![高血圧治療薬、まとめと覚え方](../img/header.jpg)
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別ページ、血圧の基本、高血圧と低血圧でも述べたように、多くの患者さんにとって、血圧はトップクラスに関心が高いです。血圧の増減に一喜一憂しています。今回は高血圧治療薬についてまとめていこうと思います。
高血圧の薬には、以下のような種類があります。
色々と種類がありますが、他の疾患の治療薬としても出てくるので、そっちを勉強していれば自然と覚えているかもしれません。血圧=心拍出量×末梢血管抵抗であるため、心拍出量を減らすか、末梢血管抵抗を減らす作用をこれらの薬は持っています。
血管平滑筋のCa2+チャネルを遮断して、血圧を低下させます。基本的に語尾が「〜ジピン」となっているため、覚えやすいです。虚血性心疾患治療薬、狭心症と心筋梗塞でも紹介したように、ヘルベッサー(ジルチアゼム)は血管と心臓両方に作用します。
レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系で出てきたアンギオテンシンUがAT1受容体にくっつくのを遮断することによって、降圧作用を示します。
ARBは、「〜サルタン」であるため覚えやすいです。
レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系のアンギオテンシン変換酵素(ACE)を阻害して、アンギオテンシンUの生成やアルドステロンの分泌を抑えます。その結果血圧を下げます。
また、アンギオテンシン変換酵素(ACE)は別名キニナーゼUとも呼ばれており、もちろんアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)は阻害します。キニナーゼUの働きは、ブラジキニンという物質を分解することです。しかし、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)を投与することで、キニナーゼUは阻害されてしまい、ブラジキニンの分解が阻害されてしまいます。ブラジキニンは血圧を下げる作用もあるのですが、咳の誘発する原因とも考えられているため、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)の特徴的な副作用として空咳があります。
ACE阻害薬は「〜プリル」なので覚えやすいです。
レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系のレニンを直接阻害して、血圧を下げます。
ここでは詳細は割愛しますが、ヘンレ係蹄上行脚にあるNa+-K+-2Cl-共輸送系を阻害します。Na+の再吸収を抑制することで利尿作用をもたらし、循環血液量が下がります。その結果血圧が下がります。
利尿薬の詳細は利尿薬、水だけでなくNaとKの動きを抑えようでまとめています。
ループ利尿薬は語尾が「〜セミド」なので覚えやすいです。
ここでは詳細は割愛しますが、遠位尿細管にあるNa+-Cl-共輸送系を阻害します。Na+の再吸収を抑制することで利尿作用をもたらし、循環血液量が下がります。その結果血圧が下がります。
チアジド系利尿薬は語尾が「〜チアジド」なので覚えやすいです。
ここでは詳細は割愛しますが、これらの薬は遠位尿細管や集合管において作用して利尿作用を示します。
アルダクトン(スピロノラクトン)、セララ(エプレレノン)はレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系で出てきたアルドステロンと受容体上で拮抗します。
トリテレン(トリアムテレン)はNa+チャネルを遮断します。
トリテレン(トリアムテレン)だけ覚えれば、消去法で残りは覚えられます。
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血管のα1受容体が刺激されると、血管は収縮します。そのためα1受容体を遮断することで、血管が拡張して降圧作用がえられます。
ゴロは、抗アドレナリン薬、アドレナリン受容体遮断薬にあるので、参考にしてみてください。
降圧作用は主にβ1受容体遮断作用が関わります。
心臓のβ1受容体を遮断することで、心拍出量低下が起こります。また腎臓のβ1受容体を遮断することで、レニンの分泌を抑制します。
後で出てくる、選択的アドレナリンβ1受容体遮断薬とアドレナリンαβ受容体遮断薬以外の「〜olol(〜オロール)」と覚えれば覚えやすいです。
先ほどのβ受容体と同じくβ1受容体遮断作用が主に降圧に関わります。私の経験上、現場では圧倒的にメインテート(ビソプロロール)が使われていることが多いです。
ゴロはα1受容体のところで紹介した別ページにありますので参考にしてください。
α1遮断で血管を広げ、β1遮断でレニンの分泌や心拍出量低下をもたらし、降圧作用を示します。これまた経験上、現場ではアーチスト(カルベジロール)が圧倒的に使われます。
ゴロはα1受容体のところで紹介した別ページにありますので参考にしてください。
延髄の血管運動中枢にあるα2受容体を刺激します。α2受容体が刺激されると血管が広がるので血圧が下がります。