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前回の抗がん剤、抗腫瘍抗生物質の作用機序に続き、今回は抗腫瘍植物アルカロイドをまとめていきます。抗腫瘍植物アルカロイドは植物から抽出された成分を応用して作られた抗がん剤です。
代表的な薬には以下のようなものがあります。
細胞分裂が行われるにはDNAの複製が必要になります。複製したDNAを2つの細胞にわけるのが微小管になります。
微小管が集まることを重合すると言い、重合した微小管によってDNAが引き寄せられ、細胞分裂が進んでいきます。
これらの薬は微小管の重合を阻害して、細胞分裂を阻害します。
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先ほどの微小管の重合の後は、重合が解除されることで細胞分裂が進んでいきます。
いわゆるタキサン系と呼ばれるこれらの薬は、先ほどの薬とは逆に重合を安定化させます。安定化させることで重合が解除されるのを阻害します。重合の解除が阻害されることで、その先へ進めなくなってしまうため、がん細胞は死んでしまいます。
タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)は溶解液にエタノールを含むため、アルコールに弱い人は注意が必要です。前の病院で外来化学療法やった人で、酔っ払ってしまった人がいました(笑)
DNAを合成する時には、二重らせん構造の分解が必要になります。その二重らせん構造を分解には、切断と再結合が必要です。
この切断と再結合を行う酵素がトポイソメラーゼTです。トポイソメラーゼTは1本鎖DNAを担当します。
カンプト(イリノテカン)はトポイソメラーゼTを阻害することでDNAの合成を阻害します。
カンプト(イリノテカン)はFOLFILIのレジメンで使われ、とても有名な薬です。カンプト(イリノテカン)下痢が特徴的な副作用です。「イリノテカンはゲリノテカン」と覚えましょう。多分、勢いで覚えられるはず・・・(笑)
先ほどのトポイソメラーゼTは1本鎖DNAを担当していましたが、トポイソメラーゼUは2本鎖DNAを担当します。
これらの薬はトポイソメラーゼUを阻害します。