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糖尿病治療薬、インスリン製剤と内服薬
糖尿病の患者さんはかなりの数いて、テレビでも取り上げられるので患者さんはかなりの関心を持っています。今回は糖尿病の薬をまとめ、いまいちど復習していきます。。
まず糖尿病に関わる大事なホルモンとして、膵臓のホルモンがあります。
膵ホルモン
膵ホルモンは膵ランゲルハンス島から分泌され、以下のようなものがあります。
- グルカゴン;α細胞より分泌。グリコーゲンの分解を促進して、血糖上昇。
- インスリン;β細胞より分泌。グルコースの細胞内取り込み、グリコーゲンの合成促進などして、血糖低下。その他、トリグリセリド合成やタンパク質合成など。
- ソマトスタチン;δ細胞より分泌。グルカゴン、インスリン分泌の抑制。
これらがうまくバランスを取り合って、血糖値をコントロールしています。
糖尿病にはいくつか種類がありますが、そのうち1型糖尿病はβ細胞が壊れてしまい、インスリンが欠乏しています。それに対し、2型糖尿病はインスリンの分泌低下や抵抗性に、食事や運動などの環境要因が加わって起こるとされています。
糖尿病治療薬
糖尿病治療薬は、注射薬や内服薬など様々な種類のものがあります。今回は載せていませんが、最近は配合錠なども出てきています。
- インスリン製剤
- SU剤
- 即効型インスリン分泌促進薬
- DPP-4阻害薬
- GLP-1アナログ
- チアゾリジン系
- ビグアナイド系
- α-グルコシダーゼ阻害薬
- SGLT2阻害薬
- 糖尿病性末梢神経障害治療薬
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インスリン製剤
ランタス(インスリングラルギン)、レベミル(インスリンデテミル)、トレシーバ(インスリンデグルデク)
- 持効型
インスリンの分泌には大きく2つの種類があって、それぞれ基礎分泌、追加分泌と呼びます。
基礎分泌は少しずつですが、ずーっと分泌され続けているインスリン分泌のことです。
追加分泌は、食後の高血糖を抑制するために、毎食後に分泌されるインスリンのことです。
持効型のインスリンはこれらのうち、基礎分泌を補うために使われます。
ノボラピッド(インスリンアスパルト)、ヒューマログ(インスリンリスプロ)、アピドラ(インスリングルリジン)
- 超速効型
先ほどのインスリン分泌のうち、超速効型は追加分泌を補うために使われます。超速効型は効果発現が早いため、基本的に食直前に使います。
ノボリンR(生合成ヒト中性インスリン)、ヒューマリンR(ヒトインスリン)
- 速効型
速効型も追加分泌を補うために使われます。速効型は超速効型よりも効果発現に時間がかかるため、基本的に食前に使います。
ノボリンN(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁)、ヒューマリンN(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁)、ヒューマログN(中間型ヒトインスリンリスプロ)
- 中間型
中間型は主に基礎分泌を補うために使われます。効果発現に1〜2時間くらいかかり、約20時間効果が持続します。
ノボラピッド30ミックス(二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁)、ヒューマログミックス25/50(インスリンリスプロ混合製剤)、ノボリン30R/40R/50R(ヒト二相性イソフェンインスリン)、ライゾデグ(インスリン デグルデク/インスリン アスパルト)
- 混合型
超速効型や速効型と中間型が混合されたものが混合型です。
SU剤
グリミクロン(グリクラジド)、ダオニール(オイグルコン)、アマリール(グリメピリド)
- SU剤
β細胞にあるSU受容体に結合します。SU受容体にくっつくと、K+チャネルを閉じ、脱分極が起こります。脱分極が起こるとCa2+チャネルを開き、細胞内のCa2+濃度が高まります。Ca2+の濃度が高まると、インスリンの分泌を促します。
即効型インスリン分泌促進薬
ファスティック(ナテグリニド)、グルファスト(ミチグリニド)、シュアポスト(レパグリニド)
- 即効型インスリン分泌促進薬
