糖尿病治療薬にはインスリン製剤や内服薬がある。

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糖尿病治療薬、インスリン製剤と内服薬

糖尿病の患者さんはかなりの数いて、テレビでも取り上げられるので患者さんはかなりの関心を持っています。今回は糖尿病の薬をまとめ、いまいちど復習していきます。。

 

 

まず糖尿病に関わる大事なホルモンとして、膵臓のホルモンがあります。

 

膵ホルモン

膵ホルモンは膵ランゲルハンス島から分泌され、以下のようなものがあります。

 

  • グルカゴン;α細胞より分泌。グリコーゲンの分解を促進して、血糖上昇。
  • インスリン;β細胞より分泌。グルコースの細胞内取り込み、グリコーゲンの合成促進などして、血糖低下。その他、トリグリセリド合成やタンパク質合成など。
  • ソマトスタチン;δ細胞より分泌。グルカゴン、インスリン分泌の抑制。

 

これらがうまくバランスを取り合って、血糖値をコントロールしています。

 

糖尿病にはいくつか種類がありますが、そのうち1型糖尿病はβ細胞が壊れてしまい、インスリンが欠乏しています。それに対し、2型糖尿病はインスリンの分泌低下や抵抗性に、食事や運動などの環境要因が加わって起こるとされています。

 

糖尿病治療薬

糖尿病治療薬は、注射薬や内服薬など様々な種類のものがあります。今回は載せていませんが、最近は配合錠なども出てきています。

 

  • インスリン製剤
  • SU剤
  • 即効型インスリン分泌促進薬
  • DPP-4阻害薬
  • GLP-1アナログ
  • チアゾリジン系
  • ビグアナイド系
  • α-グルコシダーゼ阻害薬
  • SGLT2阻害薬
  • 糖尿病性末梢神経障害治療薬

 

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インスリン製剤

ランタス(インスリングラルギン)、レベミル(インスリンデテミル)、トレシーバ(インスリンデグルデク)

 

  • 持効型

 

インスリンの分泌には大きく2つの種類があって、それぞれ基礎分泌追加分泌と呼びます。

 

基礎分泌は少しずつですが、ずーっと分泌され続けているインスリン分泌のことです。

 

追加分泌は、食後の高血糖を抑制するために、毎食後に分泌されるインスリンのことです。

 

 

持効型のインスリンはこれらのうち、基礎分泌を補うために使われます。

 

ノボラピッド(インスリンアスパルト)、ヒューマログ(インスリンリスプロ)、アピドラ(インスリングルリジン)

 

  • 超速効型

 

先ほどのインスリン分泌のうち、超速効型は追加分泌を補うために使われます。超速効型は効果発現が早いため、基本的に食直前に使います。

 

ノボリンR(生合成ヒト中性インスリン)、ヒューマリンR(ヒトインスリン)

 

  • 速効型

 

速効型も追加分泌を補うために使われます。速効型は超速効型よりも効果発現に時間がかかるため、基本的に食前に使います。

 

ノボリンN(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁)、ヒューマリンN(ヒトイソフェンインスリン水性懸濁)、ヒューマログN(中間型ヒトインスリンリスプロ)

 

  • 中間型

 

中間型は主に基礎分泌を補うために使われます。効果発現に1〜2時間くらいかかり、約20時間効果が持続します。

 

ノボラピッド30ミックス(二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁)、ヒューマログミックス25/50(インスリンリスプロ混合製剤)、ノボリン30R/40R/50R(ヒト二相性イソフェンインスリン)、ライゾデグ(インスリン デグルデク/インスリン アスパルト)

 

  • 混合型

 

超速効型や速効型と中間型が混合されたものが混合型です。

 

SU剤

グリミクロン(グリクラジド)、ダオニール(オイグルコン)、アマリール(グリメピリド)

 

  • SU剤

 

β細胞にあるSU受容体に結合します。SU受容体にくっつくと、K+チャネルを閉じ、脱分極が起こります。脱分極が起こるとCa2+チャネルを開き、細胞内のCa2+濃度が高まります。Ca2+の濃度が高まると、インスリンの分泌を促します

