Atwater係数、呼吸商、窒素係数、食事誘発性熱産生、基礎代謝量のまとめ

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エネルギーの収支。Atwater係数、呼吸商、窒素係数、食事誘発性熱産生、基礎代謝量

肥満は現代人にとって大きな問題となり、テレビや雑誌ではダイエットに関する特集が組まれるなど多くの人が関心を寄せています。今回は代謝について見ていきたいと思います。

 

 

まず太る原因は単純明快です。消費するエネルギー以上に、エネルギーを取り込んでしまうからです。これらのバランスに関わる項目を見ていきます。

 

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Atwater係数

まず栄養素がどれくらいエネルギーを持つのかを調べる方法には大きく2つあります。

 

  • 物理的燃焼値;酸素存在下で完全燃焼させたときの発熱量
  • 生物的燃焼値;個々の栄養素1gを摂取したときに実際利用できるエネルギー。物理的燃焼値に消化吸収率を乗じたもの。

 

物理的燃焼値は試験管で燃やして生じたエネルギー、生物的燃焼値は生体が実際に生態が利用できるエネルギーとなり、以下のようなイメージとなります。

 

 

生物的燃焼値のように、個々の栄養素1gを摂取したときに、実際に生態で使われるエネルギー量の平均的な数値として求められたものがAtwater係数と呼ばれるものです。Atwater係数では、

 

 

となります。Atwater係数からもわかるように脂質は糖質、タンパク質に比べて倍以上のエネルギーを持っています。そのため、やせるには脂質を控えなさいという話になるわけです。

 

呼吸商

糖質が取り込まれ代謝される化学反応式は以下のようになります。

 

  • C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O

 

呼吸商は、CO2排出量をO2消費量で除した容積比で表されます。先ほどの化学反応式を見ると、O2とCO2の係数を見ると、両方とも6です。つまり糖質の呼吸商は

 

呼吸商=CO2/O2=6/6=1.0となります。タンパク質と脂質は割愛しますが、同様に呼吸商を求めるとタンパク質は0.8、脂質は0.71となります。

 

呼吸商のうち、タンパク質以外の燃焼で排出したCO2量と消費したO2量から、非タンパク質呼吸商を求めることができます。この非タンパク質呼吸商が1に近ければ糖質が、0.71に近ければ脂質がエネルギー源として使われていることが推測できます。

 

窒素係数

体内で燃焼されたタンパク質の窒素成分は尿中排泄されます。タンパク質は構造式に窒素を含み、その平均窒素量は16%です。

 

つまり、尿中に排泄される窒素量に100/16(窒素係数)をかけるとタンパク質量を推定できます。

 

 

食事誘発性熱産生

食事をすると、体がポカポカすることがあるかと思います。その原因の1つに食事誘発性熱産生があります。食事誘発性熱産生は食事をとると、代謝が亢進する現象を言います。

 

糖質、タンパク質、脂質の中で、食事誘発性熱産生が一番大きいのはタンパク質です。これは尿素回路を亢進させようとするからです。

 

基礎代謝量

基礎代謝量は生きていくための必要最低限のエネルギー代謝量を言います。基礎代謝量は、この定義からも推測できるように、早朝空腹時に快適な室内において安静仰臥位で測定され、以下の式で表されます。

 

  • 基礎代謝量(kcal/日)=基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×体重(kg)

 

やせやすい人とやせにくい人がいるように基礎代謝量は個人差があります。基礎代謝に影響を与えるものには以下のようなものがあります。

 

  • 体表面積、体重;基礎代謝量は同性、同年齢なら体表面積や体重に比例
  • 年齢;基礎代謝量は男女ともに10代で最大。基礎代謝基準値は男女とも1〜2歳で最大。
  • 性別;同年齢であれば男性の方が大きい。

 

 

まとめ

  • 肥満を改善するにはエネルギーの収支が大事。
  • エネルギーの収支に関わるものには、Atwater係数、呼吸商、窒素係数、食事誘発性熱産生、基礎代謝量などがある

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