メチル水銀、カドミウム、ヒ素、クロム、スズ、鉛の毒性

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メチル水銀、カドミウム、ヒ素、クロム、スズ、鉛の毒性

前回の重金属と健康障害の事件や歴史でもお話ししたように、重金属は人体に様々な影響を与えます。一部かぶりますが、今回は重金属の毒性についてさらに細かく見ていきたいと思います。今回見ていく重金属は以下の6つです。

 

 

  • メチル水銀
  • カドミウム
  • ヒ素
  • クロム
  • スズ

 

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メチル水銀

メチル水銀が水俣湾に排出され、生体濃縮された魚介類を知らずに摂取してしまいました。その結果水俣病が起きてしまいました。

 

 

吸収されたメチル水銀はシステイン抱合体となると、メチオニンと構造が似ています。そのため中性アミノ酸トランスポーターを介して脳内に取り込まれてしまいます。そして吸収されたメチル水銀は毛髪中などに排泄されます。

 

カドミウム

カドミウムが神通川に排出され、水田を汚染しました。汚染水が使われて育った農作物を知らずに摂取してしまい、イタイイタイ病が起こりました。

 

吸収されたカドミウムは主に糞中に排泄されます。カドミウムの中毒で尿細管での再吸収が阻害されるようになると、β2-ミクログロブリンという物質が尿中に出やすくなります。β2-ミクログロブリンは本来尿細管で再吸収されやすい物質ですが、カドミウムにより再吸収が阻害されると尿中に出やすくなるためです。

 

ヒ素

森永の粉ミルクに製造工程で触媒として用いた亜ヒ酸が混ざってしまいました。そしてこの粉ミルクを飲んだ多くの乳幼児に死亡者や被害者が出てしまいました。この他にも平成では和歌山ヒ素カレー事件なども起こりました。ヒ素の毒性は、消化器症状、呼吸困難、黒皮症などが起こります。ヒ素は昔バーコードに使われていました。覚え方があまり適切ではありませんが、皮膚がバーコードのように黒くなることをイメージすると覚えやすいかもしれません。

 

3価(As3+)の亜ヒ酸の方が、5価(As5+)のヒ酸より毒性が強いとされています。これも覚え方は「ヒ酸(悲惨)より、あ〜悲惨(亜ヒ酸)」と覚えましょう。

 

ヒ素の代謝は主にメチル化で行われ、無機ヒ素→メチルアルシン酸→ジメチルアルシン酸→アルセノベタインという代謝が行われます。アルセノベタインまで代謝されると毒性は小さくなりますが、ヒトはジメチルアルシン酸までしか行けません。それに対して、甲殻類などはアルセノベタインまで代謝が進みます。

 

 

クロム

クロムもヒ素と同じく、イオンの状態により毒性が変わり、6価クロム(Cr6+)の方が3価クロム(Cr3+)より毒性が強いとされています。6価クロム(Cr6+)は酸化力が強く鼻中隔穿孔などの症状を起こします。

 

スズ

有機スズのトリブチルスズ化合物などは船底塗料として使われていました。そのため海洋汚染が起こり、巻貝などのメスのオス化などを引き起こしました。ちなみに、参考としてメスのオス化を引き起こすその他の物質としてはベンゾ[a]ピレン、ダイオキシンなどがあります。

 

鉛のうち無機鉛は貧血などの症状を起こします。これは無機鉛がヘム合成を阻害するためです。ヘムはざっくりと以下のように作られます。

 

 

無機鉛はδ-アミノレブリン酸脱水酵素とヘム合成酵素を阻害します。そのため尿中にδ-アミノレブリン酸、コプロポルフィリンが排泄され、血中にはプロトポルフィリンが増えます。これもゴロを紹介しておきます。

 

  • アミのコップはプロ仕様

 

 

  • アミ;δ-アミノレブリン酸
  • コップ;コプロポルフィリン
  • プロ;プロトポルフィリン

 

イメージ作りの物語を。アミちゃんの家で宅飲みをしました。アミちゃんはバーテンダーのバイトをしていたため、出てくるお酒のコップがプロ仕様だったというお話です。バーのお酒だと、「グラス」と言いそうですが、そこは大人の事情でお願いします(笑)

 

まとめ

  • メチル水銀、カドミウム、ヒ素、クロム、スズ、鉛の毒性や吸収代謝を抑えることが大事。

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