構造式内にSU剤のような構造は持ちませんが、SU受容体にくっつき、インスリンの分泌を促します。名前にあるように、効果発現が早いため基本的に食直前に使用します。
語尾が「〜グリニド」であり、ゴロを使うまでもないですが、「グリグリ促進」と覚えましょう。
DPP-4阻害薬
ジャヌビア(シダグリプチン)、エクア(ビルダグリプチン)、ネシーナ(アログリプチン)、トラゼンタ(リナグリプチン)、テネリア(テネグリプチン)、スイニー(アナグリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)、ザファテック(トレラグリプチン)、マリゼブ(オマリグリプチン)
- DPP-4阻害薬
DPP-4(dipeptidyl peptidase W);ジペプチジルペプチダーゼ4とはなんなのか?それを説明するにあたって、関連するキーワードがもう1つあります。それがインクレチンです。まずインクレチンからみてみます。
インクレチンとはいわゆるホルモンの一種です。血糖値が上昇すると主に小腸から分泌されます。インクレチンには、GLP-1(glucagon-like peptide-1);グルカゴン様ペプチド1やGIP(glucose-dependent insulino-tropic polypeptide);グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドなどの種類があります。これらの働きとして、インスリン分泌促進作用やグルカゴン濃度低下作用を増強するなどの作用があります。
良いことばかりのインクレチンですが、これはあるものによって分解されてしまいます。それがDPP-4です。DPP-4阻害薬は、DPP-4を阻害することによってインクレチンの分解を防ぎます。よって先ほどのインクレチンの効果が得られて、血糖コントロールが得られるといったメカニズムになります。
GLP-1アナログ
ビクトーザ(リラグルチド)、ビデュリオン(エキセナチド)、トルリシティ(デュラグルチド)
- GLP-1アナログ
先ほどのDPP-4阻害薬で出てきたGLP-1を人工的に作り出したものです。GLP-1受容体に結合し、血糖依存的にインスリン分泌促進作用やグルカゴン分泌抑制作用を起こします。
チアゾリジン系
アクトス(ピオグリタゾン)
脂肪細胞は、小型の脂肪細胞が普通ですが、食事や運動不足などにより大型脂肪細胞へとなっていきます。
小型の脂肪細胞はインスリン抵抗性の改善に効果があるとされているアディポネクチンの分泌を行いますが、大型の脂肪細胞はインスリン抵抗性を増やすTNF-αと呼ばれるものを分泌するとされています。
アクトス(ピオグリタゾン)は脂肪細胞のPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)を刺激します。そうすることによって、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進と、大型脂肪細胞のアポトーシスが起こります。
その結果、アディポネクチンは増えて、TNF-αは減るので、インスリン抵抗性を改善します。
ビグアナイド系
メトグルコ(メトホルミン)
- ビグアナイド系
肝での糖新生抑制や、骨格筋への糖の取り込み促進などにより血糖低下作用を示します。
α-グルコシダーゼ阻害薬
ベイスン(ボグリボース)、グルコバイ(アカルボース)、セイブル(ミグリトール)
- α-グルコシダーゼ阻害薬
デンプンは、α-アミラーゼによってマルトース(二糖類)に分解されます。マルトース(二糖類)はさらにα-グルコシダーゼによってブドウ糖に分解され、腸管から吸収されます。
α-グルコシダーゼ阻害薬は、α-グルコシダーゼなどを阻害することで、腸管からの吸収を遅らせます。食後の高血糖を改善するので、基本的に食直前に使われます。
なお、ショ糖(砂糖)もα-グルコシダーゼで分解されるため、低血糖時にはブドウ糖を摂取する必要があります。
特徴的な副作用に腹部膨満感や放屁がありますが、これは腸内細菌が腸内に残った二糖類を食べてガスが発生するのが原因の1つと言われています。
SGLT2阻害薬
スーグラ(イプラグリフロジン)、フォシーガ(ダパグリフロジン)、ルセフィ(ルセオグリフロジン)、デベルザ(トホグリフロジン)、カナグル(カナグリフロジン)、ジャディアンス(エンパグリフロジン)
