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前回まで食品の変質について見てきました。今回は食品の変色や発がん性物質などを見ていきます。
食品の変色は大きく2つにわけられます。
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りんごやバナナの皮をむいたあとにしばらく放置すると、色が変わるかと思います。これは、これらの食品中に含まれる酵素によりメラニン色素ができるからです。
これらの食品に含まれるポリフェノールオキシダーゼと呼ばれる酵素によって、オルトジフェノール類(代表例、カテキン類など)が酸化されます。酸化が起こるとオルトジフェノール類は、オルトキノン体となり、さらに重合が起こりメラニン色素が生成します。メラニン色素はよく女性が気にされていて、有名な物質なので皆さんご存じかと思います。
このように酵素によって変色が起こることを酵素的褐変現象と呼びます。
先ほどの酵素的褐変現象に対して、こちらの非酵素的褐変現象は、酵素によらない変色がおこります。非酵素的褐変現象の代表例にはメイラード反応があります。
メイラード反応は、還元糖がアミノ酸のアミノ基と反応してシッフ塩基というものを作ります。さらに反応が進みメラノイジンが生成して変色を起こします。
メイラード反応と言えば、高カロリー輸液です。高カロリー輸液の輸液バッグの部屋が糖の部屋とアミノ酸の部屋に分けられていて、直前に部屋を開通して液体を混ぜ合わせて投与するものもあります。これはまさに、メイラード反応を起こさないようにする製剤上の工夫です。メイラード反応が起こると色の変化だけでなく、必須アミノ酸のリジンの含有量の低下、HbA1cの生成などが起こる可能性があります。
その他にもじゃがいもを高温で揚げてフライドポテトやポテトチップスにすると、メイラード反応が起こりアクリルアミドと呼ばれる物質を作ります。アクリルアミドは神経毒や発がん性があると言われています。フライドポテトやポテトチップスおいしくて、やめられない、とまらないなんですけどね(笑)
さきほどのポテチの他にも食品由来の発がん性物質があります。
焼き肉などで、焦げたところは食べない方がいいという話を聞いたことがあるかと思います。その原因の1つがヘテロサイクリックアミンです。
食品中のアミノ酸が加熱されることによってできるのが、ヘテロサイクリックアミンで、トリプトファン由来のTrp-P-1やTrp-P-2、グルタミン酸由来のGlu-P-1やGlu-P-2などがあります。
発色剤などに含まれる亜硝酸と、魚卵などに含まれる第二級アミンが酸性下で反応を起こすとニトロソアミンという物質を作ります。ニトロソアミンはさらに反応が進むと発がん性物質となります。