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薬をたくさん投与すると基本的には効果が強く出ます。これは普段から何かしら薬を飲んで経験されているかと思います。では薬をたくさん投与しすぎるとどうなるでしょうか?
これも皆さんイメージできると思いますが、薬を多く投与しすぎてしまうと、命に関わってきます。例えば、「基準の10倍の量を投与してしまい、死亡してしまった」などのニュースをたまに見ることがあるかと思います。
薬は諸刃の剣であり、時には毒にもなってしまうのです。どこまでが薬として効いて、どこからが毒なのでしょうか?
先ほどの薬の投与する話をグラフ化したものを用量-反応曲線と言います。
横軸には薬の用量の対数を取り、縦軸には効果を取ると、S字状の曲線が描かれます。
この用量-反応曲線を用いて、動物などの試験は行われます。
例えばマウスが10匹いたとしましょう。そのマウスたちに、ある麻酔薬を投与しました。しかし量が足りず、どのマウスも眠りませんでした。
そこで、薬の量を10倍に増やしました。そうすると、10匹のうち半分の5匹は眠りました。
さらに薬を先ほどの10倍、つまり最初の100倍に増やしました。そうすると、10匹全員眠りました。
マウスはすでに眠っていますが、このまま量を増やし続けたらどうなるでしょうか?
薬を先ほどの100倍、つまり最初の10000倍に増やしました。そうすると、10匹のうち5匹が死んでしまいました。
さらに薬を先ほどの10倍、つまり最初の100000倍に増やすと、10匹全員死んでしまいました。
これが冒頭でお話しした、医療事故などのニュースの話となります。薬は有効量を通り越して、中毒量に、さらには致死量になってしまうのです。
先ほどのマウスの実験の例で、10匹中5匹、つまり全体の半分に効果が出た時の用量をED50と呼びます。
ED50はEffective dose 50%の略であり、50%有効量と訳されます。
同様に、有効量を過ぎると中毒量となり、さらに致死量となり死んでしまうマウスが出てきます。ED50と同じく全体の半分が死んでしまう用量のことをLD50と呼びます。
LD50はLethal dose 50%の略であり、50%致死量と訳されます。
用量-反応曲線では、有効量の領域に入った後に、致死量の領域に入っていきます。用量-反応曲線のグラフを見ると、有効量と致死量が離れていれば離れているほど安全な薬であると言えます。
LD50/ED50のことを安全域と呼び、薬がどれくらい安全なのかがわかります。
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先ほどのマウスの麻酔薬の例を再度出しましょう。
麻酔薬AではED50が10、LD50が10000でした。それに対して麻酔薬BではED50が10、LD50が100000でした。どちらが安全でしょうか?
それぞれの安全域は、麻酔薬Aでは1000、麻酔薬Bでは10000となります。
さらにそれぞれの用量-反応曲線を比べてみます。比べてみてもらえれば一目瞭然、麻酔薬Bの方が、致死量に入るまでの距離があり安全であることがわかります。
安全域は値が大きいほど安全性があると言うことができます。
ここで安全域のゴロを紹介しようと思います。
他ページのように、イメージづくりの物語を。
ある日、電球を取り換えようと思っていたところ、CMで「LEDは安全で地球にやさしい」とやっていたので、ついついLEDを買ってしまいましたとさ。
LEDって長持ちするらしいですけど、高いですよね・・・皆さんのお家はLEDでしょうか?ちなみに私の家は普通の電球です(笑)
・・・まぁそれはともかく、このような形で薬の安全性を知ることが出来るのです。