![ミネラルの作用と欠乏症](../img/header.jpg)
Sponsored Link
前回のビタミンの作用と欠乏症、過剰症ではビタミンをまとめました。いよいよ五大栄養素の最後のミネラルを今回見ていきます。ミネラルもビタミンと同じく体の生理機能などに関わります。
ミネラルは多くの種類がありますが、その中でも特に必要なものを必須元素と呼びます。そして必須ではありますが微量でよいものを必須微量元素と呼びます。
必須元素には以下のようなものがあります。
ナトリウム(Na)は食塩など多くの食品に含まれています。
ナトリウムは血液中などに存在し浸透圧の維持や血圧に関わります。詳しくは別ページ、ナトリウムと水分の関係にまとめているので、よければ見てください。
塩素(Cl)もナトリウム同様、食塩など多くの食品に含まれています。
塩素は浸透圧やアニオンギャップなどの血液のpHに関わります。
カルシウム(Ca)は、豆腐や牛乳などの食品に含まれています。
カルシウムのほとんどが骨や歯に存在しています。残りのわずかなものが細胞や血漿などに存在しています。カルシウムの吸収促進因子にはカゼインホスホペプチド、吸収阻害因子にはフィチン酸やシュウ酸などがあります。
マグネシウム(Mg)は乾燥わかめなどの食品に含まれています。
マグネシウムは骨や歯にも含まれていますが、何より多くの酵素反応の補酵素として働きます。わかめもそうですが、葉緑素(クロロフィル)にマグネシウムは含まれています。
リン(P)はしらすなどの食品に含まれています。
リンは骨や歯に大部分が存在しています。カルシウムとバランスを保っていてリンを過剰摂取するとカルシウムの吸収が阻害されます。
カリウム(K)はバナナなどの野菜や果物に多く含まれています。
カリウムは細胞内に存在し、神経や筋肉の動きなどに関わります。ナトリウムとともに大事なイオンの一つです。これも別ページ、カリウムは数値だけでなく、心電図も見ようでまとめているので、良ければ見てください。
硫黄(S)は牛肉などに含まれています。
硫黄はメチオニン、システインなどのアミノ酸の構成成分となったり、髪の毛などにも入っています。
必須微量元素には以下のようなものがあります。
鉄(Fe)はレバーなどに多く含まれています。
鉄はヘモグロビンなどに関わるため、鉄が欠乏すると貧血などを起こします。鉄のうち、非ヘム鉄はビタミンCなどの還元剤によってFe3+からFe2+に還元され吸収が促進されます。
銅(Cu)はココアなどに多く含まれています。
銅はヘム合成に関わるため、銅が欠乏すると貧血を起こします。
マンガン(Mn)はれんこんなどに多く含まれています。
マンガンは糖新生に関わるピルビン酸カルボキシラーゼ、抗活性酸素作用をしめすスーパーオキシドジスムターゼなどに重要です。
亜鉛(Zn)はかきなどに多く含まれています。
亜鉛は欠乏すると味覚異常を起こすため、亜鉛補充にプロマックが有名です。
モリブデン(Mo)は豆腐などに多く含まれています。
モリブデンはプリン体代謝に重要なキサンチンオキシダーゼに関わります。
セレン(Se)は魚介類に多く含まれています。
セレンは過酸化物質を分解する作用をもつグルタチオンペルオキシダーゼに重要です。
コバルト(Co)はしじみなどに多く含まれています。
コバルトはビタミンB12の構成成分です。ビタミンB12が欠乏すると貧血を起こしやすくなります。
ヨウ素(I)はのりなどに多く含まれています。
ヨウ素はチロキシンやトリヨードチロニンなどの甲状腺ホルモンの構成成分となります。そのためヨウ素が欠乏すると甲状腺機能低下症、過剰となると甲状腺機能亢進症の原因となることがあります。
クロム(Cr)はひじきなどに多く含まれています。
クロムはインスリンの働きを助けるため、糖代謝に関わります。