気管支喘息治療薬、まずは吸入できることが大事

気管支喘息治療薬、まずは吸入できることが大事

気管支喘息は、気道の炎症が原因です。気管支喘息は、効果ももちろんですが、まず吸入できないと話になりません。そのため、吸入できるようなデバイスと継続できるような指導をすることが重要です。

Sponsored Link

気管支喘息治療薬、まずは吸入できることが大事

気道をドーナツに例えると、健康な人の気道はドーナツの穴が広く、空気が通りやすいです。それに対して、気管支喘息の患者さんの気道は炎症を起こしていて、ドーナツの穴が狭くなっています。そこにアレルゲンやタバコと言った刺激によってさらに狭くなり、呼吸が苦しくなってしまいます。

 

 

喘息の症状は、咳や痰、息切れ、喘鳴(ヒューヒューやゼイゼイといった音)などがあり、夜間や早朝に起こりやすいです。

 

気管支喘息治療薬

今起きている喘息の発作を抑えることは大事ですが、発作を予防することができれば、そもそも苦しい思いをしなくてすむためもっと大事です。そのため気管支喘息治療薬は、発作治療薬(リリーバー)と、長期管理薬(コントローラー)に大きく分けられます。

 

そして具体的には以下のような薬が使われます。

 

β2受容体刺激薬

サルタノール(サルブタモール)、メプチン(プロカテロール)

 

  • β2受容体刺激

 

気管支平滑筋のβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋が弛緩します。

 

これらの薬は、SABA(short acting inhaled beta 2 agonist)と呼ばれ、先ほどの発作治療薬(リリーバー)に該当します。なお現場でも読みはそのまま「サバ」と言われます。

 

ゴロを使って覚えましょう。

 

  • プロ家庭教師、サバとサルブタを合格

 

 

  • プロ家庭教師;プロカテロール
  • サバ;SABA
  • サルブタ;サルブタモール

 

イメージ作りの物語を。

 

今はやりの家庭教師で、どんなことにも合格させられるプロの家庭教師がいました。その人はなんと人のみならず、サバやサルやブタまでも大学合格させてしまったというお話です。

 

Sponsored Link

Sponsored Link

 

セレベント(サルメテロール)、ホクナリン(ツロブテロール)、スピロペント(クレンブテロール)、オンブレス(インダカテロール)

 

  • β2受容体刺激

 

こちらも同様ですが、SABAより長く効くため、LABA(long acting inhaled beta 2 agonist)と呼ばれ、長期管理薬(コントローラー)に該当します。読みはサバと同じく「ラバ」と現場で言われます。

 

SABAを覚えられれば消去法でLABAも覚えられると思います。他のページでも再三言っていますが、β2の語尾は「〜ェロール」です。

 

キサンチン誘導体

テオドール(テオフィリン)、ネオフィリン(アミノフィリン)

 

  • ホスホジエステラーゼの阻害

 

β2受容体は、Gsタンパク質共役型受容体であり、cAMPが増えると、気管支の弛緩する効果もあがります。

 

しかし、cAMPはホスホジエステラーゼという酵素によって分解されてしまいます。これらのキサンチン誘導体はホスホジエステラーゼを阻害することでcAMPの分解を防ぎます。

 

 

他にも作用がありますが、最終的にはcAMPを増やして気管支を拡張させます。

 

語尾は「〜フィリン」であるため覚えやすいです。

 

抗コリン薬

スピリーバ(チオトロピウム)、シーブリ(グリコピロニウム)、エンクラッセ(ウメクリジニウム)エクリラ(アクリジニウム)

 

  • M3受容体の遮断

 

気管支平滑筋のM3受容体が刺激されると、気管支は収縮してしまいます。これらの薬はM3受容体を遮断することで、気管支を拡張させます。

 

 

これらの薬はLAMA(Long-acting muscarinic antagonist)と呼ばれ、長期管理薬(コントローラー)に該当します。もうおわかりだとは思いますが、読みは「ラマ」です(笑)

 

緑内障や前立腺肥大には禁忌となるため、気をつけましょう。

 

語尾が「〜ィウム」であるため覚えやすいです。

 

副腎皮質ステロイド

キュバール(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)、フルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル)、パルミコート(ブデソニド)、オルベスコ(シクレソニド)、アズマネックス(モメタゾン)

 

  • 抗炎症作用

 

冒頭で気管支喘息は、気道の炎症が原因となっているという話をしました。そのため、ステロイドで炎症を抑えるのはとても理にかなっています。

 

これらの薬はICS(inhaled corticosteroid)と呼ばれ、長期管理薬(コントローラー)に該当します。これは今までのようには読めないので、「アイシーエス」と読まれます。

 

他の吸入薬でも添付文書上、記載されていることもありますが、特にICSは、嗄声やカンジダを防ぐためにも、うがいの指導を忘れてはなりません。

 

 

吸入ステロイド(ICS)+長時間作用型β2受容体刺激薬(LABA)配合剤

アドエア(フルチカゾン+サルメテロール)、シムビコート(ブデソニド+ホルモテロール)、フルティフォーム(フルチカゾン+ホルモテロール)、レルベア(フルチカゾン+ビランテロール)

 

  • ICS+LABA

 

何種類も吸うのは面倒なので、ICSとLABAが混ざっている吸入薬です。吸入する種類は減るものの、それぞれの成分を吸う量を細かく調節できないのが欠点です。

 

長時間作用型抗コリン薬(LAMA)+長時間作用型β2受容体刺激薬(LABA)配合剤

ウルティブロ(グリコピロニウム+インダカテロール)、アノーロ(ウメクリジニウム+ビランテロール)、スピオルト(チオトロピウム+アロダテロール)

 

何種類も吸うのは面倒なので、LAMAとLABAが混ざっている吸入薬です。かなり強力に気管支を拡張してくれます。

 

吸入薬は、効果はもちろん大事ですが、まず吸えることが大事だと私は考えています。特に理解度の低いお年寄りに複雑な手技の吸入薬は難しいのです。また力不足で手で押せずに使えないということもあります。最近のデバイスはだいぶ手技が簡単なものが増えてきています。私はアノーロ(ウメクリジニウム+ビランテロール)のデバイスはわかりやすくていいと思っています。

 

 

また患者の一部は調子がよくなると、長期管理薬(コントローラー)を勝手に中断することがあります。勝手にやめる患者になるかどうかは、特に初回の指導が大事だと私は考えています。初回は手技等伝えることが多いですが、自己判断でやめないように伝えることも忘れないようにしましょう。

 

抗アレルギー薬

インタール(クロモグリク酸)、リザベン(トラニラスト)、オノン(プランルカスト)、キプレス(モンテルカスト)、ベガ(オザグレル)、ブロニカ(セラトロダスト)、アイピーディ(スプラタスト)

 

  • 抗アレルギー薬

 

ここでは割愛しますが、刺激物による気管支の収縮を抑制します。

 

まとめ

  • 気管支喘息は、気道の炎症が原因。
  • 吸入薬は、吸入できること、長期管理薬(コントローラー)は自己判断で中止させないことが大事。

就職や転職でお悩みの方はコチラ!私はここで年収120万円上がりました

Sponsored Link