型糖尿病患者を対象とした国内臨床試験において、単独療法及び経口血糖降下薬との併用療法のいずれにおいても、週1回の投与で持続的な血糖降下作用を示し、血糖コントロールの改善が認められた。

 

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)の作用機序は、GLP-1受容体作動薬に分類される。GLP-1はインクレチンの種類であるが、インクレチンとはなんなのか?

 

インクレチンとはいわゆるホルモンの一種である。血糖値が上昇すると主に小腸から分泌される。インクレチンには、GLP-1(glucagon-like peptide-1);グルカゴン様ペプチド1やGIP(glucose-dependent insulino-tropic polypeptide);グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドなどの種類がある。これらの働きとして、インスリン分泌促進作用グルカゴン濃度低下作用を増強するなどの作用がある。

 

血糖降下に関わるインクレチンであるが、あるものによって分解されてしまう。それが、DPP-4(dipeptidyl peptidase W);ジペプチジルペプチダーゼ4である。

 

 

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)は、このGLP-1の部分を持ちながらも、DPP-4による分解に抵抗性を持つように作られた薬である。また分子量を増やしたことにより、吸収速度の低下や腎クリアランスの低下が起こり、週1回製剤を実現した。

 

 

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)は、グッドデザイン賞をもらっている。注射器に針が内蔵されており、ダイヤルを回して調製などの操作も不要。ビデュリオンのようにタップするなどの動作も不要だし、インスリンのように空打ちの動作も不要。中にはインスリンのような癖で空打ちしてしまう人もいるのではないかと思ったが、それを防ぐためにロックがあり、正しい手順で使えば、皮膚に当てて→ロック解除→投与という形になるので、空打ちをしてしまうということは無いと思うとメーカーさんは言っていた。

 

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用法用量

  • 0.75mgを週に1回、皮下注射。

 

週1回投与のため、投与時間や食前食後に関する規定はない。具体的投与順序として、

 

 

  1. 底についている、灰色のキャップを外す。
  2. 底の部分を皮膚(上腕部、腹、太ももなど)に当てる。
  3. ひねって、ロックを外す(赤から緑へ)
  4. 注入ボタンを押す。注入ボタンを押したときにカチッと音がする。注入が終わると二回目のカチッという音がするので、それで終了。

 

打ち忘れたとき
  • 次回投与するべき日まで72時間以上ある場合;すぐに投与し、次の打つべき曜日でも予定通り打つ。
  • 次回投与するべき日まで72時間未満の場合;忘れた分は打たない。次の打つべき曜日は予定通り打つ。

 

例として、日曜日投与の場合は以下のようになる。

 

 

保管方法

凍結を避けて、冷蔵保存(2〜8℃)室温(1〜30℃)では14日間まで保管可能

 

重大な副作用

  • 低血糖、アナフィラキシー、血管浮腫

 

経験したこと

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)の勉強会をした。

 

すでにGLP-1の薬は他にも出ている。トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)はグッドデザイン賞を受賞していることからもわかるように、煩雑さをなるべく減らしたデバイスをもつ薬である。

 

実質3ステップくらいで打てるため、理解力の低下していない患者であれば、簡単に打つことが出来そうな印象だった。実際に指導用の見本を扱ってみたが、とても簡単だった。

 

デバイス自体はよくできているが、糖尿病治療でGLP-1自体があまり使われていないと思う。他の内服の糖尿病治療薬と比べても、どうしても使いにくい印象を受ける。医師としても、インスリンならまだしも、インスリン以外の注射は専門医でなければ、提案しにくいはずだ。GLP-1自体が当たり前のように使われるくらい、認知されるようになれば、いい薬ではないかと感じた。

 

まとめ

  • トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)は、GLP-1受容体作動薬で注射である。
  • グッドデザイン賞を受賞しており、従来のGLP-1受容体作動薬と比べて、煩雑な操作が減った。

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