抗不安薬、ベンゾジアゼピン系の作用時間を覚えよう

抗不安薬、ベンゾジアゼピン系の作用時間を覚えよう

現場で使われる抗不安薬の多くはベンゾジアゼピン系です。ベンゾジアゼピン系は作用時間が異なります。そのため作用時間が切り替えの判断材料になるため、覚えておくと便利です。

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抗不安薬、ベンゾジアゼピン系の作用時間を覚えよう

私はどちらかというと心配性です。ドアの鍵を閉めたか心配になったり、学生の時であればマークシートのマークがずれてないか不安になったり、様々な場面で不安や心配がありました。このようなことがあっても普通でいられれば問題はないのですが、人によってはイライラしたり、動悸や呼吸困難、不眠になったりと生活に支障をきたすレベルまでなってしまうことがあります。その他にも不安症はさらにパニック発作(10分以内にピークに達して一定の時間が過ぎると治まる)を起こすこともあります。

 

 

このような不安を解消するのが、抗不安薬になります。

 

抗不安薬

抗不安薬には主に以下のような種類があります。

 

  • ベンゾジアゼピン系
  • セロトニン5-HT1A受容体刺激薬
  • 抗ヒスタミン薬

 

実際に良く使われるのはベンゾジアゼピン系になります。

 

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ベンゾジアゼピン系

睡眠薬でも良く使われるベンゾジアゼピン系。抗不安の作用機序もGABAA受容体が大きく関わります。GABAA受容体にはCl-チャネルというCl-イオンが通過できるトンネルがあります。

 

 

GABAA受容体には、ベンゾジアゼピン結合部位というのもあって、ベンゾジアゼピン系はそこにくっつきます。

 

ベンゾジアゼピン結合部位にベンゾジアゼピン系がくっつくと、GABAA受容体にGABAがくっつきなりやすくなります。GABAA受容体にGABAがくっつきやすくなると、Cl-チャネルが開きます。Cl-チャネルが開くと、Cl-が通れるようになり、細胞内にCl-がたまります。

 

Cl-イオンがたまると、過分極を起こし、抑制性神経の機能を亢進して不安を減少させると考えられています。

 

病院では、抗不安薬を持参薬として持ってくることがあります。しかし院内採用品に無い場合もあります。そうすると、院内採用医薬品への切り替えなければなりません。なるべく近いものを処方するための1つの判断材料として、作用時間があります。それをもとに提案すればおおむね先生もそれで処方してくれます。

 

  • 短時間型(6時間以内);リーゼ(クロチアゼパム)、デパス(エチゾラム)
  • 中時間型(12〜24時間以内);ワイパックス(ロラゼパム)、ソラナックス(アルプラゾラム)、レキソタン(ブロマゼパム)
  • 長時間型(24時間以上);セルシン(ジアゼパム)、セパゾン(クロキサゾラム)、リボトリール(クロナゼパム)
  • 超長時間型;メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)

 

これらの薬では離脱症状(服薬を中止することでイライラが強く出たり、ひどい場合にはてんかん発作のような常態になる)や反跳現象(急激に薬剤を中止すると使用する前より不安が増強される)が起こることがあります。

 

その他にも筋弛緩作用もあるため、高齢者では転倒などに注意が必要になります。

 

 

セロトニン5-HT1A受容体刺激薬

セディール(タンドスピロン)

 

  • セロトニン5-HT1A受容体刺激薬

 

神経伝達物質の1つであるセロトニンというものがあります。セロトニンはセロトニン受容体(5-HT受容体)にくっつくことで作用し、不安にも関わるとされています。

 

セディール(タンドスピロン)はセロトニン受容体のサブタイプの1つであるセロトニン5-HT1A受容体の刺激薬です。刺激をするということで一見不安を助長するのではないかと思ってしまいますが、セディール(タンドスピロン)の刺激があることで、セロトニンやセロトニン受容体多すぎじゃんと脳が判断して、減らしていきます。すると結果的にセロトニンの活動を抑制して、不安を改善するということになります。

 

 

ややっこしい作用のため、効果発現までに時間がかかる(約2週間程度)ため継続して内服を続けるように指導することが重要です。そして作用機序も異なるので、先ほどまでのベンゾジアゼピン系と比べて依存性や筋弛緩作用などの副作用は少なく安全性が高いのがメリットになります。

 

抗ヒスタミン薬

アタラックス(ヒドロキシジン)

 

  • 抗ヒスタミン薬

 

現場では、一時的な対応として注射液のアタラックスPの方が良く使われます。

 

まとめ

  • 抗不安薬で多く使われるのはベンゾジアゼピン系。
  • ベンゾジアゼピン系は作用時間を覚えることが重要。

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