呼吸興奮薬、末梢性と中枢性

呼吸興奮薬、末梢性と中枢性

呼吸は、延髄の呼吸中枢で調節されています。呼吸興奮薬には末梢性呼吸興奮薬や中枢性呼吸興奮薬などがあります。またベンゾジアゼピン系やオピオイド受容体拮抗薬などもあります。

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呼吸興奮薬、末梢性と中枢性

呼吸の基本、呼吸数と呼吸音でも話したように、私たちは無意識のうちに呼吸を行っています。呼吸を行うことで、酸素と二酸化炭素の交換を行っています。

 

 

そして、呼吸は延髄にある呼吸中枢によって調節されています。もし何らかの原因で呼吸数が低下している場合は、命に係わる緊急事態となります。そのため、呼吸興奮薬などを使い、呼吸状況を回復させます。

 

 

呼吸興奮薬には主に以下のようなものがあります。

 

  • 末梢性呼吸興奮薬
  • 中枢性呼吸興奮薬
  • その他

 

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末梢性呼吸興奮薬

ドプラム(ドキサプラム)

 

  • 化学受容器を介して呼吸中枢を興奮

 

化学受容器はセンサーのようなものであり、末梢化学受容器PaO2やPaCO2を感知しています。例えば低酸素になると、この末梢化学受容器が感知し、それが呼吸中枢に伝えられ、呼吸興奮が起こります。

 

 

ドプラム(ドキサプラム)は、末梢化学受容器を刺激することで、その情報が呼吸中枢に伝えられて、呼吸興奮を起こします。

 

中枢性呼吸興奮薬

テラプチク(ジモルホラミン)

 

  • 直接呼吸中枢を興奮

 

ドプラム(ドキサプラム)に対して、テラプチク(ジモルホラミン)は直接呼吸中枢に働きかけて呼吸興奮を起こします。

 

その他

アネキセート(フルマゼニル)

 

  • ベンゾジアゼピン受容体遮断薬

 

睡眠薬、作用時間の違いでも説明したように、ベンゾジアゼピン系が効きすぎてしまうと呼吸抑制になってしまうことがあります。アネキセート(フルマゼニル)はベンゾジアゼピン系受容体を遮断し、過度の呼吸抑制を改善します。

 

ロルファン(レバロルファン)、ナロキソン(ナロキソン)

 

  • オピオイド受容体での拮抗

 

オピオイド関連薬、痛みと副作用でも説明したように、オピオイドが効きすぎてしまうと呼吸抑制になってしまうことがあります。これらの薬はオピオイド受容体で、オピオイドと拮抗することで、呼吸抑制を改善します。

 

私の経験ですが、とある疼痛コントロールが不良な患者さんがいて、モルヒネを使っていました。本当に疼痛コントロールが難しい人で、先生が増量を指示して数時間後に呼吸抑制になり、意識も飛んだことがありました。すぐさまもとの量に戻しましたが、それでも改善しなかったため、ナロキソン(ナロキソン)を使いました。

 

数時間後、どうにか意識を取り戻し、呼吸も安定し事件は解決されました。その時にナロキソン(ナロキソン)スゲーって思ったことがあります。

 

ちなみにそれ以降、その麻薬の増量を指示した先生は、とても慎重になり、ささいなことでも薬剤師に相談してくれるようになりました。

 

まとめ

  • 呼吸は延髄の呼吸中枢で調節される。
  • 呼吸興奮薬には、末梢性呼吸興奮薬、中枢性呼吸興奮薬などがある。

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