ダイオキシン類、シアン、アスベストの毒性

ダイオキシン類、シアン、アスベストの毒性

日本ではダイオキシン類は魚介からの摂取が多いです。シアンの毒性はシトクロムcオキシダーゼを阻害することです。アスベストの毒性は肺がん、悪性中皮腫、石綿肺などの原因となります。

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ダイオキシン類、シアン、アスベストの毒性

前回の農薬の毒性、構造式もひもづけて覚えよう。では農薬の毒性について見てきました。今回はそれ以外の化学物質の毒性について見ていきたいと思います。今回見ていく物質は以下の3つです。

 

 

  • ダイオキシン類
  • シアン
  • アスベスト

 

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ダイオキシン類

ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾ-P-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)のことを指します。「塩化」と名前に入っていることからわかるように、構造式内に塩素(クロル)を持ちます。前回の農薬で塩素が入っていると、脂溶性が高く、分解されにくいというお話をしました。ダイオキシン類も同様の性質を持ち、その毒性は発癌性や催奇形性などがあります。

 

ダイオキシン類が発生する大部分の原因が一般ごみ焼却施設によるものです。しかし十分な酸素がある条件下、800℃以上の高熱でごみを焼却することでダイオキシン類の生成を防ぐことができると言われています。

 

ダイオキシン類の発生原因がごみの焼却だと大気から摂取しているかと思いがちですが、日本の摂取量ではダイオキシン類を摂取した魚介類をヒトが食べることによるものが多いとされています。

 

 

シアン

シアン(CN-)はシアン化カリウム、シアン化ナトリウムなどの化合物として、メッキなどに使われます。その毒性は電子伝達系のシトクロムcオキシダーゼの3価鉄と結合して、シトクロムcオキシダーゼを阻害します。その結果、細胞内呼吸が阻害されます。

 

シアンの解毒法は大きく2つあります。

 

  1. 亜硝酸アミル、亜硝酸ナトリウム
  2. チオ硫酸ナトリウム

 

 

まず1ですが、亜硝酸アミル、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸を投与することで、ヘモグロビン(Fe2+)がメトヘモグロビン(Fe3+)となります。シアンはFe3+にくっつくという性質があったため、メトヘモグロビンのFe3+とくっつきます。このようにシトクロムcオキシダーゼの代わりにメトヘモグロビンがおとりとなってシアンにくっついてくれます。

 

次に2ですが、チオ硫酸ナトリウムをいれることによって、シアンがチオシアン酸イオン(SCN-)となります。チオシアン酸イオンとなると無毒となります。

 

アスベスト

アスベストは無機ケイ素化合物からなり、保温、吸音、耐熱などの目的で建物に使われていました。しかし繊維が細く飛散して吸入することが問題となり、その毒性は肺がん、悪性中皮腫、石綿肺などがあります。これらの毒性があるため、現在アスベストは原則使用禁止となっています。

 

まとめ

  • 日本ではダイオキシン類は魚介類からの摂取が多い。
  • シアンはシトクロムcオキシダーゼを阻害する。
  • アスベストは肺がん、悪性中皮腫、石綿肺などの原因となる。

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