溶存酸素(DO)、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)とは?

溶存酸素(DO)、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)とは?

溶存酸素(DO)の測定法はウィンクラー法といいます。生物化学的酸素要求量(BOD)は20℃5日間行います。化学的酸素要求量(COD)は酸化剤用いて測定します。

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溶存酸素(DO)、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)とは?

前回の下水道と浄化槽、活性汚泥法とは?では、下水道について見てきました。好気性微生物による分解では酸素が必要でしたね。今回は溶存酸素などの測定法について見ていきたいと思います。

 

 

今回は見ていくのは以下の項目です。

 

  • 溶存酸素(DO)
  • 生物化学的酸素要求量(BOD)
  • 化学的酸素要求量(COD)

 

溶存酸素(DO)

溶存酸素(DO)はdissolved oxygenの略で、水に溶けている酸素の量をmg/Lで表したものです。水が汚れていくと、好気性微生物による分解が行われます。好気性微生物は溶存酸素を使うので、水が汚れていくにつれて溶存酸素(DO)は下がります。溶存酸素(DO)が下がり過ぎると、魚などが生きていけなくなってしまいます。

 

ウィンクラー法

溶存酸素(DO)の測定法はウィンクラー法と呼ばれます。反応の概要としては以下のようになります。

 

  1. KOHとMnSO4が反応し、Mn(OH)2ができる
  2. Mn(OH)2と溶存酸素が反応し、H2MnO3ができる。ここで試料中の溶存酸素を固定します。
  3. H2MnO3とKIが反応してI2ができる
  4. I2をNa2S2O3で滴定して測定する。

 

溶存酸素(DO)は、還元性物質や酸化性物質による影響を受けるためこれらがあると、正しい試験結果が得られなくなります。そのため、NaN3やKFなどを加えます。NaN3還元性物質による影響、KFは酸化性物質による影響を減らします。

 

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生物化学的酸素要求量(BOD)

生物化学的酸素要求量(BOD)は、biochemical oxygen demandの略で、水中の有機物が生物化学的に酸化されるために消費する酸素量をmg/Lで表したものです。通常20℃5日間に冷所で消費される溶存酸素(DO)を測定します。冷暗所で行う理由は、植物プランクトンの場合、光合成で酸素が変わってしまい正しい値が得られなくなってしまうので冷暗所で行います。

 

また5日間行う理由は、有機物を分解するのに5日かかるためです。その他にも5日までは生物化学的酸素要求量(BOD)と日数がほぼ直線を描くからです。もしその後も続けていくと生物化学的酸素要求量(BOD)は少し変わったグラフを描きます。

 

 

第T段階(約10日まで)はC→CO2と、N→NO2となり、主に炭素化合物の酸化により酸素が消費されます。

 

第U段階(約100日まで)はNO2→NO3となり、主に窒素化合物の酸化により酸素が消費されます。なおCO2は第2段階にはいきません、CO3という物質が存在しないためです。

 

生物化学的酸素要求量(BOD)を測定する時にNa2SO3を入れることがあります。これは残留塩素を取り除くためです。残留塩素があると、微生物を殺してしまうからです。だからと言って煮沸をしても同様に微生物は死んでしまうためNa2SO3を加えて残留塩素を還元します。

 

化学的酸素要求量(COD)

化学的酸素要求量(COD)はchemical oxygen demandの略で、水中の有機物などが酸化剤によって酸化される際に消費される酸素量をmg/Lで表したものです。生物化学的酸素要求量(BOD)に比べると、化学的酸素要求量(COD)は速く、簡単に測定できます。

 

「酸化剤」とあるように、使う酸化剤によって、ニクロム酸法、酸性高温過マンガン酸法、アルカリ性過マンガン酸法などの種類があります。

 

まとめ

  • 溶存酸素(DO)の測定法はウィンクラー法という。
  • 生物化学的酸素要求量(BOD)は20℃5日間行う
  • 化学的酸素要求量(COD)は酸化剤用いて測定する。

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