 

 

即効型インスリン分泌促進薬

ファスティック(ナテグリニド)、グルファスト(ミチグリニド)、シュアポスト(レパグリニド)

 

  • 即効型インスリン分泌促進薬

 

構造式内にSU剤のような構造は持ちませんが、SU受容体にくっつき、インスリンの分泌を促します。名前にあるように、効果発現が早いため基本的に食直前に使用します。

 

語尾が「〜グリニド」であり、ゴロを使うまでもないですが、「グリグリ促進」と覚えましょう。

 

 

DPP-4阻害薬

ジャヌビア(シダグリプチン)、エクア(ビルダグリプチン)、ネシーナ(アログリプチン)、トラゼンタ(リナグリプチン)、テネリア(テネグリプチン)、スイニー(アナグリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)、ザファテック(トレラグリプチン)、マリゼブ(オマリグリプチン)

 

  • DPP-4阻害薬

 

DPP-4(dipeptidyl peptidase W);ジペプチジルペプチダーゼ4とはなんなのか?それを説明するにあたって、関連するキーワードがもう1つあります。それがインクレチンです。まずインクレチンからみてみます。

 

インクレチンとはいわゆるホルモンの一種です。血糖値が上昇すると主に小腸から分泌されます。インクレチンには、GLP-1(glucagon-like peptide-1);グルカゴン様ペプチド1やGIP(glucose-dependent insulino-tropic polypeptide);グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドなどの種類があります。これらの働きとして、インスリン分泌促進作用グルカゴン濃度低下作用を増強するなどの作用があります。

 

 

良いことばかりのインクレチンですが、これはあるものによって分解されてしまいます。それがDPP-4です。DPP-4阻害薬は、DPP-4を阻害することによってインクレチンの分解を防ぎます。よって先ほどのインクレチンの効果が得られて、血糖コントロールが得られるといったメカニズムになります。

 

 

GLP-1アナログ

ビクトーザ(リラグルチド)、ビデュリオン(エキセナチド)、トルリシティ(デュラグルチド)

 

  • GLP-1アナログ

 

先ほどのDPP-4阻害薬で出てきたGLP-1を人工的に作り出したものです。GLP-1受容体に結合し、血糖依存的にインスリン分泌促進作用やグルカゴン分泌抑制作用を起こします。

 

チアゾリジン系

アクトス(ピオグリタゾン)

 

脂肪細胞は、小型の脂肪細胞が普通ですが、食事や運動不足などにより大型脂肪細胞へとなっていきます。

 

 

小型の脂肪細胞はインスリン抵抗性の改善に効果があるとされているアディポネクチンの分泌を行いますが、大型の脂肪細胞はインスリン抵抗性を増やすTNF-αと呼ばれるものを分泌するとされています。

 

アクトス(ピオグリタゾン)は脂肪細胞のPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)を刺激します。そうすることによって、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進と、大型脂肪細胞のアポトーシスが起こります。

 

その結果、アディポネクチンは増えて、TNF-αは減るので、インスリン抵抗性を改善します。

 

ビグアナイド系

メトグルコ(メトホルミン)

 

  • ビグアナイド系

 

肝での糖新生抑制や、骨格筋への糖の取り込み促進などにより血糖低下作用を示します。

 

 

α-グルコシダーゼ阻害薬

ベイスン(ボグリボース)、グルコバイ(アカルボース)、セイブル(ミグリトール)

 

  • α-グルコシダーゼ阻害薬

 

デンプンは、α-アミラーゼによってマルトース(二糖類)に分解されます。マルトース(二糖類)はさらにα-グルコシダーゼによってブドウ糖に分解され、腸管から吸収されます。

 

 

α-グルコシダーゼ阻害薬は、α-グルコシダーゼなどを阻害することで、腸管からの吸収を遅らせます。食後の高血糖を改善するので、基本的に食直前に使われます。

 

なお、ショ糖(砂糖)もα-グルコシダーゼで分解されるため、低血糖時にはブドウ糖を摂取する必要があります。

 