- SGLT2阻害薬
SGLTは、sodium glucose cotransporterの略で、ナトリウム・グルコース共役輸送体と訳されます。尿が作られ、排泄される過程において、不要なものは排泄され、糖などの必要なものは捨てられないように再吸収されます。その糖の再吸収に関わるのが、近位尿細管にあるSGLTです。
SGLTにはいくつか種類があり、そのうちの1つがSGLT2です。近位尿細管における糖の再吸収のうち、約90%がSGLT2が関わっていると考えられていて、ここを抑えることで、糖の再吸収が抑えられます。
SGLT2阻害薬は、SGLT2を阻害することで、糖の再吸収を抑えて、尿中に糖を排泄させます。
糖尿病性末梢神経障害治療薬
キネダック(エパルレスタット)
- 糖尿病性末梢神経障害治療薬
グルコースは正常であればエネルギーとして利用されます。しかし糖尿病で高血糖状態だと、グルコースはアルドース還元酵素によってソルビトールになります。このソルビトールが神経細胞内にたまり、末梢神経障害の原因となります。
キネダック(エパルレスタット)はアルドース還元酵素を阻害してソルビトールがたまるのを防ぎます。
まとめ
- 糖尿病は、1型糖尿病や2型糖尿病などの種類がある。
- 糖尿病治療薬は、インスリン製剤や、内服薬など様々な作用機序のものがある。
糖尿病治療薬、インスリン製剤と内服薬 関連ページ
- アゴニスト(作動薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)は作用によって異なる
- 薬は本来体で起こる生体反応を人工的に起こすことによって効果を示すものが多いです。薬は作用によってアゴニスト(作動薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)にわけることができます。
- 交感神経のまとめ、ノルアドレナリンの生合成と不活化
- 交感神経は、自律神経の一部です。交感神経は、基本的には節前線維がコリン作動性神経で、節後線維はアドレナリン作動性神経です。ノルアドレナリンは、チロシンを材料に作られ、MAOやCOMTによりノルアドレナリンは、不活化されます。
- アドレナリン作動薬、直接型
- アドレナリン作動薬は、直接型、間接型、混合型が存在します。直接型はα受容体やβ受容体に直接働きかけて、作用します。代表的な受容体とその効果を知ることで、おおまかな薬の作用に予想がつくので覚えてください。
- アドレナリン作動薬、間接型
- アドレナリン作動薬の間接型は交感神経節後線維のノルアドレナリンをたたき出すことで作用します。間接型は医薬品が少なく、タキフィラキシーを起こしやすいのが特徴です。
- アドレナリン作動薬、混合型
- アドレナリン作動薬の混合型は、直接型と間接型両方の作用を併せ持っています。またリズミック(アメジニウム)はノルアドレナリンの再取り込みを阻害することによって昇圧作用を示します。
- 抗アドレナリン薬、アドレナリン受容体遮断薬
- 抗アドレナリン薬はアドレナリン受容体遮断薬と、アドレナリン作動性神経遮断薬に分けることが出来ます。アドレナリン受容体遮断薬はα受容体やβ受容体を遮断することで作用を示します。
- 抗アドレナリン薬、アドレナリン作動性神経遮断薬
- アドレナリン作動薬神経遮断薬は、アドレナリン枯渇薬と中枢性交感神経抑制薬があります。アドレナリン作動性神経遮断薬はupregulationが起こる可能性があるため注意が必要です。
- 副交感神経のまとめ、アセチルコリンの生合成と不活化
- 副交感神経は自律神経の一部であり、コリン作動性神経からなります。アセチルコリンは、アセチルCoAとコリンから生合成されます。またアセチルコリンはコリンエステラーゼにより酢酸とコリンに分解されます。
- コリン作動薬、直接型
- コリン作動薬は、作用によって直接型と間接型に分けることができます。直接型は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(M受容体)に直接働きかけて、様々な効果を示します。
- コリン作動薬、間接型
