血栓溶解薬、フィブリンとプラスミン

血栓溶解薬、フィブリンとプラスミン

プラスミンはフィブリン血栓の溶解に関わります。血栓溶解薬はプラスミノーゲンアクチベーターであり、プラスミンを作ることによって、血栓を溶かしていきます。

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血栓溶解薬、フィブリンとプラスミン

前回の抗血栓薬、フィブリン血栓と二次止血では、二次止血を確認しました。血栓は止血に役立ちますが、時に脳梗塞や心筋梗塞などの原因となったりします。

 

 

血栓の溶解

血栓にはフィブリンが関わることは前回お話しました。このフィブリンを分解するのが、プラスミンです。プラスミンはプラスミノーゲンからプラスミノーゲンアクチベーター(PA)によって作られます。

 

プラスミノーゲンアクチベーターにはいくつか種類があって、u-PA(ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター)t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)などがあります。

 

 

フィブリンには止血に関わるフィブリンと、血栓に関わるフィブリンがあります。t-PAは血栓に関わるフィブリンに親和性が高いです。それに対してu-PAは両方とも作用します。

 

血栓溶解薬

血栓溶解薬には以下のようなものがあります。

 

  • u-PA(ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター)
  • t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)

 

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u-PA(ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター)

ウロナーゼ(ウロキナーゼ)

 

  • u-PA

 

プラスミノーゲンからプラスミンを作ることで血栓溶解作用を示します。高容量の添付文書の適応では、急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)となっています。

 

なおプラスミンはα2-プラスミノーゲンインヒビター(α2-PI)と呼ばれる酵素によって不活性化されてしまいます。この反応は血漿中で起こり、血栓中では起こりません。先ほどu-PAは血漿中のフィブリンと血栓中のフィブリン両方とも作用するという話をしましたが、α2-プラスミノーゲンインヒビターで不活性化される量以上にプラスミンが作られなければ効果を示しにくくなってしまいます。

 

そして、作られたプラスミンの多くは血漿中のフィブリノーゲンの分解に関わるため出血傾向が起こりやすくなります。

 

 

これらの欠点を改善したのが、次のt-PAとなります。

 

t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)

アクチバシン(アルテプラーゼ)、クリアクター(モンテプラーゼ)

 

  • t-PA

 

t-PAは血栓のプラスミノーゲンを活性化するため、α2-プラスミノーゲンインヒビターの影響を受けません。そして血漿中のフィブリノーゲンの分解も起こらず出血傾向が起こりにくいです。

 

アクチバシン(アルテプラーゼ)は、虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)。急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)が適応となっています。

 

クリアクター(モンテプラーゼ)は、急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内) 。不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解が適応となっています。

 

まとめ

  • プラスミンは血栓の溶解に関わる。
  • 血栓溶解薬は、プラスミノーゲンアクチベーターであり、プラスミンを作って作用する。

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