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体に異物が入ると防衛反応として、咳が出ることがあります。少しの咳ならば防衛反応であるため問題ないですが、睡眠が妨げられる等、生活に支障が出てしまった場合は、鎮咳薬を使い咳を止めることも考慮しなければなりません。
体の中にほこりやウイルスなどの異物が入ると、気道に異物がいることを察知します。異物を察知すると、異物がいることを延髄の咳中枢に伝えます。咳中枢に情報が伝えられると、横隔膜などの呼吸筋に指令を出して咳が出ます。
また咳は痰を出すという働きもあります。痰は、ムチンと呼ばれる粘性のある物質を含んでおり、ネバネバしています。そして、気道の粘膜にある細かい毛が、異物をからめとって粘液にまとめたものが痰になります。できた痰は、細かい毛や咳などによって、体の外へ出ていきます。
咳には痰を伴う湿性咳と、痰を伴わない乾性咳があります。湿性咳を抑えてしまうと、痰が出しにくくなってしまうため、去痰薬等と併用で鎮咳薬が使われることが多いです。
鎮咳薬は以下の2種類に大きくわけられます。
延髄の咳中枢を抑制することで、咳を抑えます。これらの薬は麻薬性であるため、依存性があります。そのため、非麻薬性鎮咳薬が効かなかった場合に使われることが多いです。
これらの薬は非麻薬性であるため、依存性はありません。アスベリン(チペピジン)は去痰作用も持ちます。
ゴロを使って覚えましょう。
イメージ作りの物語を。家の玄関のドアを開けると、なぜか地面に大量の黒色便がありました。あまりもの衝撃と臭さに咳こんでしまったため、チペピジンを飲むというお話です。
私は子供のころに、う〇こを1度踏んだことがあります。皆さんは踏んだことあるでしょうか(笑)
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痰を出しやすくする薬を去痰薬と言い、その作用によって以下のようなものがあります。
先ほど痰は、ムチンと呼ばれるネバネバしている物質を含んでいるという話をしました。それに対して、漿液と呼ばれるサラサラの液体があります。ビソルボン(ブロムヘキシン)は、この漿液の分泌を促進する作用があります。
またネバネバのムチンは、リソソーム酵素によって分解されます。ビソルボン(ブロムヘキシン)は、リソソーム酵素の分泌を促進することでムチンの分解を促進します。
上記の作用から、痰の粘性が下がりビソルボン(ブロムヘキシン)は痰を出しやすくしてくれます。
肺胞にある細胞から出てくる肺サーファクタントは、気道粘膜を覆い、痰の滑りを良くしてくれます。ムコソルバン(アンブロキソール)は、滑りを良くしてくれる肺サーファクタントの分泌を増やします。
またムコソルバン(アンブロキソール)は絨毛の運動を促進する作用もあります。
ネバネバのムチンは、フコースとシアル酸と呼ばれる構成成分があります。これの構成比を現したものがフコース/シアル酸比です。この比率が上がると、痰の粘性が上がると言われています。
ムコダイン(カルボシステイン)は、フコース/シアル酸比を正常な割合に戻す作用があります。
ムコダイン(カルボシステイン)と作用機序はほぼ同じでフコース/シアル酸比を正常化します。その他に漿液の分泌を促進すると言われています。