- コリン作動薬の間接型はコリンエステラーゼを阻害することによって作用します。間接型は作用によって、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬と、非可逆的コリンエステラーゼ阻害薬にわけられます。
- 抗コリン薬、臓器選択性と適応
- 抗コリン薬はムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することによって作用します。抗コリン薬は臓器選択性を高めて改良されたものが現場では使われることが多いです。
- ニコチン性アセチルコリン受容体(NN受容体)関連薬
- ニコチン性アセチルコリン受容体(NN受容体)関連薬は、自律神経節に作用します。自律神経は優位な方の効果が現れ、交感神経は血管と汗腺、副交感神経は血管と汗腺以外が優位です。
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- 運動神経はアセチルコリンを出し、骨格筋のニコチン性アセチルコリン受容体(NM受容体)に結合し、筋収縮を起こします。神経筋接合部関連薬には、刺激薬と遮断薬が存在します。
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- 熱いものなどを触れたときに、反射が起こります。反射の中心は脊髄であり、単シナプス反射と多シナプス反射があります。中枢性筋弛緩薬はそれらを抑えることによって作用します。
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- 抗パーキンソン病治療薬では、ドパミンを増やして、コリンを減らすことが重要です。しかしドパミンは血液脳関門を通過することができないので、レボドパに変装することが必要です。
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- アルツハイマー型認知症は記銘力障害が特徴的です。アルツハイマー型認知症治療薬は、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、記憶に重要なアセチルコリンを増やします。
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- 統合失調症は、陽性症状と陰性症状があります。D2受容体遮断作用と5-HT2受容体遮断作用が関わることから、統合失調症はドパミン仮説とセロトニン仮説が重要と考えられています。
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- 現場で使われる抗不安薬の多くはベンゾジアゼピン系です。ベンゾジアゼピン系は作用時間が異なります。そのため作用時間が切り替えの判断材料になるため、覚えておくと便利です。
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- うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンの神経活動が低下しており精神症状や身体症状を示します。そのため抗うつ薬では、基本的にセロトニンやノルアドレナリンを増やして作用します。
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- 脳梗塞は再発を予防することが重要です。そのためにはコンプライアンスを維持する必要があります。再発予防以外にも、脳梗塞後遺症関連薬が存在し、様々な症状の改善をしてくれる薬があります。
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- めまいは、おもにグルグルする回転性、フワフワする浮動性、くらくらする立ちくらみなどがあります。めまいの原因は耳や脳にあることが多く、治療薬はそこに作用します。
- 中枢に作用する薬、リタリンとコンサータに気を付けよ。
- 中枢に作用する薬はナルコレプシーに使われたり、取り扱いが特殊なものが多いです。中でもリタリン(メチルフェニデート)やコンサータ(メチルフェニデート)などは、医師や医療機関や薬局も流通管理委員会に登録をしなければなりません。
- 解熱薬、発熱とプロスタグランジン
