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心臓は基本的には一定のリズムで拍動しています。しかし不整脈は、心拍が速かったり、遅かったり、あるいはリズムが不規則であったりします。心臓が拍動することで血液が正しく送り出されるため、不整脈で血液がうまく送り出せないと脱力や息切れ、めまい、失神などの症状が現れます。
心臓が拍動するには、刺激伝導系が関わるので、まずそれを確認してみます。
心臓には刺激伝導系という電気のようなものが走っていて、その電気がうまく伝わることで拍動します。その伝わり方は、洞房結節→房室結節→ヒス束→左脚右脚→プルキンエ線維という順番に伝わります。
これらの電気信号を調整しているのが、ナトリウムイオンや、カリウムイオン、カルシウムイオンになります。これらが細胞内を行き来することで、細胞がマイナスになったりプラスになったりと電気のようなものが発生するというのをイメージできれば大丈夫です。この発生する電気のようなものを活動電位と言います。
次に活動電位とイオンの流れをみてみます。
心室筋が活動電位を生じると、下のような図をとります。
それぞれの線のところでは各イオンが関わります。
活動電位が生じている時間のことを、活動電位持続時間といいます。また活動電位を発生すると、ある一定の間は活動電位を発生することが出来ず、この期間のことを不応期と言います。
ここでは細かいことは省略しますが、速いか、遅いかによって大きくわけられます。
あとは心臓のどの部位で、異常が起きているかが頭文字につきます。
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抗不整脈薬(頻脈性不整脈)の分類にはVaughan Williams(ボーンウィリアムズ)分類やSicilian Gambit(シシリアンガンビット)分類などがあります。ここではVaughan Williams(ボーンウィリアムズ)分類を見てみましょう。
分類と言っても、作用機序によって主に6つに分けられます。別にクラスが上だからと言って最強というわけではないです。
主にイオンが行き来するチャネル(トンネル)をふさぐことで、それぞれのイオンが行き来できなくなります。イオンが行き来できないと、電気が発生するのが遅れるため、刺激伝導系の伝わり方が遅くなります。よって頻脈が改善するというイメージを持ってもらえれば大丈夫です。
カリウムチャネル遮断作用もあわせ持つと考えられています。そのため、活動電位持続時間と不応期を延長します。ゴロを使って覚えます。
おいしいと評判のAクラスシベリア産のアジをキープするお話です。
カリウムチャネル開口作用もあわせ持つと考えられています。そのため、活動電位持続時間は短くなります。これもゴロで覚えます。
Bクラスで美人メキシコ人と噂のリ(ド)カちゃんは、なんとおとなりに住んでいたという話です。個人的には、日本人慣れしている名前のリカちゃんで覚えているので、覚えやすい方で覚えてください。
カリウムチャネルには影響を与えないため、活動電位持続時間にはほぼ影響しません。これもゴロを使って覚えます。
文化祭でCクラスはパフェ屋をやりました。生徒たちがお客さんに宣伝しているお話です。
主にβ1受容体遮断作用が関わり、刺激伝導速度を遅くします。その結果、活動電位持続時間は延長します。β受容体遮断薬は「〜ロール」のため覚えやすいです。
カリウムチャネルを遮断するため、活動電位持続時間や不応期を延長します。ゴロを使って覚えます。
漁師たちが漁に出るために網の準備を始めましたが、どうやら絡まってしまっているようです。「網が3回絡まっている。」と言ったら、別の漁師が「そうだろー。」と返事をするお話です。ソタロールは名前から想像つくようにβ遮断作用も持っています。しかしクラスVであるため独立して覚える必要があります。
洞房結節と房室結節のカルシウムチャネルを遮断します。ゴロを使って覚えます。
そのままです(笑)汁から4と、うまい「べ」からベラパミルが引っ張り出せるようにしてください。
刺激伝導速度などを遅らせることによって、心拍を強くゆっくりにします。
心臓のM2受容体を遮断すると、心拍数が増えるため、アトロピン硫酸塩(アトロピン)は徐脈性不整脈に使われます。