特徴的な副作用に腹部膨満感や放屁がありますが、これは腸内細菌が腸内に残った二糖類を食べてガスが発生するのが原因の1つと言われています。

 

SGLT2阻害薬

スーグラ(イプラグリフロジン)、フォシーガ(ダパグリフロジン)、ルセフィ(ルセオグリフロジン)、デベルザ(トホグリフロジン)、カナグル(カナグリフロジン)、ジャディアンス(エンパグリフロジン)

 

  • SGLT2阻害薬

 

SGLTは、sodium glucose cotransporterの略で、ナトリウム・グルコース共役輸送体と訳されます。尿が作られ、排泄される過程において、不要なものは排泄され、糖などの必要なものは捨てられないように再吸収されます。その糖の再吸収に関わるのが、近位尿細管にあるSGLTです。

 

 

SGLTにはいくつか種類があり、そのうちの1つがSGLT2です。近位尿細管における糖の再吸収のうち、約90%がSGLT2が関わっていると考えられていて、ここを抑えることで、糖の再吸収が抑えられます。

 

SGLT2阻害薬は、SGLT2を阻害することで、糖の再吸収を抑えて、尿中に糖を排泄させます。

 

 

糖尿病性末梢神経障害治療薬

キネダック(エパルレスタット)

 

  • 糖尿病性末梢神経障害治療薬

 

グルコースは正常であればエネルギーとして利用されます。しかし糖尿病で高血糖状態だと、グルコースはアルドース還元酵素によってソルビトールになります。このソルビトールが神経細胞内にたまり、末梢神経障害の原因となります。

 

 

キネダック(エパルレスタット)はアルドース還元酵素を阻害してソルビトールがたまるのを防ぎます。

 