- アラキドン酸からプロスタグランジンが作られます。発熱は視床下部にある体温中枢が調節していて、解熱薬は視床下部の体温調節中枢に作用することで解熱作用を示します。
- 心不全治療薬、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を理解しよう。
- 心不全治療薬には、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系が関わります。レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の結果、前負荷と後負荷が生じ、これらを取り除く薬と強心薬が使われます。
- 抗不整脈薬、刺激伝導系と活動電位とイオンの関わり
- 刺激伝導系は洞房結節→房室結節→ヒス束→左脚右脚→プルキンエ線維と伝わりますが、不整脈ではうまくいきません。刺激伝導系には活動電位が必要で発生にはイオンが関わります。抗不整脈薬は、イオンをやり取りするチャネルを阻害します。
- 虚血性心疾患治療薬、狭心症と心筋梗塞
- 虚血性心疾患とは、冠動脈が詰まり、心筋が壊死していない狭心症や壊死してしまった心筋梗塞のことを言います。虚血性心疾患治療薬は、冠動脈を広げるか、心筋の酸素消費を節約する薬が使われます。
- 高血圧治療薬、まとめと覚え方
- 血圧=心拍出量×末梢血管抵抗で表されるため、高血圧治療薬は、これらを減らす作用を持ちます。高血圧治療薬は、他の疾患でも出てくるので、そちらをまとめたりすれば覚えられます。
- 低血圧治療薬、αとβが昇圧に関わる。
- ショックなどのように低血圧になると命の危機になることもあります。低血圧などに使われる昇圧薬は、α受容体刺激による血管収縮やβ受容体刺激による心収縮力の増強が血圧上昇に関わります。
- 片頭痛治療薬、トリプタン系とセロトニン
- 片頭痛はセロトニンが減り、血管が拡張することにより引き起こされるのが原因の1つと考えられています。トリプタン系の薬はセロトニン受容体を刺激し、血管を収縮することで片頭痛治療薬として使われます。
- 利尿薬、水だけでなくNa+とK+の動きを抑えよう
- 利尿薬を考える上で、糸球体を通過後、原尿は近位尿細管→ヘンレ係蹄(ループ)→遠位尿細管→集合管の流れを抑えます。そして利尿薬は水だけでなくNa+やK+の動きを抑えることが重要です。
- 前立腺肥大関連薬、尿道が圧迫されて排尿障害が起こる。
- 前立腺肥大が起こり、尿道が圧迫されてしまうと、排尿障害などが起こってしまいます。前立腺肥大関連薬は、尿道を拡げることによって、排尿障害などを改善します。
- 頻尿治療薬、膀胱の排尿筋と受容体
- 頻尿は膀胱の排尿筋が収縮してしまうことが原因と考えられています。膀胱の排尿筋にはM3受容体、β2受容体、β3受容体などがあり、頻尿治療薬はこれらに関わります。
- 呼吸興奮薬、末梢性と中枢性
- 呼吸は、延髄の呼吸中枢で調節されています。呼吸興奮薬には末梢性呼吸興奮薬や中枢性呼吸興奮薬などがあります。またベンゾジアゼピン系やオピオイド受容体拮抗薬などもあります。
- 鎮咳薬と去痰薬、咳と痰が起こるメカニズム
- 鎮咳薬には、麻薬性鎮咳薬と非麻薬性鎮咳薬があります。また去痰薬は、サラサラにしたり、滑りを良くしたり、痰の構成成分の比率を正常にすることで、出しやすくしてくれます。
- 気管支喘息治療薬、まずは吸入できることが大事
- 気管支喘息は、気道の炎症が原因です。気管支喘息は、効果ももちろんですが、まず吸入できないと話になりません。そのため、吸入できるようなデバイスと継続できるような指導をすることが重要です。
- 消化性潰瘍治療薬、ピロリ菌の除菌
- 消化性潰瘍治療薬は、攻撃因子と防御因子のバランスが崩れて起こります。また消化性潰瘍の原因の1つにピロリ菌があるため、除菌することが大事になってきます。
- 過敏性腸症候群関連薬、IBSとストレス
- 過敏性腸症候群はIBSと呼ばれ、ストレスなどにより腹痛や腹部不快感が生じます。過敏性腸症候群には便秘型や下痢型などがあり、薬は症状に合わせて使われます。
- 便秘治療薬、腸における原因
- 便秘は腸の動きが悪かったり、水分が不足していることが原因となります。そのため、便秘治療薬は腸の動きを良くしたり、水分を調節することで作用していきます。
- 下痢治療薬、水分が増える原因は?
