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前回のメチル水銀、カドミウム、ヒ素、クロム、スズ、鉛の毒性では重金属の毒性を見てきました。重金属はヒトに毒性を与えることがありますが、一部の重金属に対してヒトは防御機構を持っています。今回は毒性物質に対するヒトの防御機構を見ていきたいと思います。
今回見ていくのは大きく2つです。
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メタロチオネインは金属にくっつく性質を持つタンパク質です。名前に「チオ」とついていることからもイメージできるように硫黄を持ちます。そしてその硫黄は構成アミノ酸はシステイン由来のもので、システインのSH基が金属結合に関わります。さらにシステインを持つため、メタロチオネインは金属結合だけでなく、抗酸化作用も持ちます。
メタロチオネインは無機水銀、カドミウム、亜鉛、銅、銀などの金属元素によって遺伝子発現が誘導されます。
メタロチオネインは名前に「メタロ(メタル)」「チオ(システイン)」があるため比較的覚えやすいかと思います。
スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素は活性酸素の分解に関わります。活性酸素は酸化力が強く、脂質の変敗、酸価、ヨウ素価、過酸化物価、チオバルビツール酸試験値、カルボニル価の覚え方で学んだような過酸化脂質を作ります。そして過酸化脂質などは動脈硬化や老化、発癌などの原因になると言われています。
活性酸素は生体内で生成されていて、O2-(スーパーオキシド)、H2O2、・OH(ヒドロキシラジカル)、1O2(一重項酸素)などの種類があります。
これらの活性酸素の分解に関わる酵素の作用は以下の通りになっています。