C型肝炎治療薬、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は複製を阻害する。

C型肝炎治療薬、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は複製を阻害する。

C型肝炎は治せる病気になってきました。C型肝炎治療薬のうち、直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)はC型肝炎ウイルスの複製を阻害します。

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C型肝炎治療薬、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は複製を阻害する。

前回のB型肝炎治療薬、増殖には逆転写酵素が関わる。に続き、今回はC型肝炎です。C型肝炎も放置しておくと、肝硬変や肝臓がんとなっていきます。

 

 

C型肝炎は、前回同様C型肝炎ウイルスが原因となってきます。

 

C型肝炎ウイルスの増殖メカニズム

ここまでの感じですと、B型もC型もそこまで変わらなさそうですが、増殖メカニズムは全く異なります。

 

まず、B型肝炎ウイルスはDNAだったのに対して、C型肝炎はRNAとなります。

 

C型肝炎ウイルスの増殖機構をおおざっぱに見てみると、

 

  1. 細胞表面にウイルスが吸着します。
  2. 細胞内へ取り込まれ、侵入します。
  3. ウイルスのRNAを放出します(脱殻)
  4. ウイルスが複製されます。
  5. ウイルスが放出されます。

 

 

あとで複製の話がもう一度出てくるので、特に複製が大事というところを覚えてください。

 

C型肝炎治療薬

B型肝炎と違い、直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)の登場により、C型肝炎はかなり治療が可能となってきています。以下のような薬があります。

 

  • インターフェロン製剤
  • 肝庇護薬
  • 直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)
  • その他

 

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インターフェロン製剤

スミフェロン(インターフェロンアルファ)、フエロン(インターフェロンベータ)、ペガシス(インターフェロンアルファ-2a)、イントロンA(インターフェロンアルファ2b)

 

  • タンパク質合成阻害

 

私たちがタンパク質を作っているように、C型肝炎ウイルスも生きていくのにタンパク質を必要とします。

 

インターフェロンは体の防御に関わるタンパク質で、ウイルスのRNAの分解に関わる酵素を誘導し、RNAの分解を促進したりして、タンパク質の合成を阻害します。そのため、これらのインターフェロン製剤を投与することでC型肝炎ウイルスを抑えることができます。

 

 

インターフェロン製剤は、間質性肺炎や自殺企図などが有名な副作用なので、合わせて覚えられるといいですね。

 

肝庇護薬

グリチロン(グリチルリチン)、小柴胡湯

 

  • 肝庇護薬

 

これらの薬は甘草のグリチルリチンを含んでおり、肝臓が傷つくことから守ってくれるような作用があります。

 

小柴胡湯はインターフェロン製剤との併用で間質性肺炎が起こる事件があったため、併用禁忌となっていることを知っておきましょう。ただしC型肝炎が専門の先生が治療するため、併用など今は現実的にはありえないですが、知っておくに越したことはありません。

 

直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)

ヴィキラックス(パリタプレビル/オムビタスビル/リトナビル)、ハーボニー(ソホスブビル/レジパスビル)、エレルサ・グラジナ(エルバスビル・グラゾプレビル)、スンベプラ・ダクルインザ(アスナプレビル・ダクラタスビル)、ジメンシー(ダクラタスビル、アスナプレビル、べクラブビル)、ソバルディ(ソホスブビル)、マヴィレット(グレカプレビル/ピブレンタスビル)、エプクルーサ(ソホスブビル/ベルパタスビル)

 

  • 直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)

 

先ほどのC型肝炎ウイルスの複製過程において、NS5A、NS3/4Aプロテアーゼ、NS5Bポリメラーゼと呼ばれるものたちが関与します。

 

 

  • NS5A;C型肝炎ウイルスの複製に不可欠なウイルスのリン蛋白質
  • NS3/4Aプロテアーゼ;C型肝炎ウイルスの複製に不可欠なセリンプロテアーゼ
  • NS5Bポリメラーゼ;C型肝炎ウイルスのHCV複製に不可欠なRNAポリメラーゼ

 

ゲノムなどの難しい話なので、これらが複製に関わっているんだな〜くらいでいいと思います(笑)これらの直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)は、NS5A、NS3/4Aプロテアーゼ、NS5Bポリメラーゼを阻害して、複製を阻害します。

 

 

ここでは詳しくは話しませんが、ジェノタイプなどで適応が変わってくるので、注意が必要です。

 

その他

レベトール(リバビリン)

 

  • RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬

 

RNA依存性RNAポリメラーゼも複製に関わり、レベトール(リバビリン)はRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、複製を抑えます。

 

まとめ

  • C型肝炎ウイルスはRNA
  • 直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)は、C型肝炎ウイルスの複製を阻害する。

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