- 下痢は、何かしらの原因によって腸の中に水分が過剰となっています。下痢治療薬は、これらの原因を抑えることで、過剰な水分を抑えることで効果を発揮します。
- 潰瘍性大腸炎治療薬、クローン病治療薬
- 潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは炎症部位が大腸だけか、口腔から消化管までかです。潰瘍性大腸炎治療薬やクローン病治療薬は抗炎症作用によって効果を示します。
- 制吐薬、抗がん剤による吐き気のメカニズム
- 抗がん剤による吐き気は患者にとって苦痛であり、治療効果にも大きな影響を与えます。制吐薬は嘔吐中枢より手前で抑えることで吐き気を抑えていきます。
- B型肝炎治療薬、増殖には逆転写酵素が関わる。
- B型肝炎の増殖には逆転写酵素が関わります。B型肝炎治療薬の1つに逆転写酵素阻害薬があります。またインターフェロン製剤は間質性肺炎の副作用が有名です。
- C型肝炎治療薬、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は複製を阻害する。
- C型肝炎は治せる病気になってきました。C型肝炎治療薬のうち、直接作用型抗ウイルス薬(DAA;Direct Acting Antiviral)はC型肝炎ウイルスの複製を阻害します。
- 肝性脳症治療薬、アンモニアを減らせ!!
- 肝性脳症は、肝不全などでアンモニアが代謝されず増えてしまうことが原因です。肝性脳症治療薬は増えてしまったアンモニアを減らす薬が使われます。
- 胆石治療薬、コレステロール系胆石を溶かす
- 胆石にはコレステロール系胆石などのいくつか種類があります。胆汁の流れが悪いことが原因となっているため、胆石治療薬は循環をよくすることでコレステロール系胆石を溶かすことができます。
- 膵炎治療薬、トリプシンを阻害せよ。
- 膵臓は、インスリンなどのホルモンだけでなく、トリプシンなどの消化酵素も分泌しています。膵炎治療薬はトリプシンなどのタンパク分解酵素を阻害することで効果を示します。
- 緑内障治療薬、眼房水を減らして眼圧を下げる。
- 緑内障は眼房水などによって、眼圧が上がることが原因となります。緑内障治療薬は、眼房水の排出を増やしたり、産生を抑制することによって、効果を示します。
- 白内障治療薬、水晶体とタンパク質
- 白内障は水晶体のタンパク質が異常変質することが原因と考えられています。白内障治療薬は、白内障の進行を防止するだけなので、根本的な治療には手術が必要です。
- 散瞳薬と縮瞳薬、瞳孔括約筋と瞳孔散大筋
- 縮瞳や散瞳には、瞳孔括約筋と瞳孔散大筋が関わります。同行括約筋にはM3受容体が、瞳孔散大筋にはα1受容体があります。散瞳薬や縮瞳薬はこれらの受容体に作用します。
- 角化症治療薬、角質層を改善せよ!!
- 角化症は、角質層が硬く厚くなることでガサガサになる病気です。肥厚した角質層を改善するには、皮膚のターンオーバーを良くして、保湿していくことが重要であり、角化症治療薬はそのような薬が使われます。
- 褥瘡治療薬、DESIGN-Rを覚えよう
- 褥瘡はDESIGN-Rなどにより評価されます。DESIGN-Rの状態や、急性期や慢性期によって、様々な褥瘡治療薬が使われます。褥瘡治療薬は感染を防いだり、肉芽形成を促進したり、湿度を調節する薬などが使われます。
- 副腎皮質ホルモン、ステロイド外用薬の強さ
- 副腎皮質は球状層、束状層、網状層と3つの層からなります。ステロイド外用薬は強さや基材によって使い分けされます。ストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアムとステロイドの強さがわけれれています。
- 甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症の治療薬、燃えよホルモン!!
