褥瘡治療薬は、DESIGN-Rの状態などによって使われる。

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褥瘡治療薬、DESIGN-Rを覚えよう

褥瘡は床ずれなどとも呼ばれ、寝たきりなどで動けない患者さんに起こります。寝たきりなどで自分で体位を変えられないと、体重で長時間圧迫され続け血流が悪くなります。血流が悪くなると、細胞に酸素や栄養が届けられにくくなり、場合によっては壊死してしまいます。

 

 

褥瘡の起こりやすい部位

骨が出ているところは体重がかかりやすいため褥瘡の起こりやすい部位と言えます。体位によって体重がかかる部位が異なります。

 

 

  • あおむけ;後頭部、肩甲骨、ひじ、仙骨部、かかと
  • 横向き;耳、肩、ひざ、くるぶし
  • 車いす;尾骨

 

DESIGN-R

褥瘡の状態や治療効果を判断する評価尺度です。

 

D(depth;深さ)

創の内部の一番深いところで判定します。

 

  • d0;皮膚損傷、発赤なし
  • d1;持続する発赤
  • d2;真皮までの損傷
  • D3;皮下組織までの損傷
  • D4;皮下組織を超える損傷
  • D5;関節腔、体腔に至る損傷
  • DU;深さ判定が不能の場合

 

E(Exudate;滲出液)

ドレッシング交換の回数で判定します。

 

  • e0;なし
  • e1;少量、毎日のドレッシング交換を要しない
  • e3;中等量、1日1回のドレッシング交換を要する
  • E6;多量、1日2回以上のドレッシング交換を要する

 

S(size;大きさ)

褥瘡の傷の長径(cm)とそれに直交する最大径の長さを測り、それぞれをかけたもので表します。

 

  • s0;皮膚損傷なし
  • s3;4未満
  • s6;4以上16未満
  • s8;16以上36未満
  • s9;36以上64未満
  • s12;64以上100未満
  • s15;100以上

 

 

I(Inflammation/Infection;炎症/感染)

 

  • i0;局所の炎症徴候なし
  • i1;局所の炎症徴候あり
  • I3;局所の明らかな感染徴候あり
  • I9;全身的影響あり

 

G(Granulation tissue;肉芽組織)

良性の肉芽の割合で判定します。

 

  • g0;治癒あるいは創が浅いため肉芽形成の評価ができない
  • g1;良性肉芽が創面の90%以上を占める
  • g3;良性肉芽が創面の50%以上90%未満を占める
  • G4;両性肉芽が創面の10%以上50%未満を占める
  • G5;両性肉芽が創面の10%未満を占める
  • G6;両性肉芽が全く形成されていない

 

N(Necrotic tissue;壊死組織)

 

  • n0;壊死組織なし
  • N3;柔らかい壊死組織あり
  • N6;硬く厚い密着した壊死組織あり

 

P(Pocket;ポケット)

創の皮下が空洞となった状態をポケットといいます。

 

  • p0;ポケットなし
  • p6;4未満
  • p9;4以上16未満
  • p12;16以上36未満
  • p24;36以上

 

褥瘡治療薬

褥瘡が急性期か慢性期か、先ほどのDESIN-Rがどのような状態かによって、様々な薬が使われます。

 

先生により様々な治療がされますが、壊死組織を取った後、肉芽を形成して、傷を小さくしていくというパターンが多いです。

 

  • 感染防御薬
  • 肉芽形成促進薬
  • 皮膚保護薬

 

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感染防御薬

ゲーベン(スルファジアジン銀)

 

  • 抗菌作用

 

が細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を示します。

 

ユーパスタ(白糖・ポビドンヨード)

 

  • 創傷治癒+殺菌作用

 

白糖が創傷治癒作用、ポビドンヨードが殺菌作用を示します。

 

カデックス(ヨウ素)

 

  • 浸出液吸収+殺菌作用

 

高分子ポリマーに要素が配合されていて、高分子ポリマーが浸出液を吸収します。またヨウ素が殺菌作用を示します。

 

肉芽形成促進薬

オルセノン(トレチノイントコフェリル)

 

  • 肉芽形成

 

ビタミンA活性代謝物とビタミンEのエステル結合体であり、血管新生を伴い肉芽形成を促進します。

 

アクトシン(ブクラデシン)

 

  • 肉芽形成

 

アクトシン(ブクラデシン)はcAMPに変換されるため、cAMPの濃度を高めます。cAMPが高まることで、血流を改善し、血管新生を促し、肉芽形成を促進します。

 

 

プロスタンディン(アルプロスタジルアルファデクス)

 

  • 肉芽形成

 

プロスタグランジンE1誘導体で、局所の血流を改善し、肉芽形成を促進します。

 

フィブラスト(トラフェルミン)

 

  • 肉芽形成

 

ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と呼ばれ、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体に結合します。そうすることで、血管新生が促進され、肉芽形成が促進されます。

 

皮膚保護薬

サトウザルベ(酸化亜鉛)

 

  • 抗炎症作用+浸出液吸収

 

酸化亜鉛は局所収れん作用を持ち、炎症を抑えます。また湿潤面を乾燥化させる作用も持ちます。

 

アズノール(ジメチルイソプロピルアズレン)

 

  • 抗炎症作用

 

消炎作用だけでなく、湿潤状態を保ってくれます。

 

まとめ

  • 褥瘡は体位変換が困難な患者が、体重により圧迫されることにより起こりやすい。
  • 骨が出ているところは、体重による圧迫を受けやすいため褥瘡が起こりやすい。
  • 褥瘡はDESIGN-Rなどにより評価される。
  • 褥瘡治療薬は、感染を防いだり、肉芽形成を促進したり、湿度を調節する薬が使われる。

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片頭痛はセロトニンが減り、血管が拡張することにより引き起こされるのが原因の1つと考えられています。トリプタン系の薬はセロトニン受容体を刺激し、血管を収縮することで片頭痛治療薬として使われます。
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利尿薬を考える上で、糸球体を通過後、原尿は近位尿細管→ヘンレ係蹄(ループ)→遠位尿細管→集合管の流れを抑えます。そして利尿薬は水だけでなくNa+やK+の動きを抑えることが重要です。
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前立腺肥大が起こり、尿道が圧迫されてしまうと、排尿障害などが起こってしまいます。前立腺肥大関連薬は、尿道を拡げることによって、排尿障害などを改善します。
頻尿治療薬、膀胱の排尿筋と受容体
頻尿は膀胱の排尿筋が収縮してしまうことが原因と考えられています。膀胱の排尿筋にはM3受容体、β2受容体、β3受容体などがあり、頻尿治療薬はこれらに関わります。
呼吸興奮薬、末梢性と中枢性
呼吸は、延髄の呼吸中枢で調節されています。呼吸興奮薬には末梢性呼吸興奮薬や中枢性呼吸興奮薬などがあります。またベンゾジアゼピン系やオピオイド受容体拮抗薬などもあります。
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鎮咳薬には、麻薬性鎮咳薬と非麻薬性鎮咳薬があります。また去痰薬は、サラサラにしたり、滑りを良くしたり、痰の構成成分の比率を正常にすることで、出しやすくしてくれます。
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