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潰瘍性大腸炎(UC;ulcerative colitis)やクローン病(Crohn’s disease)は炎症性腸疾患の1つになります。クローン病は口腔から消化管までで炎症が起こるとされているのに対して、潰瘍性大腸炎はその名の通り大腸に炎症が起こります。下痢、血便、腹痛、発熱、体重減少などの症状がみられます。
潰瘍性大腸炎やクローン病は難病に指定されていて、原因がまだはっきりとしていません。
潰瘍性大腸炎治療薬、クローン病治療薬には以下のようなものがあります。
基本的には炎症を抑えて、落ち着いている状態をキープします。
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大腸の腸内細菌によって、スルファピリジン(SP)と5-アミノサリチル酸(5-ASA)に分解されます。それぞれ抗炎症作用を持ちますが、特に5-アミノサリチル酸が抗炎症作用を発揮します。
潰瘍性大腸炎に使われます。
先ほど出てきた5-アミノサリチル酸の徐放性製剤になります。内服薬はコーティングが工夫されていて、小腸も大腸も薬が届くようになっています。そのため内服薬は潰瘍性大腸炎とクローン病に適応があります。
坐剤は潰瘍性大腸炎のみ適応です。
こちらもコーティングが施されていて、回腸末端から大腸にかけて、薬が放出されるようになっています。よって下部消化管によく効くように作られています。
大腸に到達してから薬を放出するため、潰瘍性大腸炎しか適応はありません。
こちらもコーティングが施されていて、アサコール(メサラジン)と同様に大腸全体に薬がいきわたるように作られています。
薬剤師として覚えておきたいのは、リアルダ(メサラジン)は冷所保存という点です。室温保存だと、溶出性に変化が起こり正しい効果が得られなくなってしまいます。
ステロイドによる抗炎症作用で効果を発揮します。液体であるため、横になりながらゴロゴロ体位を変えることで大腸にいきわたらせます。
液体であるため、慣れないうちは使用後に漏れ出てきてしまうことがあります。
こちらもステロイドですが、剤形が泡になります。そのためレクタブル(ブデソニド)は立位で使用します。
液体と比べて、全体にいきわたらせにくいですが、使用後に漏れ出てくる可能性は低くなります。
潰瘍性大腸炎やクローン病の炎症の原因として、TNF-αと呼ばれる物質が関わっていると考えらえています。これらの抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体に対して、くっつくことでTNF-αに関連する作用を抑制します。
基本的には、他の治療が無効な場合に抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体は使われます。