タンパク質の消化、吸収、代謝

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タンパク質の消化、吸収、代謝

前回の脂質の消化、吸収、代謝では脂質について見ていきました。今回は五大栄養素のタンパク質を見ていきます。タンパク質は主に肉や卵などに含まれ、体を作るのに必要です。

 

 

タンパク質の前にまずアミノ酸を見ていきます。

 

アミノ酸

アミノ酸は、炭素、水素、酸素、窒素の原子からなり、基本的にアミノ基、水素、カルボキシ基を持ちます。最後の一か所の側鎖が様々な形をとり、これをRと略して表記すると以下のようにあらわされます。

 

 

このRによって様々な性質を示し、一般的にアミノ酸は20種類存在します。

 

これらのアミノ酸のアミノ基とカルボキシ基がペプチド結合によりつながることでタンパク質は作られていきます。

 

ケト原性アミノ酸

アミノ酸は冒頭でも話したように、タンパク質合成に再度使われ体を作ったりします。しかし一部は、グルコースやアセチルCoAとなりエネルギー源としても使われます。グルコースを作るものを糖原性アミノ酸、アセチルCoAからケトン体を作るものをケト原性アミノ酸と言います。

 

 

ケト原性アミノ酸はいくつかあるのですが、国家試験的に抑えるべきはロイシンとリシンです。なぜなら、ロイシンとリシン以外の残りのアミノ酸は糖原性アミノ酸となるからです。つまり、ロイシンとリシン以外のアミノ酸は、糖原性アミノ酸だけの性質、もしくは糖原性アミノ酸とケト原性アミノ酸両方の性質を持っていると言えます。国家試験は選択肢問題なので、選択肢の関係上どうしても「ケト原性アミノ酸を選べ」みたいな形にならざるをえない背景があります。

 

ケト原性アミノ酸の覚え方は、言うまでもなくロリです(笑)

 

タンパク質の消化、吸収

タンパク質の消化は、ペプチド結合を切断してアミノ酸にばらしていくことになります。私たちが肉などのタンパク質を食べると、まず胃酸で酵素が働きやすくされます。次に酵素が働きアミノ酸へとばらされていきます。この時ペプチド結合はまず内部からおおまかに切り出され、最後に1つずつペプチド結合を切っていきます。

 

内部からおおまかにペプチド結合を切るものをエンドペプチダーゼと呼び代表例には胃から出てくるペプシンがあります。エンドペプチダーゼに対して、最後に1つずつペプチド結合を切っていくものをエキソペプチダーゼと呼びます。

 

アミノ酸までばらされたら、小腸粘膜細胞から吸収されていきます。

 

グルコース・アラニン回路

先ほど糖原性アミノ酸の話をしましたが、空腹時には筋肉のタンパク質が分解されてまでエネルギー源を得ようとする反応が起こります。これをグルコース・アラニン回路と呼びます。

 

筋肉から分解されたタンパク質はアミノ酸となります。このアミノ酸のアミノ基が、トランスアミナーゼという酵素(補酵素はピリドキサールリン酸;ビタミンB6)によってピルビン酸に受け渡されアラニンとなります。できたアラニンは肝臓へ運ばれ再度ピルビン酸に変換されます。このピルビン酸は糖新生によって、グルコースとなりエネルギー源として使われます。

 

 

ピルビン酸を作る時にアラニンにあったアミノ基は2-オキソグルタル酸に受け渡されグルタミン酸を生じます。できたグルタミン酸はアンモニアを作り、次の尿素回路へと入っていきます。

 

尿素回路

アミノ酸はアミノ基を持つため、必ずN(窒素)が存在します。先ほどのグルコース・アラニン回路などから、アミノ基よりアンモニアが作られます。アンモニアは細胞にとって有毒であり、肝性脳症などを引き起こしたりします。

 

このアンモニアを無毒化するものが尿素回路と呼ばれるものです。ここでは詳しい反応は割愛しますが、アンモニアは尿素に変換されて尿中排泄されることで無毒化しています。

 

まとめ

  • アミノ酸はアミノ基、水素、カルボキシ基を持つ
  • ケト原性アミノ酸のみの性質を示すのは、ロイシンとリシン
  • 空腹時には、グルコース・アラニン回路が働き、グルコースが作られる。
  • 尿素回路は有毒なアンモニアを尿素に変換する。

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