まとめ

  • 糖尿病は、1型糖尿病や2型糖尿病などの種類がある。
  • 糖尿病治療薬は、インスリン製剤や、内服薬など様々な作用機序のものがある。

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前立腺肥大が起こり、尿道が圧迫されてしまうと、排尿障害などが起こってしまいます。前立腺肥大関連薬は、尿道を拡げることによって、排尿障害などを改善します。
頻尿治療薬、膀胱の排尿筋と受容体
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呼吸興奮薬、末梢性と中枢性
呼吸は、延髄の呼吸中枢で調節されています。呼吸興奮薬には末梢性呼吸興奮薬や中枢性呼吸興奮薬などがあります。またベンゾジアゼピン系やオピオイド受容体拮抗薬などもあります。
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気管支喘息は、気道の炎症が原因です。気管支喘息は、効果ももちろんですが、まず吸入できないと話になりません。そのため、吸入できるようなデバイスと継続できるような指導をすることが重要です。
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免疫が自分の体を誤って攻撃してしまうことがあります。免疫抑制薬は免疫に関わるヘルパーT細胞などを抑制することで免疫抑制作用を示して、攻撃されないようにします。
関節リウマチ治療薬、免疫と炎症性サイトカイン
関節リウマチは自己免疫疾患でTNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインが関わります。関節リウマチ治療薬は、免疫を抑える薬や、炎症性サイトカインを抑える薬が使われます。
抗アレルギー薬、花粉症とヒスタミン
花粉症などのアレルギーは、ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのケミカルメディエーターによって引き起こされます。花粉症には抗アレルギー薬が使われます。
抗生物質、細菌の細胞壁に作用するもの
細菌は細胞壁と細胞質という構造をとります。細菌の細胞壁はペプチドグリカンからできています。細胞壁に作用する抗生物質は、トランスペプチダーゼを抑えたりすることで、ペプチドグリカンの合成を抑えます。
抗生物質、タンパク質合成を阻害するもの
細菌のタンパク質合成には30Sリボソームと50Sリボソームが関わります。抗生物質のうち、タンパク質合成阻害薬は30Sリボソームや50Sリボソームを阻害することで作用します。
抗生物質、ニューキノロン系などその他
抗生物質のうちニューキノロン系はDNA合成を阻害することで作用します。また、バクタ(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)は葉酸合成を阻害することで作用します。
抗結核薬、多剤併用療法と副作用
抗結核薬は耐性菌ができないように、多剤併用療法が行われます。抗結核薬は様々な薬が組み合わされて使われますが、末梢神経炎、視覚障害、難聴などの副作用に注意が必要です。
抗真菌薬、エルゴステロールと1,3-β-D-グルカン
真菌は細胞膜がエルゴステロール、細胞壁は1,3-β-D-グルカンからなります。抗真菌薬のうち、細胞壁の1,3-β-D-グルカンを攻撃するので有名なのはキャンディン系です。 です。
AIDS治療薬、HIVの増殖機構
HIVはRNAウイルスでヒトに寄生してAIDSを発症します。HIVの増殖には逆転写酵素、インテグラーゼ、プロテアーゼなどの酵素が関わり、AIDS治療薬はこれらを阻害することで効果を示します。
インフルエンザ治療薬、ゾフルーザ(バロキサビル)とmRNA
インフルエンザが増殖するには、ノイラミニダーゼによって切り離しが必要です。ゾフルーザ(バロキサビル)はmRNAの合成を抑制することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑えます。
抗がん剤、アルキル化薬とDNA
抗がん剤のアルキル化薬はDNAのうちグアニンにアルキル基をくっつけることで細胞分裂を阻害します。アルキル化薬の代表例にはエンドキサン(シクロホスファミド)があります。
抗がん剤、代謝拮抗薬と細胞周期
抗がん剤のうち代謝拮抗薬は細胞周期のS期に働くものが多いです。代謝拮抗薬で有名なのが5-FUやTS-1です。5-FUはFOLFILIやFOLFOXなどに使われます。
抗がん剤、抗腫瘍抗生物質の作用機序
薬理は薬剤師にとって要となる科目です。国家試験でも重要ですし、しっかりまとめることができれば、現場でも大きな力になることは間違えないでしょう。このカテゴリーでは薬理のまとめをしていきます。
抗がん剤、抗腫瘍植物アルカロイドと微小管
抗腫瘍植物アルカロイドは植物から作られた抗がん剤です。抗腫瘍植物アルカロイドのうち、一部の抗がん剤は微小管に作用することで、がん細胞をやっつけます。
抗がん剤、抗腫瘍ホルモン関連薬と乳がんと前立腺がん
抗腫瘍ホルモン関連薬は乳がんや前立腺がんに使われる抗がん剤です。乳がんにはエストロゲン、前立腺がんにはアンドロゲンなどの性ホルモンが関わってきます。
抗がん剤、白金製剤は輸液に気をつけよう
白金製剤はDNAに橋を架けてDNAの複製を阻害する抗がん剤です。白金製剤は腎毒性が出やすいため大量の輸液でハイドレーションをかけます。また吐き気が防止で5-HT3受容体遮断薬を使います。ランダ(シスプラチン)は生理食塩液に混ぜます。
受容体総論
受容体は存在する場所によって、細胞膜受容体と細胞内受容体にわけられます。細胞膜受容体は、さらにイオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、チロシンキナーゼ関連型受容体にわけられる。
ED50、LD50とは?安全域から安全性を考える
薬を投与し、半分のものに効果が表れる用量をED50と言います。また半分のものが死んでしまう用量をLD50と言います。安全域はLD50/ED50で表され、値が高い方が安全性が高いと言えます。
協力作用と拮抗作用、競合的拮抗と非競合的拮抗
協力作用には相加作用と相乗作用があります。拮抗作用の中には競合的拮抗と非競合的拮抗があります。競合的拮抗の用量-反応曲線は、効果が100%のまま高濃度側(右側)へ水平移動し、非競合的拮抗は効果が100%より低下した頭打ちのグラフとなります。
pD2、pA2、pD'2とは?内活性はラブラブ度!!
内活性は薬と受容体の相性によって、3つに分けられます。作動薬と拮抗薬の効果に関する指標として、pD2、pA2、pD'2などがあります。pD2、pA2、pD'2とはなんなのかをまとめました。

 
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