- 甲状腺ホルモンは、代謝に関わります。甲状腺機能低下症では代謝が落ちるに対して、甲状腺機能亢進症では代謝が上がります。そのため、治療薬ではこれらを補う薬が使われます。
- 脂質異常症治療薬、LDLとHDLを理解しよう
- LDLは悪玉コレステロール、HDLは善玉コレステロールと呼ばれることがあります。脂質異常症治療薬を理解するには、TGを下げるのか、Choを下げるのかを注目してみましょう。
- 痛風治療薬、尿酸値を下げるには
- 痛風は高尿酸血症が起こり、関節腔内に炎症を生じ、激痛が起こります。痛風治療薬は、発作を抑えるものや、尿酸の生成抑制や排泄促進などをすることにより効果を示します。
- 骨粗鬆症治療薬、破骨細胞と骨芽細胞
- 骨粗鬆症にはカルシウムが関わり、カルシトニン、パラトルモン、活性型ビタミンD3などが調節しています。骨粗鬆症治療薬は、破骨細胞や骨芽細胞に作用します。
- 抗血小板薬、血小板凝集因子と一時止血
- 止血の種類には、血小板血栓とフィブリン血栓があります。血小板血栓は一時止血であり、血小板凝集因子にはTXA2、5-HT2、ADPなどがあります。抗血小板薬はこれらに作用します。
- 抗血栓薬、フィブリン血栓と二次止血
- フィブリン血栓による二次止血は内因系、外因系、共通系などにより起こります。抗血栓薬は、共通系の凝固因子を阻害することにより、抗凝固作用を示します。
- 血栓溶解薬、フィブリンとプラスミン
- プラスミンはフィブリン血栓の溶解に関わります。血栓溶解薬はプラスミノーゲンアクチベーターであり、プラスミンを作ることによって、血栓を溶かしていきます。
- 止血薬、凝固系促進薬、線溶系抑制薬、血管強化薬など
- 止血薬には、止血薬、凝固系促進薬、線溶系抑制薬、血管強化薬などがあります。現場でよく使われる止血薬にはカチーフN(フィトナジオン)、ケイツー(メナテトレノン)、トランサミン(トラネキサム酸)、アドナ(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム)などがあります。
- 貧血治療薬、赤血球の分化
- 貧血は赤血球の分化のどこかの段階で異常が起こります。そのため貧血治療薬は赤血球の分化に必要なものを補充することで作用していく薬が多いです。
- NSAIDs、COXとプロスタグランジン
- 炎症を起こす原因の1つにプロスタグランジンがあります。COXによって、アラキドン酸からプロスタグランジンは作られます。COX-2は炎症などにより酵素活性が上昇します。
- 免疫抑制薬、免疫とヘルパーT細胞の働き
- 免疫が自分の体を誤って攻撃してしまうことがあります。免疫抑制薬は免疫に関わるヘルパーT細胞などを抑制することで免疫抑制作用を示して、攻撃されないようにします。
- 関節リウマチ治療薬、免疫と炎症性サイトカイン
- 関節リウマチは自己免疫疾患でTNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインが関わります。関節リウマチ治療薬は、免疫を抑える薬や、炎症性サイトカインを抑える薬が使われます。
- 抗アレルギー薬、花粉症とヒスタミン
- 花粉症などのアレルギーは、ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのケミカルメディエーターによって引き起こされます。花粉症には抗アレルギー薬が使われます。
- 抗生物質、細菌の細胞壁に作用するもの
- 細菌は細胞壁と細胞質という構造をとります。細菌の細胞壁はペプチドグリカンからできています。細胞壁に作用する抗生物質は、トランスペプチダーゼを抑えたりすることで、ペプチドグリカンの合成を抑えます。
- 抗生物質、タンパク質合成を阻害するもの
- 細菌のタンパク質合成には30Sリボソームと50Sリボソームが関わります。抗生物質のうち、タンパク質合成阻害薬は30Sリボソームや50Sリボソームを阻害することで作用します。
- 抗生物質、ニューキノロン系などその他
