二次発癌物質は活性本体と関連酵素と官能基のNの数が重要。

二次発癌物質は活性本体と関連酵素と官能基のNの数が重要。

二次発癌物質は生体内で代謝を受けて生じる発がん性物質のことを言います。二次発癌物質をおさえる上で、活性本体と関連酵素と官能基のNの数が重要となります。

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二次発癌物質は活性本体と関連酵素と官能基のNの数が重要。

P450の第T相反応、酸化と還元の代表例で、二次発癌物質について軽く触れました。二次発癌物質は生体内で代謝を受けて生じる発がん性物質を言いました。これらの発がん性物質はDNAを化学修飾したりして発がん性を示します。今回は二次発癌物質について見ていきたいと思います。

 

 

ちなみに二次発癌物質に対して、一次発癌物質は代謝を受けず未変化体のままで発がん性を示します。代表例にはマスタードガスやナイトロジェンマスタードがあります。

 

二次発癌物質

国家試験的に二次発癌物質を抑える上で大事なことが大きく3つあります。

 

  • 活性本体
  • 関連酵素
  • Nの数

 

二次発癌物質は、生体内で代謝を受けて発がん性を生じます。つまりもとの物質が、関連酵素によって、発がん性を示す活性本体ができます。その活性本体と関連酵素を決めるのが、官能基のNの数となります。まずこの図を叩き込んでください。

 

 

よくわからないと思うので、それぞれのNの数に分けて各論を見た後に、またこの図を見てみてください。

 

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N;0個

このグループは、P450やエポキシドヒドロラーゼなどの関連酵素が関わり、活性本体であるエポキシドが生じます。代表例にはベンゾ[a]ピレン、アフラトキシンB1などがあります。

 

 

ベンゾ[a]ピレンを見てみると、P450がエポキシ化して発がん性が上がりますが、エポキシドヒドロラーゼにより加水分解され発がん性が下がります。しかし、再びP450でエポキシ化されエポキシドを生じて発がん性が上がり、DNAを化学修飾します。

 

N;1個

このグループは、P450や「〜トランスフェラーゼ」などの関連酵素が関わり、活性本体であるヒドロキシルアミンエステル、ニトレニウムイオン、カルボニウムイオンなどが生じます。代表例には2-ナフチルアミン、2-アセチルアミノフルオレン、ヘテロサイクリックアミンなどがあります。

 

代表例を覚えるポイントとしては、名前に「〜アミン、〜アミノ」と入っていることです。

 

 

2-ナフチルアミンを見てみると、P450により水酸化が起こります。次にアセチルトランスフェラーゼが関わり生じた物質がDNAを化学修飾します。

 

N;2個

このグループは、P450やβ-グルコシダーゼなどの関連酵素が関わり、活性本体であるアルキルジアゾヒドロキシド(メチルカチオン)が生じます。代表例にはジメチルニトロソアミン、サイカシンなどがあります。

 

代表例をしっかり抑えないとN1個と混同してしまうため注意が必要です。こちらは、ジメチル「ニトロソ」「アミン」であり、ニトロソ、アミンとN2つであることを意識しましょう。

 

 

サイカシンについては構造式内にN=Nを持つためN2つです。残念ながらこれは完全にクソ暗記しかないですね。β-グルコシダーゼによる加水分解などを受け最終的にメチルカチオンが生じてDNAを化学修飾します。

 

まとめ

  • 二次発癌物質は生体内で代謝を受けて生じる発がん性物質
  • 二次発癌物質は活性本体と関連酵素と官能基のNの数が重要。

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