ATPと解糖系の概要

ATPと解糖系の概要

ATPはリン酸結合をもつため、高エネルギーです。解糖系ではグルコースからピルビン酸が作られ、嫌気的条件下か好気的条件下でその後の反応が異なります。

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ATPと解糖系の概要

前回の糖質の消化、吸収、代謝では糖質の代謝などを見ました。その時に割愛しましたが、今回は解糖系を見ていきたいと思います。

 

 

ATP

ATP(アデノシン三リン酸)はその名の通り、アデノシンにリン酸が3つくっついたものです。リン酸どうしはリン酸結合2つでつながっています。リン酸結合はリン酸基がマイナス同士で反発するので高エネルギーです。よってATPは高エネルギー化合物として生体で重要な働きをします。ATPは体温調節の熱や筋肉収縮だけでなく、様々な生体に必要な物質の生合成などに使われます。

 

 

ちなみにATPのように、リン酸化化合物を作るには、電子伝達系でADP(アデノシン二リン酸)にリン酸がくっつく酸化的リン酸化と、基質に結合しているリン酸をADPが奪い取る基質レベルのリン酸化があります。

 

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解糖系

先ほどのATPなどのエネルギーを作っていくのが解糖系となります。解糖系ではグルコースからピルビン酸が作られ、嫌気的条件下では乳酸となり、好気的条件下ではクエン酸回路へと進んでいくというのが概要です。

 

 

解糖系やや細かく見てみると、グルコースはヘキソキナーゼによってグルコース6-リン酸となります。「ヘキソ」キナーゼから、「ヘキサ」を連想して6番目がリン酸化されるのを印象付けましょう。なおこの反応は不可逆的反応です。

 

グルコース6-リン酸はフルクトース6-リン酸となり、フルクトース6-リン酸はホスホフルクトキナーゼによってフルクトース1,6-ビスリン酸となります。この反応も不可逆的反応です。

 

フルクトース1,6-ビスリン酸も様々な反応を経てホスホエノールピルビン酸となります。ホスホエノールピルビン酸はピルビン酸キナーゼによってピルビン酸となります。この反応も不可逆的反応です。

 

ピルビン酸は嫌気的条件下では乳酸デヒドロゲナーゼによって還元されて乳酸となります。激しい運動した後に「乳酸がたまる」などと言ったりしますが、激しい運動を行うとATPが減るため、少しでもATPが欲しいわけです。しかし解糖系が正しく進むためには、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が必要です。嫌気的条件下ではNADHが持っている電子を乳酸にあげることで、NAD+の補給が行われることでATPを少しでも生み出そうとします。

 

嫌気的条件下に対して、好気的条件下ではピルビン酸はミトコンドリアへと進みクエン酸回路が行われます。

 

まとめ

  • ATPはリン酸結合をもつため、高エネルギーである。
  • 解糖系ではグルコースからピルビン酸が作られ、嫌気的条件下か好気的条件下でその後の反応が異なる。

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