- 抗生物質のうちニューキノロン系はDNA合成を阻害することで作用します。また、バクタ(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)は葉酸合成を阻害することで作用します。
- 抗結核薬、多剤併用療法と副作用
- 抗結核薬は耐性菌ができないように、多剤併用療法が行われます。抗結核薬は様々な薬が組み合わされて使われますが、末梢神経炎、視覚障害、難聴などの副作用に注意が必要です。
- 抗真菌薬、エルゴステロールと1,3-β-D-グルカン
- 真菌は細胞膜がエルゴステロール、細胞壁は1,3-β-D-グルカンからなります。抗真菌薬のうち、細胞壁の1,3-β-D-グルカンを攻撃するので有名なのはキャンディン系です。 です。
- AIDS治療薬、HIVの増殖機構
- HIVはRNAウイルスでヒトに寄生してAIDSを発症します。HIVの増殖には逆転写酵素、インテグラーゼ、プロテアーゼなどの酵素が関わり、AIDS治療薬はこれらを阻害することで効果を示します。
- インフルエンザ治療薬、ゾフルーザ(バロキサビル)とmRNA
- インフルエンザが増殖するには、ノイラミニダーゼによって切り離しが必要です。ゾフルーザ(バロキサビル)はmRNAの合成を抑制することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑えます。
- 抗がん剤、アルキル化薬とDNA
- 抗がん剤のアルキル化薬はDNAのうちグアニンにアルキル基をくっつけることで細胞分裂を阻害します。アルキル化薬の代表例にはエンドキサン(シクロホスファミド)があります。
- 抗がん剤、代謝拮抗薬と細胞周期
- 抗がん剤のうち代謝拮抗薬は細胞周期のS期に働くものが多いです。代謝拮抗薬で有名なのが5-FUやTS-1です。5-FUはFOLFILIやFOLFOXなどに使われます。
- 抗がん剤、抗腫瘍抗生物質の作用機序
- 薬理は薬剤師にとって要となる科目です。国家試験でも重要ですし、しっかりまとめることができれば、現場でも大きな力になることは間違えないでしょう。このカテゴリーでは薬理のまとめをしていきます。
- 抗がん剤、抗腫瘍植物アルカロイドと微小管
- 抗腫瘍植物アルカロイドは植物から作られた抗がん剤です。抗腫瘍植物アルカロイドのうち、一部の抗がん剤は微小管に作用することで、がん細胞をやっつけます。
- 抗がん剤、抗腫瘍ホルモン関連薬と乳がんと前立腺がん
- 抗腫瘍ホルモン関連薬は乳がんや前立腺がんに使われる抗がん剤です。乳がんにはエストロゲン、前立腺がんにはアンドロゲンなどの性ホルモンが関わってきます。
- 抗がん剤、白金製剤は輸液に気をつけよう
- 白金製剤はDNAに橋を架けてDNAの複製を阻害する抗がん剤です。白金製剤は腎毒性が出やすいため大量の輸液でハイドレーションをかけます。また吐き気が防止で5-HT3受容体遮断薬を使います。ランダ(シスプラチン)は生理食塩液に混ぜます。
- 受容体総論
- 受容体は存在する場所によって、細胞膜受容体と細胞内受容体にわけられます。細胞膜受容体は、さらにイオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、チロシンキナーゼ関連型受容体にわけられる。
- ED50、LD50とは?安全域から安全性を考える
- 薬を投与し、半分のものに効果が表れる用量をED50と言います。また半分のものが死んでしまう用量をLD50と言います。安全域はLD50/ED50で表され、値が高い方が安全性が高いと言えます。
- 協力作用と拮抗作用、競合的拮抗と非競合的拮抗
- 協力作用には相加作用と相乗作用があります。拮抗作用の中には競合的拮抗と非競合的拮抗があります。競合的拮抗の用量-反応曲線は、効果が100%のまま高濃度側(右側)へ水平移動し、非競合的拮抗は効果が100%より低下した頭打ちのグラフとなります。
- pD2、pA2、pD'2とは?内活性はラブラブ度!!
- 内活性は薬と受容体の相性によって、3つに分けられます。作動薬と拮抗薬の効果に関する指標として、pD2、pA2、pD'2などがあります。pD2、pA2、pD'2とはなんなのかをまとめました。