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前回の異物の代謝とCYPでは、CYPについて見てきました。今回はCYPの第T相反応の代表例について、より細かく見ていきたいと思います。第T相反応は、酸化、還元、加水分解などに関わるのでしたね。
酸化の種類も色々とあり、以下のような反応が代表例です。
炭素鎖についているアルキル基のうち、P450によりω位、ω-1位の酸化が起こります。ちなみにω位とは一番端っこ、ω-1位は一番端っこから2番目を指します。
このほかにもアリル位やベンジル位の酸化がP450により起こります。こちらもアリル位とは二重結合のとなりの炭素、ベンジル位はベンゼン環のとなりの炭素を指します。
酸素、窒素、硫黄などにつくメチル基やエチル基のα位がP450により酸化されやすく、水酸化体を作ります。しかしα位が水酸化されたものは不安定であり、脱アルキル化を起こしやすいです。最終的に脱アルキル化を起こしたアルキル基と同じ炭素数のアルデヒドができます。
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ベンゾ[a]ピレンを代表とする二重結合のあるものは、P450によりエポキシ化されエポキシドができます。このエポキシドにさらに反応が進んだものは発がん性があると言われています。
この反応のように生体内で代謝を受けて生じる発がん物質を二次発癌物質と呼び、他にもスチレン、塩化ビニル、アフラトキシンなどがあります。ゴロとして
イメージ作りの物語を。スッチー(スチュワーデス)が先輩のスッチーにいじめられて、便所でぴえんしていました。やけくそになり、塩化ビニール製のアフロをつけてはっちゃけたという話です。今はCA(キャビンアテンダント)と呼ばれるため、もはやスッチーが死語ですよね。ぴえん(笑)
パラチオンのP=SがP450により酸化されて、P=Oとなりパラオキソンとなります。パラチオンは有機リン系殺虫剤であり、パラオキソンになると毒性が増します。
アミンのうち、特に第一級アミンがP450に酸化されやすいです。第二級アミンの酸化にもCYPは少し関わります。なお第三級アミンのメインはFMO(フラビンモノオキシゲナーゼ)となり、イメージとしては以下のようになります。
これも覚え方としては、英語の文字数つながりで覚えましょう。P450は、Pの1文字だけなので第一級アミン、FMOは3文字なので第三級アミンとなります。
P450の還元の代表例は四塩化炭素です。四塩化炭素がトリクロロメチルラジカルとなり肝障害を起こすと言われています。
これも「か」を印象付けて覚えましょう。四塩「化」炭素がトリクロロメチルラジ「カ」ルとなり、「か」んしょうがいです。